林道…そこは廃線跡だった
投稿日 : 2009年08月30日
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狩勝峠周辺の林道探索シリーズ(←シリーズなのか?)その2です。
今回は、空知郡側。
狩勝峠への頂上付近にある脇道に入ると、そこは林道でした。
樹林帯を抜けると、急に開けました。すぐ近くには、国道38号線も通っているのが見えます。
わたしは移住してからの約20年近く、狩勝峠など何度も通っているのに、歴史的なことは何ひとつ知らなかったので、妙に整地された路面と、点在する「昭和三十一年六月」と書かれた電柱跡が何を物語るのか、この時点で気付いていませんでした。
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突然、林道脇にコンクリートの建物の跡を発見。
恥ずかしい話、それまでこの道は、国道の旧道だと思い込んでいたので、民家跡かと思いきや、妙に建物がしっかりしているのと、柱の一部に鉄道のレールが使われた痕跡があるのを発見。
この時点で、初めてこれが駅、もしくは信号所の跡であり、この道が廃線跡だと言うことに気付いたのです。
果たして、探すと建物跡の奥に「日本国有鉄道」と彫られた石柱を発見しました。
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さらにこんな看板も。
帰宅してからネットで調べて、ようやくここが旧根室本線の狩勝信号所跡であったことを知ります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%A9%E5%8B%9D%E3%83%88%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB
昭和46年まで使われていたそうです。
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さらに進むと、ありました。
これが狩勝トンネルの入り口です。
写真のようにがっしりした柵が作られていることからも、鉄道マニアの方には超有名スポットであり、訪れる人は多いようです。
知らないっておまぬけ。(笑
明治時代のトンネル工事の際にも、湧水で工事に苦労したそうですが、それを物語るように、人の出入りがなくなった現在では、湿地帯となっており、トンネル内もかなりの水量と思われます。
道内の峠の例にもれず、ここも明治時代にタコ部屋とか人柱伝説もあり、入り口付近は禍々しい雰囲気を漂わせており、立入禁止の看板がなくても、不気味で入る気は起きません。(汗
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地図ではこの先で、現在の国道に接続されていることになっているので、それを期待して進んでみましたが、トンネル脇からはこのありさま。
道は既に湿地となっており、進むことができませんでした。
諦めて戻ろうと、オートバイを降りた瞬間、ブーツが泥に沈むのに気付きました。
見ると、シェルパのタイヤも恐ろしい勢いで泥に沈んでいきます。
慌てて引っ張り出しましたが、底なし沼状態でけっこう危なかったです。
シェルパが軽いオートバイで助かりました。
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引き返す途中、信号所近くでコンクリートやレンガの破片が散乱していました。
これも帰宅後調べたところ、下の落合駅から昇ってくる線路跡のようです。
この信号所がスイッチバックになっており、いったん方向を変えた後、汽車は全速力で峠へ挑むのです。
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実は途中、渡河が必要でした。
空知川源流部とあって、水が非常に透明で、一見浅そうに見えたので、不用意に乗り入れたら、意外と水深があり、あぶなくオートバイを倒すところでした。
思わず右足を川中に着いたのですが、ガエルネのオフブーツの防水性に感謝。
なので帰りは別ルートを探しましたが、当然あるはずもなく、この写真は2度目の渡河の後です。
こけなくて良かった…。
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現在の国道上から、信号所跡を望みます。
写真ではわかりにくいですが、線路跡が2段になっていて、スイッチバックの痕跡がはっきりわかります。
これまで何度もこの景色を見ていましたが、旧国道の跡か、林業管理用の林道だと思い込んでいたのが恥ずかしい…。
北海道に点在する、近代遺産を発見したひとときでした。
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