山中徘徊時々エリーゼ・・・晩秋の雑茸

本当に美しく、素晴らしかった戸隠の森と池。

でも・・・・自然は素晴らしかったけど、整備された歩道、観光客、ルート上のカフェ・・・。
なんか、ほとんど故障の起こりえない国産高級車で高速道路をドライブした気分。
やっぱり、どこかに危うさを残したオンボロ英国車でワインディングロードを楽しむように
枝を搔き分け掻き分け、獣道を歩いて来よう。

で、独りやって来ました晩秋のアカマツ混合林。


霜が降り始める頃に出てくる晩秋の茸を採りたかったけれど姿は見えず、あったのは
腐ったクリタケだけ。


山の神様に、「何か、茸を出してくださ～い！m(__)m　」とお願いしてみる。


と、傷んだアカマツの周辺に


チャナメツムタケ～！　ｖ（＾＾
土ナメコともいわれるヌメリの強いキノコで汁物に最高！。
戸隠の蕎麦屋さんでも出してくれたキノコです。


辺りの落ち葉を注意深く除いてみると幼菌が一杯♪
まだまだ、これから出て来そう！


さらに彷徨うこと一時間、倒木に何か生えている。
ヒラタケかと思ったが、腐ったツキヨタケ・・・・ガッカリ。


だが、木が倒れる際に砕け散った破片からヌメリスギタケモドキが発生していました。
これも名前の通り、チャナメ同様にヌメリが強く汁物向き♪


破片に出ているということは、当然本体にも菌が回っていたはず・・・・っと探すと、
やっぱりね、倒木の反対側に最高の食べ頃の状態でニョキニョキと。＼(^o^)／




おまけに珍しいブナシメジも一株。


ここで１ｋｇほど採ったら、神様の御利益も終了したようで、あとは腐ったツキヨタケしか
見つかりませんでした。


陽の射し込む明るい晩秋の森もよいけれど、こうして霧の立ち込める風情も捨て難い。


霧に濡れた苔の緑が目に沁みます。


秋は、鹿の繁殖期。
近くで♂が、ピィーっと♀を呼ぶ。
戯れに口笛でピーっと返してみるとと、♂もピィーっと反応します。
キノコ探しにも飽いたので声の方向にすすみ、足跡を見つけて追ってみることに。


足跡を辿っていくと、３０ｍほど先に白いお尻が見えましたが、気づけば当然逃走。
でも、いっぺんに遠くまで逃げる訳ではないので、また10分ほど追うと追いつき、また逃げる。
そんな繰り返しを数度・・・。
薄暗い森の奥に忽然とやけに明るい場所が現れました。


約300坪ほどの広さの緑の絨毯。
苔自体は、珍しいものではありませんが、こんなに明るい環境でこれほど厚い絨毯は
珍しいです。


樅かと思いましたが、葉をよく見るとトウヒかな？


歩くことさえ憚られるような美しく分厚い苔。


名も知らぬ小さな茸が、気持ちよさそうに緑のベッドから顔を出していました。


獣達もここは遠慮がちに歩くかのようなトレース。
追っていた鹿の足跡もここで不明瞭となり、見失いました。


心和む光景と思っても、足元では生存競争が繰り広げられているのでしょうか？
少なくとも3種の苔が、それぞれの生息圏を拡大しようと争っているように見えます。


跪いて、飽くことなく苔に見惚れているうちに寒くなりました。
帰りは、奥藁科の市営温泉に立ち寄り体を温めます。


う・・・ん？
こんな看板、以前は無かったような気がするけどネ　（＾＾；


短い時間だったけど、やっぱりホームグラウンドは静かでいいなぁ♪