
「家族のための車選び」
という言葉がある。私の父親の辞書に、この言葉は載っていなかった。そして、その環境下で育まれた私の辞書にも掲載されていない言葉である。
今週の家族サービスは、多量の荷物と人員を運ぶ必要があり、親戚から車を借りた。私は以前にもこの車を借りたことがあったが、二度と乗りたくないと思った。しかし、鬼軍曹の命令は絶対である・・・(涙)
私がこの車を遠慮したい理由は
1.バネなのにめちゃくちゃ乗り心地がよい
2.めちゃくちゃ荷物が積める
3.日産で買える
我ながら、見事なへその曲がりっぷりである。
シトロエンに対するバイアスをゼロにして、純粋に接すると、今にも買ってしまいそうになるくらい、魅力に溢れた車である。
後部座席の妻子にとっては最高の車であるようで、笑顔が絶えない。しまいには同乗していた、車を全く知らない義母まで
「古いのどっちか処分して、これ買ったらいいのに」
と言う始末。もし私が、への突っ張りを全て捨てて、この車を購入したら、私の辞書には前述の言葉が掲載されるであろう。要の鬼軍曹は
「国産ミニバン買えって言ってるわけじゃないんだから!第一、大好きなフランス車じゃない!」
とみんな言いたい放題である。
へそ曲がり観点から見ると、ブレーキマスターシリンダーとボンネットオープナーが左にあったり、リアワイパーがリアゲートの左側の窓にしかなかったり、私の嫌いな不完全右ハンドル車の要素がてんこ盛りなのである。
しかし、これらは私個人のへの突っ張りであり、妻子には全く関係のない。そして、時速60キロ前後で、田舎の国道をタラ~っとクルージングしていると、絶品の乗り心地と相まって、めちゃくちゃ気持ち良くなってきて
「そういえば、黒バンパーのモデルあったっけな?」
とか
「買うならマニュアルだな~」
とか
「純正パーツで出ている、ベージュ色の鉄チンホイールに、プライマシーLC履いて走ったら最高だべな」
などと、変な欲望が涌き出てくる。
以前、某自動車月刊誌の中で「一度ハマった抜け出せないカングー地獄」という文章を読んだことがあった。まさに蟻地獄のような車である。
さぁ~困った。妻子の笑顔が私の心を締め付ける。誰か助けて~!私のこのモヤモヤを晴らして欲しい・・・
あと2日間、私はこの車と接しなければならない、家に置いてきたCXとエグザンティアの事を想うと、また涙が出そうだ。
またしても私のシトロエン愛が試される試練・・・
ルノーカングー、とてもとても恐ろしいフランス車である。

Posted at 2012/09/16 01:01:28 | |
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