
全くの故障知らずだった妻の車。ある日、車体下部の地面に直径10センチ程の染みができているのを発見した。
私はいつも車に乗車する際、無意識に下部地面を確認してしまう癖がある。ハイドロシトロエン乗りの悲しい性である。たとえそれがシトロエン以外の車であってもやってしまう癖だ。
早速、その染みの原因である液体を人差し指に取り、親指とスリスリして臭いを嗅ぐ、この行為も手慣れたものだ。大概「なんだ、水か!」となるのだが、今回の場合、ビミョーなヌルヌル感と石油系のかほりがあった。間違いなくなんらかのオイルであった。
車の方を確認してみると、それが「デュアロジックオイル」であると直ぐに解った。染みの真上にはデュアロジックのアクチュエーターがあり、その付近が見事に油まみれになっていた。
やっぱり妻の車もイタ車である。ずっと平穏無事であるはずがない。昨年6月の納車以来、あまりにもノントラブルで少し心配していたのだ。ある意味妻の車は、私の期待に答えてくれて、自分のイタ車としての存在感を主張してくれたのだ。しかも仕事再開の準備でクソ忙しいこの時期に・・・
早速妻に報告すると
「ふっ、やっぱりな」
とコメントした。ラテン車の酸いも甘いも舐めつくしたベテラン変態車オーナーような発言に、私は内心ムッとした。私の車趣味を間近て見たり、聞いたりしているので、変態ラテン車について耳年増になっているのでは?と、この時は思った。
そして、妻の車を修理に出して、やってきた代車が画像の車である。
シトロエン趣味で先祖帰りするのは得意だが、代車の場合、少々やっかいである。
マイナーチェンジ前と後で、得たものと失ったものが、痛い程解ってしまったのだ。
そしてどうやら、私には「プンエヴォ」より「グラプン」の方が肌に合うと感じた。
なぜだ?細部を見れば、プンエヴォの方が洗練されていて、装備も充実している。しかも走りはより元気な感じだ。しかし、車を全体像でとらえて比べたとき、グラプンの方がしっとりと濡れた感じで、そのビミョーな感覚が私の琴線をコチョコチョするのだ。
悩むこと数日、そして今日突然、その答えが出た。
私は妻にグラプンの感想を聞いた。妻は断然プンエヴォの方が良いと言った。理由は
「リアにパーキングセンサーが付いていることと、トランクをリモコンで開けることができること」
と、いたって単純なものだった。
私はグラプンの方が好みで、その本当の理由が解らず悩んでいることを告白したら・・・・
「グラプンは5年落ちだからだろ」と・・・
あまりにも的確な答えを突き付けられ、私は言葉を失った。
私が惚れたのは「グラプン」ではなく「5年落ちのグラプン」であったのだ。
熟女ならぬ熟車好き・・・
もう完全に病気である。
もしかしたら我が妻、とんでもない力を持っている人間なのかもしれない。
実は妻は、CXのリアスフェアの交換方法や、エアエレメントを交換する際、右ヘッドライトを外さなきゃいけないことも以前から知っていて、試行錯誤でガチャガチャやっている私を、陰であざ笑っているのかもしれない。

Posted at 2012/01/18 00:14:50 | |
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