ではここからは甲板などの様子を少し。
今回の一般公開では多数の掃海艦艇が停泊していましたが、このなかで見学ができるのは「つしま」と「とよしま」の2隻です。
では掃海艇MSC-685「とよしま」をみていきましょう。
掃海艇「とよしま」は”すがしま”型掃海艇(満載排水量590トン)の5番艇で平成10年度計画で建造されました。
竣工は平成14年3月4日ですのでもうすぐ艦齢11年になるんですね。
「とよしま」の前部甲板にのぼってみました。
横付けされている同型艇の「うくしま」と「のとじま」の前部甲板です。
艦首には20ミリ多銃身機関砲が搭載されています。
F-15戦闘機などでおなじみのいわゆる20ミリヴァルカン砲を艦載型にしたもので、機雷の処分や警備活動などに用いられるようです。
こちらが「とよしま」の20ミリ多銃身機関砲JM61です。
20ミリヴァルカン砲は6本の銃身を高速で回転させて給弾・発射・装填・排出を行うため非常に高速で射撃ができますが、このJM61はそれほどの発射速度が求められていないためか発射速度は450発/分に抑えられているようです。
こちらは同型艇の「うくしま」の艇構造物です。
「すがしま」型掃海艇は前型の「うわじま」型に比べて長さを切りつめたので発電機を船体内の機械室から船首楼内に配置してるのでこのように艇橋からかなり延長したような形になっています。
ここにはCICとソナーを巻き上げるための機械室もあるようです。
「とよしま」の後部艇構造物と煙突です。
煙突は現役海上自衛隊の掃海艇では唯一並列2本を採用しています(写真ではわかりづらいですが)。
2基の6NMU-TA(B)EI型ディーゼルエンジンを搭載していて出力は1800馬力、速力14ノットなんだそうです。
では艇橋にのぼってみましょう。
羅針儀(いわゆるコンパス)がみえます。
これで方位を測ります。
2枚目は同型艇の「うくしま」「のとじま」の艇橋です。
手前に探照燈がありますね。
この探照燈はよくみると後部にレバーがついていて、レバーを動かすことでシャッタを開閉させてモールス信号をおくることができます。
「とよしま」の艇橋内です。
ここで艇の航行を行うわけです。
”すがしま”型からは機雷掃討時の自分の位置を一定にたもつために自走操艇装置で制御する定点保持システムを装備しているようです。
基本的に操艦関係の装備は護衛艦などとは同じですからちょっと窮屈そうな感じがしますね。
4枚目は艇内で火災や浸水、被弾など被害があった場合の艇内全体の状況を把握するための盤です。
艇橋後部をみてみましょう。
こちらには信号旗が並んでいます。
これをマストに掲げるわけですが、この旗の組み合わせでいろんなメッセージを作ることが出来ます。
艦艇一般公開のときに信号旗がズラリと並んで掲げられていたら何と言う意味なのかを調べてみると結構面白いですよ。
これな~んだ?
実はコレ訓練用の模擬機雷です。
なぜか「うくしま」のものですね。
機雷にはさまざまなタイプがあって船が機雷に触れると爆発する触発型や近くを船が通過すると反応して爆発する感応式などがあります。
感応式は船のもつ磁気に反応するタイプ(掃海艇はこれに対応するために磁性をおびない木造やGFRP製なのです)、船の出す音や水圧の変化などに反応するタイプなどさまざまな種類があります。
当然それに対処するため機雷の処分法もかわってきますし、年々機雷の性能も向上してくるので掃海も非常に複雑になってきます。
こちらはPAP104機雷処分具です。
”すがしま”型では英国製の対機雷戦システムが導入されたのですが、これにともなって導入されたのがPAP104です。
フランス製の機雷処分具で各国で採用されている実績があります。
300メートルまでの運用深度があり水中を6ノットの速力で移動することができます。
バッテリを内蔵していて有線で誘導された後にテレビカメラで目標に接近、係維機雷ならもっているワイヤカッタで切断して浮遊させ、沈底機雷の場合は機雷処分用爆雷を投下して機雷を処分します。
「とよしま」の艇尾です。
白い魚雷のようなものはフロート(浮識)でこれに電線や掃海索などを接続してさまざまな掃海作業を行います。
横のクレーンのようなものは掃海具を展開させるためのダビッドです。
艇尾からみると「えのしま」と「ちちじま」が係留されていますね。
こちらにはさらに高性能化したS-10掃海具が搭載されています。
次は掃海艦「つしま」だよ。
掃海隊群艦艇一般公開in松阪 その1/その2/その3
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Posted at
2015/02/08 19:10:45