車に接する時間もブログを書く時間もネタもない毎日。仕事仕事の連続で少々グロッキー状態。そんな私を見た父が、夕飯の席上、次のような発言をした。
「BXやエグザンティアが車高下がって停まっているのを見ると、カッコいいな~と思うが、CXが車高下がって停まっているのを見ると、大丈夫か?トラブったか?と他人事ながら心配してしまう。」
と。
私の父は30代でプジョー505GTiを買うような変わり者であるがゆえ、ブラックジョークや皮肉や嫌みを言わせたら天下一品である。
しかし、真意は別にある。30年以上、父という人間と付き合ってきて、ようやく最近分かってきた。上記の発言を訳すと
「無理はいかんぞ、CXにでも乗って適度に息抜きしろよ。」
という意味である。証拠に今朝仕事に出ようとしたら
「今日は俺が仕事してるから


行って買い物してきて欲しい」
と。
父からの指令だと、さすがの鬼軍曹も意見できない。そんなことも全部知っている、父の私に対する計らいである。
私は父に心から感謝し、買い物に出かけることにした。CXのカギを手にして、車庫へと向かう。最後にCXに乗ったのは、8月25日であり、あの方とラーメン&冷麺を食べた日である。ボディーにうっすらと埃が堆積し、それを見た私は、父の発言を思い出した。確かにBXやエグザンティアがうずくまっているより、不動臭がする。私はCXに申し訳ない気持ちでいっぱいだった。愛だの、シトロ炎だの、なんだかんだ言ってるわりに2週間も放置プレイとは・・・己を恥じた。クモの巣が張ったドアを開き、乗り込み、左手でカギを刺し右に回す、毎度のことながら緊張する瞬間である。
「ヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャン(セルモーターの音)
ん??あれ?いつもならヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャン、ブォーンとなるのに・・・・
キーを戻して、再チャレンジ。
ヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャンヒャン」
かからない・・・
私は車内で考えこんだ。意外に冷静だった。
セルが回るがかからないということは燃料が来てないのか?火花が散らないのか?いろいろ考えた。しかし考え込めば考え込む程、重大な部分の心配が出てくる。AEIだったらどうすんべ?ECUだったらどうすんべ?不安が不安を助長する。
車内で10分程考え込み出した答えは
「下手にトラブルシューティングせず、戻って仕事する」
ということだった。この現象は「外に出るな!」ということなんだと自分に言い聞かせて。
昨夜の父の発言から15時間しか経っていない。またしても奇妙な現象である。
仕事場に戻ると、父が不思議そうな顔をして私を見てきた。苦笑いして返すと
「セルは回るのか?燃料はきてるか?」
と。
私は父に一言も話していない。我々親子は昔からこんな感じなのだ。
結局、乗る暇はないのでCXはお不動のまま、時間が出来たら私なりに診てみようと思う。ダメなら友人メカニックにヘルプだ。
CXは偉大な車である。


Posted at 2012/09/09 03:30:20 | |
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シトロエンCX | 日記