この夏は異様に暑い!
なんでもジリツシンケイシッチョーショーとか診断されたのですが、少しの温度変化でもものすごく気分が悪くなってしまうこともあって、夏は仕事以外ではスーパーや医療機関、ラーメン屋、プラモ屋、本屋、ガスリンスタンド以外には行かないことを基本方針にしているわけです。
・・・・ヒマやんけ・・・・
ということでこのお盆休みにプラモつくってました。
今までライトニングやF-102、Su-15、ミラージュF1などいくつかの第2世代・第3世代戦闘機を作ってきたわけですが、まだアレを作ってませんよね。
第3世代戦闘機の代表選手。
ファントムです。
といっても言われてもなかなか頭に浮かばない初代ファントム(FH)じゃないぞ。
ファントムⅡです。
ファントムⅡはいろんな国で使われ、いろんなタイプがあるわけです。
さ~てどの機体を作ろうかな。
もちろん

これ!
といきたいですが、自衛隊機はもう少し我慢。
だって塗装とかちゃんと綺麗に塗りたいでしょ?
まだまだ練習です。
ということで作ったのは・・・

フジミのファントムFG.1です。
いわゆるブリティッシュファントムってやつですね。
70年代まで英海軍はちゃんとした大型空母をもってたんですよ。
その空母に搭載する戦闘機がありゃせん・・・・ということで開発しようとしたら大人の事情(予算の関係)でおじゃんになったりしたわけですが、そうはいっても戦闘機は必要。
ちょうど米国からファントムⅡの売り込みがあったこともあって、F-4Jをベースに英海軍仕様の特別性を開発したわけです。

なんか前脚が異様に長くないですか?
これがこのFG.1の特徴なんです。
英海軍が70年代に使用していた空母はアークロイヤルといいますが、ぶっちゃけ甲板が狭い。
つまり発艦のためのカタパルトが短いということです。
そこでエンジンをJ79から英国製のロールスロイス・スペイというターボファンエンジンにしたわけです。
それだけではなく、発艦時により大きな迎え角をとれるようにこんな感じで脚を1mも長く伸ばせるようにしたわけです。

エンジンを換装したおかげで期待のレイアウトもずいぶんかわったようですが、それ以上に重たいスペイエンジンを搭載したせいで重量的に後ろにつんのめるかんじになってしまうので、スパローミサイルか、搭載してないときはスパローの形をした錘をつけてたとか。
ブリティッシュファントムは狭い甲板で使うために、艦内ではレドーム(プラモで言うと機首の黒い部分)を折って格納や移動をしてました。
レドームを折らないとエレベータで甲板まで出せないとばい。
で、そんなこんなで苦労したわけですが、小さな空母で使えるようにすると同時に、地元産業のために英国製の部品をたくさん使って国産比率を半分程度まで持っていくようにという大人の事情もありました。
そのおかげで世界で一番高価なファントムになりました。
さすが英国だ・・・・
でもこれ人のこといえないんだよなぁ・・・
ファントムⅡは日本もF-4EJとして購入したわけですが、当時の社会党などがシューヘンショコクへ脅威を与えるとかの理由で騒いだために必要不可欠な爆撃コンピュータや空中給油装置などを省略して性能を落としたわざわざ高価(標準でくっついてるのを外す仕様にすれば当然費用がかかりますよね)な仕様にしたわけです。
大人の事情というのはなんともアレなものですね。

さて、プラモのほうですが、フジミの1/72 ファントムFG.1です。
部品点数も少なく、ブリティッシュファントムの1/72では一番の良キットじゃないでしょうか?
非常に作りやすかったです。
も~すこし説明書がわかりやすかったらなぁ。
塗装は空母アークロイヤルに搭載されてた第892飛行中隊の機体。
全体をH333エクストラダークシーグレーで指定されてましたが、個人的にはもう少し青味があったほうが雰囲気が出ると思ったので、少し青を加えて調色してます。
機首には戴冠記念マークがあるのですが、デカールを貼ろうとしたら破れてしまったので、勝手に1977年以前の機体と自分設定にして作りました(笑)
タイヤはなんとゴムタイヤがついてきたので、非常にリアルにかつ簡単につくることができました。
空母アークロイヤルはファントムFG.1が1968年に英海軍に導入されてから10年ちょいたった1979年に引退しました。
乗る船がなくなったファントムは空軍に移管されちゃったんです。
ちなみに引退から直後(3年後)にマルビナス島紛争が起きるわけですが、ま~なんというか間が悪いですね。
そういえば最近も英海軍からハリアーが退役して空母がなくなった直後の2011年にはリビア内戦でNATOが軍事介入しましたが、空母がない英海軍は思うように作戦ができなかったといいます。
ま~間が悪いというかなんと言うか。
さて、どうせ作るなら2機作っちゃえと、これもつくりました。

同じくフジミの1/72 ファントムFGR.2です。
英海軍がファントムFG.1の採用を決めると、空軍も「これいいんじゃね?」としてファントムFGR.2の名前で導入しました。

基本はFG.1に準じてますが、レーダやエンジンを仕様変更したものを搭載して、どちらかといえば対地攻撃に振った仕様だったようです。
ファントムFG.1が空軍に移管されると一緒に防空もやるようになりました。

英空軍といえば灰色と緑色のマダラ模様がおなじみですが、1980年代初めにはエアディフェンスグレイという低視認性の灰色に塗られるようになりました。
今回作ったのはその塗装ですが、FG.1の空母時代と比べると国籍マークちいさっ!!

で、プラモのほうですが「うわっ、この灰色濃すぎない?」と思ったのですが塗ってみると存外違和感がなくて面白かったです。
よ~くみるとキャノピーの塗装が雑だったりしますが、今回のFG.1とFGR.2は今まで作ったプラモの中で一番よく出来たかも。
説明書では垂直尾翼は機体と同じ灰色だったのですが、ネットなどでしらべてみると第19飛行中隊では垂直尾翼をダークブルーに塗ってる機体があったので、黒と青を調色して塗ってみました。
写真だと黒に見えるけどダークブルーだよん。
ちなみになぜミサイルのパイロンがついてないかって?
ははは・・・
主翼を張り合わせるときに穴を開け忘れて、位置がわからないので泣く泣くオミットしたからだよ・・・
あ、そうそう。
海軍型をFG.1、空軍型をFGR.2といいますが、米軍風に言うと(製造元のマクドネルダグラス社の呼称ね)ではそれぞれF-4K、F-4Mといいます。
海軍だからMで空軍だからKだろ?という気もしますが、逆なので気をつけましょう。
さぁ、夏が終わった・・・
お盆が終わった・・・
仕事いきたくね~!