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アスロックのブログ一覧

2016年01月04日 イイね!

FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開(10月10日)その2 護衛艦「てるづき」編

では艦艇をみてまわりましょう。

今回艦艇一般公開の対象になってるのは護衛艦「てるづき」「きりしま」「むらさめ」「あたご」の4隻です。


「てるづき」の艦首を横から。
艦首側に5インチ砲があり、一段高くなったところにVLS、その後方に高性能20ミリ機関砲、その後方に艦橋構造物、マストとなっています。


艦首側から見ていきましょう。
護衛艦DD-116「てるづき」(満載排水量6800トン)は「あきづき」型護衛艦の2番艦として平成25年に竣工した新しい護衛艦です。
「はつゆき」型護衛艦の代替として計画された「あきづき」型ですが、従来の汎用護衛艦ではなく、ミサイル防衛にリソースを割いているミサイル護衛艦を防衛する「僚艦防衛」の能力をもたせています。
艦首には5インチ砲が装備されています。



艦首に装備された5インチ砲。
「あきづき」型は5インチ62口径単装砲Mk45-mod5が装備されています。
他の護衛艦に搭載されている単装砲は「速射砲」と言われますが、この5インチ砲は速射砲とは呼ばれません。
「こんごう」型や「たかなみ」型が搭載している同口径の127ミリ速射砲は毎分40発の発射速度、「しらね」型が搭載する73式5インチ速射砲でも毎分35発ですが、「あきづき」型が搭載するこのMk45は毎分20発と比較的低速度になっています。



5インチ62口径単装砲を後方から。
「たかなみ」型の127ミリ速射砲と比べるとかなりコンパクトで、重量は25トン程度といわれています。
他の護衛艦と比べると直線的な砲塔となっていますが、これはステルス性をねらったためのようです。
操作は完全無人で、射撃指揮装置3型により射撃統制を行います。



5インチ62口径単装砲の砲弾。
もちろん訓練弾ですが上が発射薬、下が砲弾となり、1発が32kgあります。
対地・対水上・対空射撃が可能ですが、説明の方に伺ったところ、対艦ミサイルの迎撃にも使われているそうです。
さすがに発射速度が遅いので連射はできませんし当てるのも難しいようですが艦隊空ミサイルと高性能20ミリ機関砲の間を埋める感じなのでしょうか。



5インチ砲の後方、艦橋との間に設置してあるのがMK41 VLSです。
VLSとは垂直発射システムのことで、その名の通りミサイルを垂直に発射するシステムです。
ミサイルの弾庫と発射機を兼ねたものでミサイルは縦に装填され、真上に発射され、発射されてからミサイルは目標に向かって飛んでいきます。
従来の発射機では発射時に発射機そのものの方向を変えたり、弾庫からミサイルを装填する必要がありますが、VLSは弾庫から直接射撃ができるので矢継ぎ早に発射することができます。
「あきづき」型はESSM(発展型シースパロー短距離艦対空ミサイル)とVLアスロック対潜ミサイルをこのVLSに装填しています。
「あきづき」には32セルのVLSがこの1箇所にまとめられていて、そのうち16セルをESSM、16セルをVLアスロック用としていて、ESSMは1セルに4発装填されているようです。




艦橋構造物。
「むらさめ」型などと比べるとずいぶん雰囲気が違いますね。
従来の護衛艦は射撃指揮装置を艦橋天蓋に、三次元レーダをマストに設置していますが、「あきづき」型では艦橋構造物に一体化して設置しています。
艦橋構造物がかなりボリュームアップした感じがします。
どちらかといえば従来の汎用護衛艦よりは「あたご」型のようなイージスシステム搭載艦のような感じがしますね。



艦橋の手前に設置された高性能20ミリ機関砲(CIWS)です。
護衛艦は通常艦隊行動をとりますが、ミサイル護衛艦が艦隊防空を、個々の護衛艦に搭載された短距離艦対空ミサイルがそれを撃ちもらした目標(主にこちらに向かってくる対艦ミサイル)を迎撃します。
ミサイル護衛艦の長射程艦隊空ミサイル、個々の護衛艦の短距離艦対空ミサイル、速射砲、さらにそれをかいくぐってくる的対艦ミサイルを迎撃する最後の砦がこの高性能20ミリ機関砲です。
白い円筒状のドームにはレーダや射撃統制装置があり、その下には20ミリバルカン砲が設置されています。
目標の発見・追尾・優先順位設定・射撃・評価までを全自動で行うシステムで、多くの護衛艦に搭載されています。
「あきづき」型には艦橋手前と後部のヘリコプタ格納庫天蓋に設置されています。
予算の関係からなのか、対水上射撃ができないブロックⅠ型のようですね。




艦橋天蓋に設置された大小の白い板は射撃指揮装置3型(FCS-3A)です。
名前の通り武器の射撃管制を行う装置で、大きいほうが対空・対水上捜索用のCバンド帯レーダー、小さいほうがXバンンド帯を使ったミサイルや5インチ砲の射撃統制レーダです。
アクティブフェイズドアレイレーダのこの装置は「あきづき」型の武器システムの中核をなすものです。
イージスシステムを搭載したミサイル護衛艦は敵国から弾道ミサイルが発射される恐れが発生する場合には弾道ミサイル防衛(MD)のためにその対空目標処理にリソースの多くを使ってしまいます。
いくら高い防空能力をもつイージスシステム搭載のミサイル護衛艦といえ、ミサイル防衛対処時には自身がリソース不足のため脆弱になってしまうために、「イージスシステム艦を守るための防衛」が必要になります。
それが「あきづき」型が行う僚艦防衛です。
「あきづき」型も高い防空能力をもっていて、隣接する艦艇(僚艦)を守るためエアカバーを広げます。
ただし単にミサイルの迎撃エリアが広いわけではなく、僚艦に向かって飛来してくる対艦ミサイルを字自分だけでなく僚艦にとっての優先順位を判断して迎撃を行います。
そのためリアルタイムで脅威対象、優先順位が変化して対処することが必要になります。



艦橋構造物を横から。
FCS-3Aはレーダー波が死角にならないように配置されているのがわかります。
艦橋後方に配置されたマストは従来のラティスマストではなくステルスマストを用いています。
艦橋天蓋からマストにかけては数多くのアンテナ類が設置されています。
艦橋天蓋の大型の球状のものはスーパーバード衛星通信アンテナ、その後部の四角い形のものはNOLQ-3電子戦装置、マストの下側張り出しに設置してある大型のドームはヘリコプター用データリンクアンテナ、マスト先端に設置してあるのはTACANアンテナです。



マスト後方から。
従来のマストは重い対空レーダを設置していため、パイプを組み合わせた堅牢なトラスマストが必要でしたが、「あきづき」型は対空レーダを兼ねたFCS-3Aを艦橋天蓋に設置しているためマストに重量物を設置する必要がなくなり、このような塔型のステルスマストにすることができたようです。
マスト基部の張り出しに設置してあるNOLQ-3電子戦装置が目を引きます。
この装置は電子妨害装置で敵艦から射撃レーダ波が発信されたり飛来してくる対艦ミサイルに対して妨害電波を発信します。
その後方は煙突になります。
マスト後方の物干し竿のように見えるのは搭載艇を展開するための軸。



艦橋構造物後方の下、左右舷中段にあるパイプ状のものはMk137チャフ・フレア発射機です。
これで電波を乱反射するアルミ箔のようなものを装填したカプセルや高い熱源を持つフレアを打ち上げます。
飛来してくる敵対艦ミサイルは自艦の艦隊空ミサイルや5インチ砲、高性能20ミリ機関砲で破壊しますが、それだけでなく妨害電波を使って対艦ミサイルを妨害しますが、それでもかいくぐってくるものについてはこのチャフ・フレア発射機が自艦の周囲に高い熱源のフレアやレーダー波を乱反射するチャフの壁を作ります。
対艦ミサイルは赤外線やレーダ誘導なのでこれらの妨害装置で対処するわけです。



マストを左舷後方から。
手前に見える筒状のものは艦対艦ミサイル発射筒です。
「あきづき」型はSSM-1B 90式艦対艦誘導弾を右左舷に最大4発づつ、合計8発の艦対艦ミサイルを装備できます(写真では片側3発づつ)。
SSM-1Bは陸上自衛隊の88式地対艦誘導弾をベースに開発されたミサイルで対水上目標攻撃用の主力装備。
百数十キロの射程があるとされています。



艦中央付近。
右側に見えるのは第1煙突です。
「あきづき」型の主機は4基のSM1Cというガスタービンエンジン(ジェットエンジン)の運転数を使い分けるCOGAGという方式を用いています。
ガスタービンエンジンはコンパクトで大馬力ですが効率がよいのは高出力の状態なので燃費の面からは不利になってしまいます。
そこで艦が低速だったり巡航してるときは運転するエンジンを減らし、急加速や高速航行する場合は4基運転するわけです。
第1煙突の後方にある金魚蜂のようなドーム状のものはスーパーバード衛星通信アンテナ。
手前の白い小型のドームはNORQ-1衛星通信アンテナ。
その後方にはスライディングパッドアイが設置されています。



スライディングパッドアイです。
洋上補給のための装置で、これに滑車をつけてロープを張り、補給艦などから物資や弾薬、人員を移送します。



第2煙突側前方の第1甲板中央部に設置されているのが投射型静止式ジャマー(FMJ)です。
名前の通り投射式の妨害装置で、ここから発射され約1km先に着水してエンジン音やスクリュ音に近い音を発生して敵の潜水艦などから発射された誘導魚雷を妨害する装置です。



第2煙突付近。
艦対艦ミサイル発射筒とデッキクレーンが確認できます。
煙突基部にある小型の爆雷(?)のようなものは膨張筏です。
事故など緊急時はこれを投下するとカバーが割れて中からガスで膨らみ筏となります。



舷側はステルス性のためなのか従来の護衛艦が通路になっている部分がシールドで覆われています。
ここは「こんごう」型や「あたご」型と近いですね。
通路にはなっているのでこうやってドアを開けて通路を通ります。



火災は船の大敵。
もちろん消火設備はあちこちにあります。
消防用ホースがリール状にまかれています。



護衛艦の装備としておなじみですね。
3連装単魚雷発射管です。
「あきづき」型は左右両舷に設置されています。
HOS-303とよばれるもので、接近した敵潜水艦に向けて空気圧により単魚雷を発射します。
従来の護衛艦と異なりこのようにシールド内にあるので使用時はシールドを開いて発射します。




こちらも短魚雷?
ではなく「あきづき」型から装備されるようになった新装備です。
自走式デコイ(MOD)と呼ばれるもので、FMJよりもさらに接近してきた敵潜水艦の魚雷に対して使われます。
FMJと同じく音響を使ったものでこれを魚雷のように海中を走らせて敵魚雷をこのデコイ(囮)にひきつけるものです。



艦尾です。
こちらは広いヘリコプタ甲板と格納庫が設置されています。
後部艦構造物の上部には艦橋構造物と同じくFCS-3Aが設置され、艦橋構造物の2面と後部艦構造物の2面の合計4面で360度全周をカバーしています。
その前方には高性能20ミリ機関砲が設置されています。
艦尾がならだかに下がっていて「ミニオランダ坂」と呼ばれてるようです。
繋留装置など船として必要な装備でもヘリコプターの運用時は邪魔なので、一段下げた場所にそれらを設置しているわけです。
こうしてみると艦構造物は大きく変わりましたが、船体は「むらさめ」型から引き継いでいますね。



ヘリコプタ甲板に設置されている着艦拘束装置RAST Mk6。
片側から抱え込んでがっちりと拘束するようで、この装置にはヘリコプタのセンタリングやストレートニング機能をもっているので拘束から移送までを1人で操作することができるそうです。



甲板に半埋め込み状態になっているのはヘリコプタの管制室で、LSOと呼ばれる飛行責任者がここに座り離艦・着艦の指示を行います。
ホバリングが出来るヘリコプタなら船に着陸することなんか軽い。
・・・なんてのは大間違いで、船は当然前に進んでいますし、波で上下に揺れています。
さらに横波で船がまっすぐ走っているように見えても横に流れている場合もあります。
この状態で速度をあわせて狭い飛行甲板に着艦するのは高い練度はもちろん、艦からの誘導は不可欠になります。



ヘリコプタ格納庫です。
通常は1機のSH-60JまたはSH-60K哨戒ヘリコプターを搭載しますが、必要に応じて2機の搭載が可能で格納庫もそれに対応する広さをもっています。
真ん中の柱は必要に応じて折りたたむことが出来るようです。
格納庫の上部には矢印がついているのが着艦誘導灯で、これでヘリコプター着艦の指示を出すようになっています。
格納庫はシャッタで閉じることが出来ます。




ヘリコプタ格納庫の中。
それなりの高さと広さがありますが、大規模なヘリコプタの整備を行うにはやはり狭いと聞きます。
中は整備機材が置かれていますね。



えっと・・・なんだろ?
聞き忘れてしまいました。
(世界の艦船やその増刊号、J-shipsの世界の名艦にものってないんだもん・・・)



艦尾です。
ヘリコプタ甲板から一段下がっているところに自衛艦旗、ホイップアンテナが設置されています。
自衛艦旗の旗竿は可倒式となっているようです。



艦尾を真後ろから。
「てるづき」と書かれた左右になにかありますね。
左舷側にはドアのようなものが、右舷側にはラッパのようなものがみえます。
ドアのようなものは中に水中曳航式ソナーシステム(TASS)が装備されています。
その名の通りソナーを長く伸ばして水中を引っ張って敵の潜水艦を発見します。
ラッパ状のものはデコイランチャです。
潜水艦などから魚雷攻撃を受けた場合、自艦に近い音を発生する囮を発射して魚雷を欺瞞します。


以上、護衛艦「てるづき」一般公開でした。
まだまだ続くよ。






平成27年度自衛隊観艦式一般公開
その1/その2/その3/その4/その5/その6


Posted at 2016/01/04 01:13:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2016年01月03日 イイね!

FREET WEEK!平成27年度自衛隊観艦式艦艇一般公開(10月10日)その1

さて今年1発目の大型アップです。

だいぶ遅れてしまいましたが去る10月18日に相模湾にて平成27年度自衛隊観艦式が行われました。
参加は艦艇50隻、航空機61機(これだけで欧州のだいたいの海軍を上回るぞ)+招待艦艇ですが、観艦式は非常に大規模なので事前の体験航海もかねたリハーサルが2回がおこなわれます。
さらには観艦式の期間中はFREET WEEKとよばれる広報行事が行われます。
参加艦艇の一般公開や音楽隊演奏、シンポジウム、満艦飾・電灯艦飾、横須賀パレード、カレーフェスタ、「ポセイドンの涙」上映会にアニメ「蒼き鋼のアルペジオ」のミニイベント、さらにはなぜかスギちゃんの1日艦長&トークショーまで行われます。
・・・まぁどこかのアカい新聞があちこちに自衛隊のポスターがはってあって「そら恐ろしい」「ぞっとした」なんて書いていちゃもんつけてたけどさ、あんたらのほうが「ぞっとする」よ(笑)


今回観艦式本番と事前の体験航海は抽選が外れた以前に諸般の事情で出せなかったので10月10日にFREET WEEKの一般公開を軽く見学してきました。
一般公開は木更津公共埠頭で試験艦「あすか」、護衛艦「ちょうかい」、「こんごう」
横浜新港埠頭で訓練支援艦「くろべ」、潜水艦救難艦「ちはや」
横浜大桟橋で護衛艦「いずも」
横須賀基地で護衛艦「きりしま」、「むらさめ」、「てるづき」、「あたご」
の9隻。
さすがに全部回るのは体力的にきつい(次の日守山駐屯地の第10師団創立記念行事を見に行くつもりでしたし)

さて、どこにいきましょう?
「いずも」は既に2回見学してますのでパスとして、「あすか」が見られる木更津かそれとも「ちはや」が見られる横浜新港か、それとも護衛艦4隻の横須賀か・・・


ええい、とりあえず新幹線にのればいいや。
はてしない線路の向こう側かがやいているものはなんだろ~どきどき経由のれっしゃにのおって~たしかめにいこう~♪



あれ?気がついたら横須賀基地だよ?(笑)

見学は出来なくても遠目に米海軍の艦艇や招待艦がみられるかもしれない横須賀はやっぱりおさえておきたいですものね。


「歓迎」のゲートをくぐると観艦式の気分もたかまってきますね。
・・・一般公開だけですが。


この横須賀地方総監部の門をくぐるといよいよ桟橋です。
よく勘違いされますが海上自衛隊が海上幕僚長や海上幕僚監部の下に護衛艦体や地方隊があるように思われがちですが、幕僚長は防衛大臣を助言・補佐する職で組織上幕僚長の下になるわけではないですよ。
防衛大臣直轄の機関として海上自衛隊の部隊の自衛艦隊(その下に護衛艦体や潜水艦隊、航空集団など)があり、自衛艦隊と同列で横須賀地方隊や呉地方隊など各地方隊や術科学校、練習艦隊などがおかれてます。




天気はあいにくの曇り空ですが、華やかな満艦飾を施された艦艇がズラリとならんでいます。
これだけでも来て良かったと思いますね。
満艦飾は建国記念の日、天皇誕生日などの祝日や自衛隊記念日、観艦式など特別な日にしか行いません。
艦艇ファンにはたまりませんね。


吉倉岸壁の案内板です。
現在停泊してるのは「くらま」「おおなみ」「いかづち」「てるづき」「きりしま」「むらさめ」「あたご」
それに・・・・「スチュアート」?
どうやらオーストラリア海軍のフリゲイトがきてるようです。
でも「くらま」「おおなみ」「いかづち」「スチュアート」は一般公開なしのようですね。
残念ですがこれは仕方ありません。


護衛艦「てるづき」「きりしま」「むらさめ」「あたご」です。
汎用護衛艦といえば若干コンパクトなイメージがありましたが、「てるづき」はミサイル護衛艦「はたかぜ」型を超え、ヘリコプター搭載護衛艦「しらね」型に迫る規模になりました。
新型のステルスマストを装備するなど従来の護衛艦からは大きく艦構造物の形も変わりましたが、こうしてみると全体の雰囲気は引き継いでいる感じがするのが面白いですね。



護衛艦「くらま」「おおなみ」「いかづち」です。
手前は護衛艦DD-107「いかづち」(満載排水量6200トン)。
「あさぎり」型や「はつゆき」型の後継となる大型の汎用護衛艦「むらさめ」型の7番艦で平成13年に竣工しています。
従来の護衛艦よりも大型化され、艦対空ミサイルとアスロック対潜ミサイル垂直発射機を(VLS)に装填しています。



既に艦艇一般公開は始まっていて、大勢の見学者がそれぞれの護衛艦を見学していました。
写真はミサイル護衛艦「きりしま」、護衛艦「むらさめ」、ミサイル護衛艦「あたご」。
ミサイル護衛艦の前部艦構造物の巨大さが目を引きます。


あまりこういう写真は撮れませんので記念に。
護衛艦の各種艦砲そろいぶみです。
手前は「てるづき」の5インチ62口径単装砲Mk45-mod5。
その奥に見えるのは

「おおなみ」の127ミリ54口径単装速射砲、さらに「いかづち」の76ミリ62口径速射砲、一番奥は「くらま」の73式5インチ単装速射砲。


岸壁を見渡してみましょう。
護衛艦意外にもさまざまな艦艇が停泊しています。

特務艇ASY-91「はしだて」(満載排水量490トン)です。
艇体は灰色ですがどことなく自衛艦艇ぽくないですよね。
この「はしだて」はいわゆる迎賓船として使われます。
わが国は世界でも有数の経済大国ですがわが国を守る海上自衛隊もそれなりの規模を持っています。
もちろん各国海軍の仕官や政治家などが視察にくることも多いわけで、それ相当のおもてなしをすることも大切な仕事です。
「はしだて」は平成11年11月に竣工し、迎賓船として使えるように立食が可能なデッキや会議室や待機室をもっています。
迎賓船として使われる以外にも医療・給食・指揮支援といった災害派遣にも使える能力を持っていて東日本大震災でも災害派遣されています。
大きな煙突が左右2本ありますが、1本はダミーなんだとか。



「はしだて」の後方にいたのは多用途支援艦AMS-4305「えんしゅう」(満載排水量1400トン)です。
「ひうち」型多用途支援艦の5番艦で平成20年2月に竣工しました。
「ひうち」型は舞鶴、呉、横須賀、大湊、佐世保の各地方隊に1隻づつ配備され、訓練支援や輸送、救難などさまざまな用途に使われます。
曳航能力も高いらしく、退役した元護衛艦を改造した標的艦を指定海域まで曳航することもあるようです。
艦後方はヘリコプターでも搭載できそうなほどの広い甲板になっていますが、ここには必要に応じてコンテナや車両を搭載するほか、自走式水上標的(バラクーダ)を2隻搭載して護衛艦の水上射撃訓練の支援を行います。
艦橋の上部には唯一の武装になる12.7ミリ機関銃の銃座があります。



さて、海上自衛隊横須賀基地は米海軍の横須賀海軍施設が隣接していますので米海軍の艦艇の何隻かも満艦飾を施していました。


こちらはミサイル駆逐艦DDG-85「マッキャンベル」(満載排水量9302トン)です。
アーレイバーク級ミサイル駆逐艦の35番艦として2002年に竣工しています。
アーレイバーク級フライトⅡA型と呼ばれるもので艦尾にヘリコプター格納庫を設定したものです。




こちらはミサイル駆逐艦DDG-89「マスティン」です。
「マッキャンベル」と同じく2003年に竣工したアーレイバーク級ミサイル駆逐艦フライトⅡA型です。
同じタイプの船なのに「マッキャンベル」と比べると煙突の排気筒が見えません。
排気筒が短くなって煙突囲壁の背が高くなったためですが、赤外線によるステルスをねらったものなんだとか。
アーレイバーク級ミサイル駆逐艦は所謂イージスシステム艦で、艦構造物にある巨大な六角形の板がイージスシステム艦のシンボルになるSPY-1レーダのアンテナです。
イージスシステムは高い防空能力をもち複数の脅威に対して優先順位をつけて同時に対処ができる高度な武器システムです。
最近ではその高い防空能力に注目されてミサイル防衛(MD)ができるように何隻かが改良されています。
この「マスティン」もMD対応艦で、SM-2艦対空ミサイル、トマホーク巡航ミサイル、VLアスロック対潜水ミサイル、単魚雷のほかSM-3対弾道弾迎撃ミサイルを搭載します。
SM-2/SM-3/アスロック/トマホークミサイルは垂直発射ランチャ(VLS)に装填されていて96セルとなっています。



こちらは左側の満艦飾が施されていないほうはDDG-82「ラッセン」。
同じくアーレイバーク級フライトⅡA型で2001年に竣工しています。
右側のラッセンよりもやや大型の艦はミサイル護衛艦CG-62「チャンセラーヴィル」(満載排水量10117トン)です。
1989年に竣工したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の16番艦になります。
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦はスプルーアンス級駆逐艦の船体にイージスシステムを搭載して開発された巡洋艦で、5インチ単装砲、SM-2艦対空ミサイル、トマホーク巡航ミサイル、ハープーン艦対艦ミサイル、単魚雷発射管、VLアスロック、さらにはミサイル防衛(MD)対応としてSM-3対弾道弾迎撃ミサイルを装備しています。
アーレイバーク級よりも大型の巡洋艦だけにアスロック/SM-2/SM-3/トマホークを装填してあるVLSは122セルと多くなっています。
それにしてもアーレイバーク級にくらべるとどことなくレトロ(?)な雰囲気がしますね。
これは設計思想からくるものです。
タイコンデロガ級は既存の艦艇の船体にイージスシステムを搭載したのですが、当然船体のレイアウトの関係もあるわけで、イージスシステムの目となるSPY-1レーダの射角が阻害されないように艦構造物の背を高くして、煙突をはさんで巨大な艦構造物の前後にレーダの位置を確保するなどどことなく「苦しまぎれ」感があります。
つまり先に「船」があってそこに武器システムを載せた従来の設計思想だったわけです。
一方アーレイバーク級はそれまでの常識をひっくりかえして、先に武器システムを考え、それに合うように船体を設計することになりました。
艦構造物も比較的背が低いですしSPY-1レーダのアンテナも艦構造物の前部に集中配置することができました。
同じ武器システムをもっていても設計思想の異なる艦艇を見比べるのも面白いですね。


ではここからは横須賀基地でみることのできた艦艇(満艦飾なし)を。

海上自衛隊には2個潜水隊群があるのですが、横須賀にはそのうちのひとつ、第2潜水隊群があります。
米海軍側にあるのですが「おやしお」型潜水艦(水中排水量3500トン)が停泊していました。
艦番号も無い真っ黒な船体がなんとも不思議な感じがします。
海上自衛隊の潜水艦はの兵装は魚雷と「なだしお」以降ハープーン対艦ミサイルを搭載していますが現在でもこれを踏襲しています。
海上自衛隊の潜水艦では「うずしお」型から涙滴型の船体を採用していましたが、「おやしお」型からは葉巻型を採用しています。
外観が大きく変わりましたが、こうやって船体の一部とセイルのみが出ている状態だと・・・
見た目それほどかわらなかったりします。


3隻潜水艦が並んでいますね。
手前の2隻は「そうりゅう」型潜水艦(水中排水量4200トン)、一番奥は「おやしお」型潜水艦です。
潜水艦は船体に比べて排水量が結構大きいのですが、基準排水量で2900トンにもなる「そうりゅう」型は護衛艦「はつゆき」型にほぼ匹敵する規模ですから巨大ですね。
「そうりゅう」型はセイルの付け根が大きくRがついているのがわかります。
これは水中雑音防止と整流のために設定されたようです。
「そうりゅう」型潜水艦は海上自衛隊最新の潜水艦で、通常のディーゼルエンジン・バッテリの組み合わせのほかにスターリングAIP機関を搭載しています。
潜水艦は水中にもぐるとはいえ、「船」なのでエンジンを回すには空気が必要です。
潜行してる間は空気が取り入られないのでエンジンではなく充電しておいたバッテリを使うわけですが、バッテリは高速でモータを回転すると消費が激しいですし水中でエンジンを回せない以上充電できないので潜行能力はバッテリの能力で決まってしまいます。
そこでスターリングAIP機関(学生時代スターリング機関を習いましたが・・・忘れました。封入した気体をシリンダ外部から熱したものと熱してない気体を封入したシリンダとの体積膨張を利用して高効率の・・・・だったとおもいますが自信ありませんorz)という外の空気に依存しない機関を使って発電するシステムを搭載しています。
これによって潜行能力が向上しました。
(ただし「おやしお」型と同じぐらいの船体にAIP機関を入れてるのでその分居住性が窮屈になったみたい?)
後方に見えるのはタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦。



こちらは海上自衛隊の支援船。
YT95「曳船95号」(基準排水量260トン)です。
いわゆるタグボートで260トン型とよばれます。
艦艇を着岸させたり離岸させたり港湾施設には欠かせない支援船で、旋回式プロペラで小回り性能を向上させています。
船橋天蓋にみえる赤い銃のようなものは放水銃で限定的ながら消防船的な使い方もできるようです。



3隻並んだ支援船。
一番奥はYO36「油船36号」、手前(船名が見えませんのでわかりません)と同じく載貨重量490トンの油船25号型になります。
6個の貨物油タンクと貨物搭載スペースを設けた油船で、艦艇に燃料の補給を行います。
タンク容量は560klあるようですね。
真ん中はYW24「水船24号」(載貨重量310トン)です。
こちらは艦艇に真水を補給する船ですが、最近は港湾施設が整っているので護衛艦などではなく潜水艦を主に補給支援しているようです。
港湾施設にはこのほかにも艦艇で溜まった廃油を抜き取る「廃油船」、艦艇から桟橋や他の艦艇に人員を運んだりちょっとした貨物を運ぶ「交通船」、所謂”はしけ”の「運貨船」などがあります。



こちらは複合艇。
一般公開で来場者が誤って転落してしまうような場合に迅速に救助などを行うためだと思います。
潜水服を着ていますね。



こちらは護衛艦「いかづち」の搭載艇。
艦艇(この船の場合護衛艦いかづち)に搭載されていて必要に応じて艦艇間の交通やちょっとした貨物の輸送、救難活動などに用いられています。
操縦のための操舵盤って結構後方に設定されてるんですね。

ここからは米軍。

巨大な米海軍の水上戦闘艦艇ですね。
手前はミサイル駆逐艦DDG-63「ステザム」(満載排水量9094トン)です。
60数隻にもなるアーレイバーク級ですがその初期のタイプでフライトⅠ型と呼ばれています。
写真では全く判りませんが、初期のタイプは艦尾にヘリコプター甲板があるのにヘリコプター格納庫がありません。
その後方にみえるのはタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦(艦名はわかりません)。
巡洋艦というと非常に大型に感じますが、満載排水量で10117トンとアーレイバーク級とは1000トン程度しかかわらないのですから、駆逐艦と巡洋艦の違いってあんまりわかりませんね。
タイコンデロガ級は27隻が建造されましたが、初期の5隻は垂直発射機(VLS)を搭載していないタイプだったこともあって既に退役(中には標的処分された艦も・・・・)しています。
その後方に見えるひときわ巨大なのは原子力空母CVN-76「ロナルド・レーガン」(満載排水量103637トン)です。
米海軍は10隻の原子力空母を保有していますが、海外に配備(これを前方展開といいます)しているのはこのロナルド・レーガンのみで、核燃料交換・オーバーホールのために横須賀を離れた「ジョージ・ワシントン」と交替して前方展開されています。
観艦式本番では「サプライズ」として参加したようですね。
とにかく巨大で飛行甲板の最大幅は76.8メートル、全長は332.9メートルですから東京タワーの長さに、ジャンボジェットの長さよりもさらに長い幅をもつ飛行甲板を載せてることになります。



こちらはYRB-36。
非自走式の修理宿泊船です。
宿泊船は名前の通り宿泊施設を持った船になります。
艦艇の乗組員はその艦艇で生活をしますが、修理などで艦艇を離れなければならない場合宿泊施設が必要になります。
その宿泊施設となるのが宿泊船です。
横須賀海軍施設にはAPL-40が有名ですね。




え?これだけかって?
今回は手抜きだって?
ちゃんと次ページからは艦艇一般公開をじっくりねっとりアップ予定だお。





平成27年度自衛隊観艦式一般公開
その1/その2/その3/その4/その5/その6


Posted at 2016/01/03 00:16:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | ミリタリーイベント | 日記
2016年01月01日 イイね!

年賀状

・・・は喪中とかいろいろあって今回は出せないので、年賀状のようなものを。



年明けの祝砲です。


追記。

初詣に行きました。
いただいたお札が「見本」でした。
・・・間違って去年のお札を渡されるよりレアケースじゃね?orz
Posted at 2016/01/01 12:55:02 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記 | 日記

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