さて続きです。
観閲式の後はアトラクション・オートバイドリル・訓練展示と続きます。

まずは第10音楽隊による音楽演奏です。
第10音楽隊は第10師団で隊員の士気高揚や式典などの音楽演奏を行う部隊で守山駐屯地に駐屯しています。
今回は行進曲「大空」、アニメワンピースの主題歌「ウエイクアップ」、行進曲「第56旅団」の演奏を行いました。

続いて駐屯地喇叭隊の演奏です。
起床や点呼、食事など号令演奏の展示を行いました。
らっぱの演奏は
こちらをどうぞ(陸上自衛隊のページ)
そういえばこのページをつくっていて気がついたのですが、この喇叭の曲や音楽隊の演奏した「大空」や祝典ギャロップ、実は同じ人が作曲者なんですね。
陸上自衛隊中央音楽隊初代隊長をされていたそうですが凄い人なんですね。

続いて駐屯地キャラクターの紹介です。
この3人は春日井3兄弟で長男の春日井みはる、次男の春日井こうじ、長女の春日井まもりです。

この顔!
微妙にドヤ顔でちょっとイラっときます(笑)
春日井みはるは第10偵察隊の所属で趣味は双眼鏡のレンズ磨き、得意技は見張りなんだとか。
後ろの春日井こうじは第10施設大隊所属で力持ちで趣味は穴掘り。
・・・・ど、どうなんだこれ?(^^;

あらかわいい(?)
春日井まもりは第10後方支援連隊所属で得意技は車両の整備・人命救助なんだとか。
・・・すげーよ・・・・
ちなみに3人とも恐ろしく
元絵と似ていません(^^;
それにしても3人とも春日井駐屯地駐屯部隊に配属されるされるのを見越したような名前だ・・・

これは・・・春日井市のゆるキャラの「道風くん」です。
春日井市出身の書道家の小野道風がモデルなようです。
ちなみにグランドが雨でぐちゃぐちゃだったのですべってました(笑)
続いて本来ならここでオートバイドリルだったのですが、写真でもわかるように前日の雨でグランドがグチャグチャで条件が非常に悪いため中止となってしまったようです。
続いて訓練展示です。
昨年は建物を占拠した武装組織を第10偵察隊が排除をおこなう想定と防災展示を行いました。
さて今年は?

状況開始!
今回の訓練展示は小銃による射撃訓練を行います。
もちろん実弾を使うわけにはいかないので空包射撃とそれにあわせて標的を倒すことで模擬射撃訓練展示をおこないました。

立ち撃ちや中間、伏せ撃ち、前進しながらの射撃などさまざまな姿勢で射撃を行いました。
隊員が持っている小銃は89式5.56mm小銃というもので西側標準口径の5.56ミリ弾を私用しています。
単発、連射、3点制限点射を切り替えて射撃をすることが出来ます。
小銃の重さは3.5kg、軽くなったとはいえこの重さのライフルを常に携行して行動するのは大変だと思います。

さまざまな状況に応じて対応できるように射撃の訓練を行っています。
2月に行われた平成26年度師団至近距離射撃・炊事競技会では春日井駐屯地の部隊が好成績を収めたそうです。
次は国際平和維持活動においての宿営地の警備活動訓練の展示です。

対処訓練ではあらゆる状況を想定して訓練が行われます。
陸上自衛隊は国際貢献の一環として国際維持活動や海外の大災害での災害派遣、復興支援、海賊対処など多くの活動をおこなっています。
今回は国際維持活動において、扇動された暴徒が陸上自衛隊の宿営地に向かってきた場合の対処の流れを展示します。

写真の向かって右側が宿営地という想定です。
国際平和維持活動では海外のPKO部隊が暴徒に襲われる事態も発生しているわけで、いくら戦闘が終結ということになってはいても非常に危険な場所であることに違いはありません。
だからこそ各国は軍隊を派遣して平和維持を行っているんです。
どっかの某愛知のバカ新聞がイラク復興支援活動では戦闘が終結してる非戦闘地域なのに攻撃を受けて輸送機が墜落した場合を想定した対処の検討をしていたとは何事だ!なんて以前書いていましたが、命がけで日本国民の生命財産国益のために働いてる人のことなんて片っ端も頭の片隅にないんでしょうね。

国際平和維持活動で陸上自衛隊の派遣部隊が展開しました。
宿営地では隊員が警備を行っています。

国連の活動に対して不満を持つ一部の住民がデモ隊を結成し、その一部が暴徒となって陸上自衛隊の宿営地に接近してきた模様です。
警備隊員に緊迫した空気が漂います。
防護盾などで身を護り、暴徒に対峙します。

火炎瓶などで武装した○核派・・・じゃなくて暴徒が接近してきました。
口頭での説得や警告が行われましたがさらに暴徒が接近してきます。
このままでは宿営地が大変危険です。

暴徒は投石などの破壊行為を行ってきました。
投石とはいえ、当たれば命にかかわる重症を追う可能性があります。
「本部、投石を確認。」
「了解!武器試行」
やむを得ず警備隊は上空に向けて警告射撃をおこないます。

警告射撃にひるんだデモ隊でしたが、さらに接近して投石や火炎瓶の投擲を行ってきました。
宿営地の手前では火炎瓶による火の手が上がりました。

「前進用意、前へ!至近射撃用意、撃て!」
やむを得ず警備隊は暴徒の足元に向けて威嚇射撃を行います。

足元への至近弾に驚いた暴徒が逃走しました。
「本部、逃走を確認」
「了解、被害状況を確認せよ」
「本部、人員武器車両に異常なし」
以上で警備行動訓練は終わりです。
今回は暴徒に対して武器を使った警告・威嚇射撃を行って排除を行う訓練展示を行いましたが、陸上自衛隊は暴徒を起こさないための下準備を実に丁寧におこなっています。
イラク復興支援派遣では地元住民に対して反発を受けないように住民に対して理解してもらう努力を行いましたし、住民と一緒になって復興支援を行いました。
フセイン無き後の占領軍ではなく、皆さんと一緒に街を復興しましょう、そのお手伝いをしにきたのですよと言葉と行動両方を示して地道な活動をおこなっていたわけです。
任務を終えて撤収の際には自衛隊の宿営地のあるサマーワでは「自衛隊のみなさん帰らないでください」というデモすらあったそうです。
その一方で憲法解釈の関係上別の国の派遣部隊が危険に晒された場合に護ることが出来ないなど、憲法と法律によってがんじがらめだったともいいます。
国際貢献を行うために今後とも自衛隊が海外に派遣されることが増えていくと思いますが、法解釈ひとつひとつで目の前にある命を救うことができるできないに関わってくるわけです。
引き続き海外での国際貢献活動での状況展示を行います。

ハイチでの大地震の災害派遣やイラク復興支援活動など、陸上自衛隊が海外で活躍することが増えてきていました。
自衛隊が行くということは民間人では危険なのでとても行くことが出来ないという意味もあると思います。
活動部隊が進入してきました。
軽装甲機動車を先頭に、作業を行う施設部隊やそれを支援する後方支援部隊が続きます。

軽装甲機動車が先行して脅威や障害となるものはないかを確認します。

活動部隊に対する脅威がないことを確認し、警戒地点で警備を行います。

活動部隊が進入してきました。
土木作業を行います。

3 1/2トン燃料タンク車が施設科部隊の補給のために補給所を設置しています。

施設科部隊のバケットローダと特大型ダンプが土木作業を行っています。
イラク復興支援やカンボディアPKO活動でも土木作業はおこなわれましたが、陣地や塹壕などの構築する訓練がこうして国際貢献に活かされるわけです。

作業中は常に警備に目を光らせています。
ゲリラなどいつどのような脅威が目の前に現れるのかわかりませんから気の抜けない警戒です。
防弾ベストを装着していますがこれは非常に重く、以前展示してあったものを試着する機会があったのですが、これをきて長時間(短時間であっても)の行動はとても私にはできないと感じました。

土木作業を行っていたバケットローダが燃料を補給するために補給所に到着しました。
補給を行う隊員の背中には小銃があります。
補給中といえども脅威に対して万が一の対処ができるようにしてるんでしょうね。

緊急事態発生!
活動部隊の車両が故障して自走ができなくなってしまいました。
さらに緊急事態発生!警備の隊員が熱中症で動けなくなってしまいました。
警備を手薄にするわけにはいきませんから戻ることができません。

増援部隊が進入してきました。
警備の交替となる軽装甲機動車と故障車を回収する重レッカです。

動けなくなった隊員のそばに救急車が到着しました。
その間も警備の隊員は常に警備の目を光らせます。

一方故障車のほうは重レッカが到着して回収作業の準備にはいります。

救急車から衛生隊の隊員がかけよります。
動けなくなった隊員の状況を確認して収容の準備に入ります。

担架によって患者となった隊員を救急車に搬送します。
この救急車は担架の状態で一度に5人を収容することが出来ます。

救急車に収容完了、これより後方の医療施設に搬送します。

故障車のほうも重レッカにより回収することができました。
これより後方の整備所に向かいます。
このように国際貢献での活動では常に警備で部隊の安全を確保するのと同時に、それを途切れなくさせることが重要です。
また活動の際にはそれを支える数多くの支援が必要です。
燃料の補給は補給隊、物資の輸送は補給隊、患者が発生した場合は衛生隊、車両の修理や整備は整備隊などです。
今回は一連の活動を展示しましたが派遣された場合は春日井駐屯地に駐屯する部隊が大きな役割をおうことがわかります。
今回の訓練展示では模擬戦闘はありませんでしたが、国際貢献での自衛隊の活動が具体的にどのようなものなのかを展示する非常に興味深いものになりました。

状況終わり!
観閲官が退場します。
その3に続くよ。
春日井駐屯地創立48周年記念行事 その1/その2/その3