まだ去年の岐阜基地航空祭の写真の整理もしてませんが、先週行われた春日井を先にupさせてしまう。
ワイルドだろぉ~?
では簡単に写真数枚とレポを。
去る平成27年3月8日に愛知県春日井市にある陸上自衛隊春日井駐屯地で恒例の駐屯地創立記念行事が行われました。
今年で駐屯地創立48周年ということですが、春日井駐屯地の創立記念行事は毎年3月(昨年は4月でしたが)なのでこの行事は平成26年度なんですよ。
なので年度的にはイベントとしては「シーズンイン」ではなく、次の小牧でようやく「シーズンオフ」になります。
さて、駐屯地開放は9時からなのですが、シャトルバスが出ている春日井駅にはちょっと送れて(主にトイレ・・・)9時10分頃到着しました。
そうしたらシャトルバス待ちがすごっ!
結局バスに乗れたのが10時ごろでした。
春日井駐屯地は昭和16年に大日本帝国陸軍兵廠西山分廠として建設されました。
戦後の昭和30年には陸上自衛隊武器補給処西山弾薬支処が設置され、その7年後の昭和37年には第10師団隷下の第10偵察隊が移駐して西山分屯地に、さらに昭和42年に第10施設大隊隊が豊川駐屯地から移駐してきて春日井駐屯地が設立されました。
この昭和37年に部隊改編で第10混成団が現在の第10師団に改編されたわけです。
春日井駐屯地に所属している部隊ですが、正門の表札にあるように第10後方支援連隊、第10施設大隊、第10偵察隊、春日井駐屯地業務隊のほか第426会計隊、第306基地通信中隊春日井派遣隊、第104輸送業務第1端末地業務班、第130地区刑務隊春日井連絡班、それと愛知地方協力本部の案内所が置かれています。
式典が始まりました。
観閲式は10時から開始なのですが、私が到着したのが10時10分過ぎなので式典の「メイン」である式辞、訓辞はまったく見れず、観覧席もいっぱい。
来年はもう少し早く来よう。
さてずらりと整列した春日井駐屯地の隊員の皆さんですが、写真の左奥側から手前に向かって第10後方支援連隊、第10施設大隊、第10偵察隊となります。
観閲官の第10後方支援連隊長兼春日井駐屯地司令です。
観閲行進準備!
整列を解き、観閲行進のために各自移動します。
部隊の持っている旗や隊員のスカーフが色で別れています。
この色には意味があって、それぞれの職種を意味します。
第10偵察隊はオレンヂ色ですが、この色は機甲科を
第10施設大隊の赤紫は施設科を、
第10後方支援連隊は輸送科は紫、需品科は茶、武器科は黄緑を意味します。
第10音楽隊が入場してきました。
観閲行進のために観閲行進曲の「祝典ギャロップ」を演奏します。
※この曲がどんな曲なのか知らない方は
ここを
(陸上自衛隊サイトより)
観閲行進!
観閲行進がはじまりました。
先頭は観閲行進指揮官です。
【第10偵察隊】
最初の部隊は第10偵察隊です。
第10偵察隊は第10師団の目や耳となって偵察行動をおこない、戦闘区域の情報を入手する部隊です。
装備はオートバイ(偵察用)です。
オートバイの軽快な機動性を活かして偵察や連絡などに用いられます。
前日までまとまった雨が降っていたためグランドの状態は非常に悪く、低速での行進は大変そうに感じました。
観閲行進の後はアトラクションとしてオートバイドリルが予定されていましたがグランドの状態の関係か、中止になってしまいました。
装備は軽装甲機動車です。
平成14年度から陸上自衛隊に配備された装備で軽装甲を施し戦場機動をおこなう装甲車両です。
固有の搭載火器はありませんが対戦車誘導弾や機関銃、小銃の車上射撃が可能です。
装備は87式偵察警戒車です。
空地火力の脅威下で路上機動により偵察警戒・側方警戒行動をおこなう車両で25ミリ機関砲のほか機関銃を装備しています。
装備は85式地上レーダ装置JTPS-P11。
戦場監視用のレーダ装置を1 1/2トントラックに搭載したもので昇降機によりアンテナは上方に昇降することができます。
周波数帯はXバンドなんだそうです。
【第10施設大隊】
続いて第10施設大隊です。
第10師団で陣地を構築したり応急の橋や道路などの設置や破壊などをおこない、部隊を施設支援を行う第10施設大隊です。
先頭は大隊幕僚です。
続いて大隊本部の支援や渡河、情報、通信、兵站などを担う本部管理中隊です。
装備は発煙機3型です。
広域かつ連続的に煙幕を構築するための装備で、高機動車に搭載されているため機動的な発煙が可能になっています。
前日まで雨だったためか発煙機にはカバーがかぶせてありますね。
装備はバケットローダ。
土砂の積み込みや掘削、排土、整地などに用いる装備です。
なぜドアが開いてるんだろう・・・?
装備はグレーダ。
整地などの交通作業や除雪作業に用いる装備です。
装備はトラッククレーン。
重量物を揚げたりくい打ちなどの作業を行う油圧式クレーンです。
最小回転半径が5メートル前後と小さいので狭い場所での作業に適してるそうです。
次は第1中隊です。
陣地構築や障害構成、処理を受け持ちます。
装備は道路障害作業車です。
クレーンに各種のアタッチメントをつけることで道路上に迅速軽易に障害を構築する装備です。
車両後部にドリルのように見えるのがアタッチメントで、これを使って道路に孔をあけ、道路を使用不可能にすることができます。
装備はセミトレーラと中型ドーザ。
中型ドーザはいわゆるブルドーザで掘削や整地、排土作業を行う装備です。
大型トラックに牽引されている装備は渡河ボートです。
FRP製の簡易なボートでオールによる手漕ぎや船外機で航行します。
複数のボートを用いて簡易な橋にすることもあるようです。
続いて第2中隊です。
第10施設大隊は平成26年3月の部隊改編で即応予備中隊の第4中隊が廃止され、現在は本部管理中隊と第1~第3中隊の合計4個中隊により編成されています。
装備は特大型ダンプ。
いわゆるダンプカーで車体は7トントラックが用いられています。
セミトレーラに乗せられている装備は掩体掘削機。
陣地や塹壕、掩体を作る際に掘削作業を行う機材です。
一見普通の油圧ショベルですが、アームの真ん中が360度回転できるようになっています。
大型トラックに牽引されている装備は83式地雷敷設装置。
対戦車地雷を広範囲・迅速に敷設することができる装備です。
続いて第3中隊です。
第10施設大隊は中部地域を警備区域とする第10師団を施設支援する部隊ですが、災害派遣でも活躍をしています。
豪雪、豪雨、大地震などその施設作業能力を災害派遣でも発揮してます。
第10施設大隊が編成されて間もない昭和34年には伊勢湾台風被害で早くも災害派遣を行っています。
装備は特大型ダンプ。
第1中隊の物と同じ装備ですね。
セミトレーラに載せられている装備は中型ドーザ。
こちらも第1中隊と同じ装備ですね。
3 1/2トンダンプに載せられている装備は資材運搬車。
不整地地域で築城資材などの局地輸送に用いる装備です。
【第10後方支援連隊】
最後は第10後方支援連隊です。
第10後方支援連隊は第10師団の後方支援を行う部隊です。
某刑事ドラマの影響で「後方支援」というとオマケ的ななにやらあまりよいイメージがありませんが、自衛隊では兵站を意味する最も重要な職務になります。
どんなに機動性の高い装甲車でも整備がされていなければまともにうごきません。
どんなに高性能な火砲でも弾薬がなければ射撃は出来ません。
どんなに高性能な戦車でも作戦区域まで移動できなければ活躍もできません。
どんなに大量の車両が合っても燃料がなければ鉄の塊です。
そしてどんなに練度と能力が高い部隊でも食料がなければ動けません。
車両や火砲の整備補給、戦車など大型重量装備や物資、補給品の輸送などこれら整備・補給・輸送を一手に引き受けるプロ集団が後方支援です。
続いて本部付隊です。
本部付隊は連隊本部を支え、連隊の通信業務を行う部隊です。
装備は有蓋車と野外炊具1号(改)です。
名前のとおり野外で炊飯・調理をおこなう装備で部隊の野外活動には欠かせない装備です。
200人分の主食と副食をおおむね45分以内に調理ができるようです。
続いて第1整備大隊です。
第1整備大隊は第10師団の各部隊の整備支援を行う部隊です。
続いて第1整備大隊本部付隊です。
第10後方支援連隊には2個の整備大隊がおかれていますが、もともとは第10武器隊が第10師団の整備支援を行っていました。
平成3年の改編で第10武器隊、第10補給隊、第10輸送隊、第10衛生隊を廃止して第10後方支援連隊が編成されました。
その後第10後方支援連隊隷下の武器隊は武器大隊に改編され、平成16年に武器大隊は2個整備隊に編成しなおされて現在に至ります。
装備は有蓋車。
この有蓋車には作業装置(クレーン)が装備されています。
続いて第1整備大隊火器車両整備中隊です。
火器・車両等の整備・回収等をおこなう部隊になります。
装備は有蓋車。
3 1/2トントラックにはさまざまな派生車両がありますね。
装備は重レッカ。
装甲車両や火砲などや戦車などの整備の際にエンジンや砲塔など重量物を吊り下げる強力なクレーンをもっています。
走行不能になった大型の車両の牽引ができる車両の整備回収には欠かせない車両です。
続いて第1整備大隊施設整備隊です。
師団内の施設機材の整備をおこなう部隊です。
装備は3 1/2トントラック。
自衛隊車両の中では一番多く見かけるトラックですが、いすゞ自動車が製作しています。
積載量は人員22名または6トンで有蓋車、ダンプ、タンク車、対空戦闘指揮装置用トラック、軽レッカ、81式短SAMなどさまざまな派生型があります。
続いて第2整備大隊です。
第2整備大隊は第10師団の各部隊に随伴して整備回収をおこなう部隊です。
第2整備大隊本部付隊です。
第2整備大隊は本部は春日井駐屯地にありますが、隷下部隊は第10師団の各駐屯地に駐屯してそれぞれ整備支援をおこなっています。
装備は有蓋車。
第2整備大隊は普通科部隊を支援する第1~第3普通科直接支援中隊が金沢駐屯地、守山駐屯地、久居駐屯地に、特科部隊を支援する特科直接支援中隊を豊川駐屯地に、高射特科部隊を支援する高射直接支援隊を豊川駐屯地に、戦車部隊を支援する戦車直接支援中隊を今津駐屯地に駐屯させています。
写真の有蓋車は第10偵察隊を支援する偵察直接支援小隊の車両ですね。
続いて補給隊です。
補給隊は部隊の行動に欠かすことの出来ない糧食・水・燃料・部品等の補給や入浴、洗濯などの支援をおこなう部隊です。
装備は浄水セット。
野外では必ずしも清潔で衛生的な水を確保できるわけではありません。
河川や湖沼などから取水して濁せ異聞や細菌・ウイルス、不純物を取り除いて飲料水をつくる装備です。
装備は3 1/2トン燃料タンク車。
車両に燃料を補給するためのタンク車です。
続いて輸送隊です。
輸送隊は第10師団の各部隊へ人員や補給品、物資、重車両などを輸送する部隊です。
装備は特大型トラック。
物資輸送には欠かせないトラックで、この特大型(とくおおがたと読みます)トラックは積載量は人員なら35名、物資などは7トンを搭載することが出来ます。
装備は特大型セミトレーラけん引社および73式特大型セミトレーラです。
戦車などの重量車両が展開する際は自走では燃料の消費が大きいですし移動速度も遅くなってしまいます。
大型のセミトレーラをつかって駐屯地から展開先まで輸送するための装備です。
車両重量は実に18トン、積載量は40トンという巨大トレーラです。
最後は衛生隊です。
衛生隊は第10師団が作戦区域内に発生した傷病者を治療や後方へ搬送したり防疫をおこなう部隊です。
装備は1 1/2トン救急車。
多数の傷病者を後方へ搬送することを想定して患者を一度に5名収容することができます。
最後の車両は野外手術システムです。
その名前のとおり応急治療や初期外科手術をおこなうための装備です。
応急治療とはいえ開頭や開腹、開胸手術など救命のための外科手術が可能なようです。
写っている車両は1両のみですが、展開時には手術車・手術準備車・滅菌車・衛生補給車によって構成されています。
手術車は荷台が拡張して面積が2倍になって手術準備車と接続して広大な手術室を構築することが出来ます。
観閲行進を終了します。
観閲官降壇。
国旗退場。
以上で観閲式を終了します。
その2に続くよ。
春日井駐屯地創立48周年記念行事 その1/その2/その3