秋も深まった11月24日、岐阜県各務原市にある航空自衛隊岐阜基地で恒例の航空祭が行われました。
ドラマ「空飛ぶ広報室」の影響や前日には米海兵隊のMV-22Bが地上展示されるという情報(後に展示計画はフィリッピンの台風災害派遣の関係で中止)もあったためか、とにかくものすごい人だかりでした。
後の情報によればこの日の来客数は例年を大きく上回る15万人だったとか・・・
岐阜基地は名鉄各務原線の三柿野駅から徒歩3分の位置に北門があるので交通は非常に便利・・・なはずなのですが、今年は例年にない混雑に加えて荷物チェックの関係からなのか、とんでもないことになってました。
朝8時17分に三柿野駅に降りると、ホームが大混雑で身動きが出来ない・・・
見渡すと基地につながる歩道橋が人であふれかえってる・・・
いやぁ、こんなの見たこと無かったですよ(^^;
駅の改札も制限がかかってる状態なので、結局ホームから改札に出るま30分ぐらいかかったかな?
そこから延々と列がつながって、荷物チェックを終えたときには天候偵察と救難隊の航過飛行が終わってましたから9時過ぎだったと思います。
うん、この時点で体力の7割ぐらい使い果たした感じだ。
ということで飛行展示の模様をいくつか紹介します。
岐阜基地には飛行開発実験団が置かれ、航空自衛隊で使用している主要航空機を少数づつ配備して機体や装備品のテストを行っています。

このようにF-15戦闘機、F-2戦闘機、T-7初等練習機という異機種の編隊での飛行展示を見ることが出来るのも岐阜基地だけですね。
速度域がまったく違う航空機が同じ速度で編隊を組むことは非常に難しいようです。
速度の速いF-15、F-2と速度の遅いT-7が同じ速度で編隊を組んでいますが、F-15は速度を下げても失速しないよう機首を上げて迎え角度を大きく取っているのに対して、T-7は速い速度を出したいために機首をやや下側に向けていることがわかります。
F-2はコンピュータで機体に対して最適な姿勢制御を自動で行うためさほど機首の角度を上げていません。
このような機体の姿勢の比較までできるのは岐阜基地の飛行展示のならではですね。

先ほどの異機種編隊を解き、F-2とF-15の加速性能を披露します。
このときはF-15に軍配があがりました。
F-2はF-15に比べると1回り以上コンパクトですが、エンジンの直径はほぼ同じぐらいなことがわかります。

こちらはF-2戦闘機の機動飛行です。
先ほどのF-2とはカラーリングが違いますが、異機種編隊を組んでいたのはF-2試作2号機、この機体は1号機にあたります。
エアブレーキを展開しながらアフターバーナを使用してるんですよ。

こちらはF-15戦闘機の機動飛行。
やはりアフターバーナを使用しながらエアブレーキを展開しています。
F-15戦闘機に使用しているエンジンはF100という大推力のターボファンエンジンで、1基で約11トンの推力を発生させることが出来る化け物エンジンです。

自衛隊機シルエットクイーズ(笑)
逆光だったこともあって見事に真っ黒けになってしまいました(^^;
雰囲気だけでも。
T-4中等練習機を編隊長に、F-2、F-15、F-4×2機の合計5機異機種編隊です。

F-15とF-2が編隊を解散するところですが、なんでも「男の花道」というらしいです・・・・
ほんまかいな?(笑)

編隊を解散したF-15、F-2、F-4が会場上空を旋回し、着陸態勢に入ります。
ところで上のF-4が2機編隊で飛んでいる写真ですが、よく見ると主翼翼端と垂直尾翼翼端、胴体上部に突起の有無が確認できると思います。
突起がない右側はオリジナルのF-4EJ戦闘機、突起のある左側はF-4EJを電子装置などを換装して近代改修したF-4EJ改になります。
F-4EJ改は火器管制レーダをF-16用のAPG-66という高性能なものに換装し、F-15同等のセントラルコンピュータを搭載してそれまで職人技が全てだった地上爆撃能力も向上し、さらに空対艦ミサイルの搭載も可能なように大規模な改修を行ったものです。

続いて第1輸送航空隊第404飛行隊のKC-767空中給油・輸送機と飛行開発実験団のF-15、F-2による航過飛行(空中給油デモ)です。
KC-767の機体下部になにやら槍のような細長いものが見えますが、これが空中給油装置です。
フライングブームと呼ばれるもので、これを戦闘機などの機体の受油口に差し込んで給油を行います。
F-15は左主翼付け根、F-2は胴体上部中央に受油口があります。
空中給油機側にフライングブームを操作するオペレーターがいて、適切な位置に挿入するよう操作を行います。

KC-767空中給油・輸送機の飛行展示です。
パッと見た感じ普通の旅客機と変わりませんが、フライングブームが大きな違いでしょうか。
機体内部に空中給油用の大型タンクをもっていますが、物資の輸送ができるように貨物を搭載することも出来ます。
先日のフィリッピン大型台風災害ではKC-767も輸送機として輸送任務を行っています。

こちらは第1輸送航空隊第401飛行隊のC-130H輸送機による飛行展示です。
タキシーウエイを滑走路に見立てて着陸を行います。
通常の航空機は滑走路を使って離着陸することが前提ですが、C-130輸送機は不整地での離着陸も考慮して代替滑走路への着陸訓練も行っています。
その2に続く。
いや~、逆光で真っ黒くろすけになってしまいましたが、やはりきびしいものがありますね(^^;
その1/その2/その3/その4