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イイね!
2017年12月02日

山中徘徊時々エリーゼ・・・憧憬の山本番

先日、下見に行った憧れの山のひとつ、寸又川流域の「風イラズ」と呼ばれる山。
山名の由来は、山頂部の森が深くて風が入り込むことも出来ない、つまり漢字では
「風不入」と書くのが正式な表記だと言う。
藪山好きの間では、南アルプス南部の秘峰などと呼ばれるが、一般的にはほとんど
知られていない。

その所在地は概念図の通りで、大井川の有力支流である寸又川のそのまた支流、
栗代川の源流に位置する。
山頂からの南側に下る尾根が最後に大井川に落ちるところには、鉄道マニアの間では
有名な大井川鉄道アプトラインが走っている。


そして標高は2000mにも届かず、山名の通り山頂は黒々とした樹々に覆われて展望も
まったく無い。
しかし、入山者が圧倒的に少なく原始の状態が保たれていること、山頂へ続く尾根には
詳細図のようにいくつものピークが連なり、実際に登る累積標高差は南アルプスの主稜
をも凌ぐことが魅力だ。




山へ行く度に衰えを感じる自身の体力を考えると、最低でも山頂を往復するのに12時間は
必要だろう。
尚且つ、日が短いこの季節、遅くとも17時までには安全圏まで下る必要がある。
逆算すると、朝の5時前に出発しなければならない訳で、登山道など整備されていない
暗闇の中をヘッドランプを頼りに登山を開始するには、少なくともアプローチ部分は熟知
しておく必要があったと言うのが、先日の下見の理由。

多少でも日が伸びる来春の雪解けを待とうかとも迷ったが、人生明日のことは分からない
ので決行とする・・・もちろん、今日は山神様は家においていく。

22日、04:30 標高700mの栗代林道ゲートをスタート。


見上げれば素晴らしい星空だが、林道は真っ暗。


1時間で取り付き到着。ここからは森の中、月明りも無い真の暗闇。


下見をしたと言っても、昼でも見失う薄い踏み跡はヘッドランプの灯りだけではほとんど
わからない。記憶にある地形を頼りに登るが何度も簡単に道を失う、しかし要所要所に
つけておいたマークに救われてその都度リカバリー。


標高1090m付近の稜線に上がると、ようやく西側に見える朝日岳の山頂部に赤味が
差してきた。


07:30 下見の際に引き返した標高1300m付近から風イラズ方向を見る。
しかし、見えているのは山頂手前に連なる1600m級の稜線、山頂部はまだ姿を現して
くれない。


朝の引き締まった空気が流れる爽快な尾根道。


1450m付近のガレの縁は少々緊張させられるが、1612mのピークが近づいた。
ようやく陽射しが、体を暖めてくれる。


ここが地図上の1612m点、抜ケ谷山。


ここでようやく風イラズの山頂がお出まし。
しかし、その手前に並ぶ小ピークの数は、地図よりも多いんじゃないか…?


09:00 地図上の1621m点、黒枯山。
一度ここで寝てみたいと誘われてしまう穏やかな山頂だ。


そして、ここは今日のルートで唯一の展望地。
北側にいよいよ大きくなった風イラズ。


西には、朝日岳と遠く寸又川原流域の山並み。


南を振り返れば、さっき通ってきた抜ケ谷山とその向こうに1580mピーク。
帰りは、またあそこを登り返していくことになるんだなぁ・・・・。


せっかく登ってきたのにまたまた1560mまで下る。


そして、ここからの急登と倒木がこの山のハイライト。


岩稜も増えてくる。


ふくらはぎが張ってくる頃、1700m到達、しかし山頂への最後の登りはこれまで以上に
急峻なようだ。


尾根が一層痩せて両側は絶壁、ただ樹があるので高度感はさほど感じない。


おお~、良い枝ぶりだ。持って帰って家の庭へ植えたいな。


そして1750~1800mへの激登り。
地図の等高線以上に急だ、岩角、木の根をホールドに体を引き上げていく。


そして傾斜が緩むと突然薄暗いシラビソの森。


10:50 本当に風も吹きこみそうも無い静かな山頂に着いた。


三等三角点。


いつの頃の山名プレートか・・・?
古い山岳写真によると「風不入」と記されていたというが・・・「入」だけがかすかに??


とううとう来れたとしばし感慨に浸るが、あんなに良い天気だったのに、急に霧が出て
気温が下がった。
どうせ展望のない山だからいいけど寒い。
山神様の持たせてくれた握り飯を頬張り、滞在25分で下山開始。


登りより下りのほうが傾斜は急に感じるもの。
分かっているけれど、本当にこんなとこ登ってきたっけ?と言いたくなる。


ちょっとルートをはずしたら下りの倒木帯・・・あ~もう許して。


登りではさほど気にしなかった岩尾根も下りは慎重に。


梢の間からこれから下る波打つ尾根が見えた・・・下りじゃなくて登りに見える。


登り返して再び1621m黒枯山。


また陽射しがもどって暖かいので小休止。
この付近は春にはたくさんのアカヤシオが咲くと言う、その時期にテントを背負って花見に
来たいものだ。


霧が晴れて再び姿を現した「風イラズ」、さようなら・・・だ。


疲れた脚にこの落ち葉の滑りやすい急斜面はかなりやっかいだ。


伸びる影と競争で下る。


最大のポイント、尾根から林道への下降点には暗くなった場合に備えて方向を示す
マーキングをしておいたが明るい内に通過できた。


林道におりて30分、またも空を雲が覆った。
今夜は雪になるのだろうか?
だが、下ってきた尾根だけは夕日に真っ赤に焼かれていた。


16:35 ヘッドランプを使うことなく下山完了。


今日も山ノ神に無事な下山を感謝。


今回から身に着けることにした「お守り」。
「ココヘリ」という捜索システムの発信機で万が一の時、ヘリコプターで捜索してくれる。
つまり「ココ」に「ヘリ」来て~!と言う捜索サービスが、年間会費3650円、一日僅か
10円という訳だ。
あくまで捜索ヘリなので救助・搬送はしてくれないが、遭難者の位置を特定して警察等に
よる救助もしくは遺体捜索を迅速に行おうというもの。
本人は好きで登ってるから仕方ないけど、遺体も見つからないと失踪扱いとなり遺族に
迷惑をかけるのは申し訳ないからネ。


帰りの車中から見る長島ダムと大井川鉄道のアプト区間。
左の山が、風イラズから続く尾根の最後のピーク栗代山1293mである。


少々疲れたが、今日も一日よく動いてくれた脚に感謝。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2017/12/04 15:45:52

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kuta55さん

この記事へのコメント

2017年12月4日 17:28
流石に暗闇の中での歩行、怖いですね。
経験有るけど、周りの音でドキッとします。
コメントへの返答
2017年12月4日 18:14
そうですね、夜明け前と日没後は獣達のゴールデンタイムですからね。

どうしても熊さんが気になっちゃいます。
2017年12月4日 17:43
ココヘリ‼️
必須アイテムです‼️
山祝いになりましたでしょうか?(^ ^)
コメントへの返答
2017年12月4日 18:19
終電車に乗り、見覚えのない駅で目覚めた時に
「ココ僕エリ」如何でしょうか?

Presented by Boku Eri.
Powered by MoRa.

It's grate!! っす v(^^
2017年12月4日 19:58
ほぼだrにも合わないだろう、これほどのところだと、単独行では何かあったときはどうしようもなくなりますね。

コメントへの返答
2017年12月5日 0:29
maneki-nekoさん

コメントありがとうございます。

土曜日とあって観光地の寸又峡は、紅葉見物の客でごった返しているようでしたが、このルートでは一日誰にも会いませんでした。

確かに単独で何かあればただではすまない場所です。
但し、単独故に行動や装備面でパーティに比べ過剰なほど慎重になるというメリットもあります。
一方、ツアー登山に見るように足の揃わない烏合の衆のようなパーティでは却ってリスクが増えることにもなる場合もあります。
やはり、単独であれパーティーであれ個人が自立した登山者であることが大前提です。
2017年12月4日 21:04
「ココヘリ」、私も魚釣りの際に持っていた方がいいような。
コメントへの返答
2017年12月5日 0:31
でも釣りに行くって言って「ココヘリ」持って密会に行くと空の上から探索されちゃうかも・・・・(^^
2017年12月4日 22:11
秋の陽はつるべ落としであります
陽のあるうちに下山できちゃうその足がすごいです
5時には真っ暗ですから...
影の長さに急かされる
自然との戦い お疲れ様
コメントへの返答
2017年12月5日 0:34
まったく秋の陽は短くて、昼飯を食べたら逃げるように慌ただしく下山することになります。
本当は、心惹かれた場所ではもう少しゆっくりとしたいのですが12時間コースではなかなか許してもらえません。
やっぱり、足を速くするしかないですがこの歳じゃ現状維持が精いっぱいです。

プロフィール

「良く曲がる ^_^ http://cvw.jp/b/1240840/48330458/
何シテル?   03/24 11:23
U-TAN(う~たん)です。 見た目は可愛い性悪娘エリに苦労してます。 よろしくお願いします。
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