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イイね!
2023年05月02日

南アルプス 残雪の上河内岳東尾根

2年前から計画していた残雪山行、昨年は終活のアパート建設に追われて見送り。
そして今年こそ!と意気込んでいたら右膝痛とトレーニング不足で体力低下。
4月初めの途中までのテスト登山(伊谷山)の結果、このコースは現在の自分の
脚では日帰りは不可能であることが判明。
コースは、いつものように南アルプス南部、上河内岳2803mの東尾根。
南部玄関口のエリアに当たる場所だが、知名度が低く入山者の少ない山域だ。
2年前の秋に主要部をトレースしているが、無雪期には人丈を超える這松漕ぎが
厳しい。しかし、残雪期ならば這松を覆う雪稜を快適に登れるはず。
人出の少なくなる連休明けにと思っていたが、ここのところ気温の上昇が顕著
で雪融けが一気にすすんでしまう恐れがある。
滅多に人の入らない山域なので連休の人出も殆ど影響はないだろう。
まずは天候優先で5/2-3の山行とし、どうせ泊りとするならば第一級の展望地
ながら、なかなか登るチャンスが少ない上千枚山2359mにも寄っていくことに
した。
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ーーーーー5/2 ーーーーー5/3

5/2  02:20 畑薙ダム出発、大吊橋を渡って上河内沢登山道へ。
04:20 目印の古い森林組合看板、登山道をはずれ東尾根末端に取り付く。
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05:20 廃屋となった造林小屋、ここでかっての植林時のかすかな踏み跡が
消える。
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08:10 2057m点、樹間から下山時に通過する鳥小屋尾根の畑薙山が見える。
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09:25 2300m点、ようやく雪が出てきた、やはりテスト時からかなり雪融けが
すすんでいる。
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2350m、西に茶臼岳、小屋の赤い屋根が確認できる。
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10:10 2423m伊谷山山頂より目標の上河内岳を仰ぐ。
泊り装備なのでテスト時よりも荷物は重いが所要時間はほとんど変わらない。
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ここから上千枚山へは、一旦100mほど下る。
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12:00 シラビソの藪を掻き分けて上千枚山山頂2359mに到着。
陽当たりの良い山頂部は雪が消え、三角点が出ていた。
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聖岳、赤石岳、荒川岳と南部3000m三座がそろい踏み。
なるほど、知る人ぞ知る展望地だ。
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さらに荒川岳の右手に霞むのは塩見岳から間ノ岳の北部3000m峰だろうか?
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往路を戻り伊谷山へ登り返し、西北に向かって急坂を下降する。
途中、青黒い壁のようにそそり立つ東尾根を見る。
明日の樹林帯の登りを考えると溜息が出てしまう。
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15:00 標高2292m、上河内沢支流横沢のコルにツエルト(軽テント)を設営。
トレーニング不足で鈍った体は正直だ、お湯を注ぐだけのアルファ米を掻き込んで
17時には爆睡した。
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5/3
東の空、朝焼けに浮かぶ笊ケ岳のシルエットを鑑賞しながら出発。
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2500mの樹林限界まで尾根の上にはシラビソのブッシュが濃い。
ブッシュの密度が低く、雪が多く残る北側斜面を巻くように登っていく。
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樹林の中とは言え、斜度が増してくればアイゼンは必須。
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06:10 2550mで樹林限界を超えると突然平坦な地形となり、ブッシュから
解放される。
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右手北方向、主稜線の3000m峰の連なりに手を伸ばせば届きそうだ。
昨日、頑張ってここまで上がり幕営したかったな・・・と思ったがとても無理。
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正面には、上河内岳へ向けて立ち上がる大斜面。
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その大斜面を左方向へ斜上して尾根に乗る。
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振り返れば黒々とした伊谷山と上千枚山、その向こうの青薙、稲又山越しに富士が
浮かぶ。
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07:20 2660m点、ここもなかなか得難い展望地。
右手に聖、赤石、荒川岳と北へ向かう主稜線の高度感が凄い。
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正面に上河内岳山頂へ続く雪稜。
左南面は完全に這松が現われ、北面も予想より雪は少ないが何とか頂上まで
繋がっているように見える。
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左手にはこれから向かう茶臼岳から光岳への主稜線。
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この日、最も恐れていたのは雪が融けて這松漕ぎを強いられることだったが、
この最も雪の少ないところでも僅か1mの幅で雪が繋がっており這松を踏むことなく
登ることが出来た。
ただ、この先の最も傾斜の強い場所でのちょっとしたスリップをストックで止め切れず
5m程のプチ滑落。
幸いダケカンバにぶつかって停止したが、軽量化の為にピッケルを装備から外したこと
が災いした・・・軽量化の為に安全性をないがしろに・・・猛省すべきだ。
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2750m いよいよフィナーレ、憧れた天国へ続く道。
痛む膝、疲れたふくらはぎも軽くなる。
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08:40 上河内岳山頂着。
冬でも強風で雪が吹き飛ぶ西側は、もう完全に地肌が露出。
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登って来た東尾根、伊谷山を振り返る。
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さぁ、これで二年越しの目的は果たせた。
帰路への下降点、茶臼岳に向かう。
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名残惜しい気持ちで上河内岳を振り返る。
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茶臼岳まであと一登り。
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10:45 茶臼岳着。
さすがにGW、主稜線では10人ほどの登山者と出会った。
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ここからは、今回のルート核心部を手に取るように見ることが出来る。
上河内山頂から横沢コルまで一挙に高度を下げた後、伊谷山まで頭をもたげ、
再び上河内沢出合まで高度を落としていく東尾根の姿を目に焼き付ける。
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11:10 茶臼岳直下の雪田から下降路の鳥小屋尾根に向かう。この尾根にも
整備された登山道は無く、一般登山者は立ち入り禁止とされている。
雪田の遥か彼方にゴールの畑薙ダムが見える・・・今の自分にとっては遠いな。
さぁ、家に帰ろう。
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13:40 1900m付近から横沢コル、伊谷山の最後の眺め
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14:40 畑薙山1835m山頂。啄木鳥の鳴き交わす声が賑やかだった。
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16:50 長い下りに右膝に加えて左膝まで悲鳴を上げかけた頃、ようやく大吊橋
を渡る。畑薙ダムへ戻る林道に出ると大好きな山吹が登頂を祝ってくれた。
GWにも拘わらず、結局、登りの東尾根、下りの鳥小屋尾根ともに一人の登山者にも
出会うことは無かった。
否応なしに老いを感じさせられる急登の多い行程だったが、今回も本当に楽しかった。
ダムまでの小一時間、山旅の余韻に浸りながらゆっくりと歩いた♪
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ブログ一覧 | 日記
Posted at 2023/05/09 12:51:22

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この記事へのコメント

2023年5月9日 13:05
残雪が少なかったですか~
今年の夏も荒れそうですね。
それにしても、清々しい景色だ事。
コメントへの返答
2023年5月9日 21:26
はい、もう少し雪が残っていてくれた方が登りやすかったと思います。
美しい風景の中に垣間見える変化・・・ホントにこれからの気象変動が心配、いや、もはや手遅れなのかも知れませんね。
2023年5月9日 19:21
山のこと全く分かりませんが、もの凄い行程なのは分かる気がします。ただただゴイスーですm(_ _)m。僕らの知らない素晴らしい風景を見続けてきたんでしょうね🗻🌋🏔
コメントへの返答
2023年5月9日 21:33
いえいえ、これを一日で回れるなら凄い行程と言えますが、これじゃ随分時間がかかりましたねってレベルです。
今回は、気に入った場所ではたっぷりと休憩時間をとり、心ゆくまで景色を楽しみました。
2023年5月9日 19:54
素朴な疑問なのですが、熊ってこの付近に生息しているのでしょうか?
コメントへの返答
2023年5月9日 21:34
はい、おりますよ。ルート上に熊檻もあります。でも、会いたくてもなかなか会えないものです。
2023年5月10日 9:17
お疲れ様
滑落には驚いたけど何事も無くて良かった

今回の山行文も相変わらず素晴らしい
自分が行った気がする
どの写真も良いけど
富士山が見えている写真は
特に良いなあ~
コメントへの返答
2023年5月10日 20:49
はい、ありがとう。
ちょこっと雪の足場が崩れた時、バランスをとるために持っていた枝が折れた。たまたまストックを片手に2本持った状態で滑ったので止めることが出来ず60度くらいの斜面を5mほどの滑落。落ちてく先に20cmくらいのダケカンバが生えてたので狙いを定めて足から激突、衝突のショックで片足のアイゼンが外れかけたけど上手く停止。このダケカンバがなかったら・・・と下を見たら恐ろしい景色でした。(-_-;)
数百gの軽量化なんてケチなことを考えずにピッケルを持っていけば良かったものを・・・登山人生最大のミス、自らを厳しく戒めてます。

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