新年度がスタートして早2ヶ月が過ぎた。各地で車趣味イベントが目白押しであるが、とくにシトロエンのイベントととなるとやはり関東以西で行われることが多い。出来る限り参加したいと思っているが、個人事業主の悲しさ、なかなか勝手には休めないのである。しかも土曜日を休みにすると、翌週の土曜日に地獄をみるはめになる。今までの人生で今ほど自分の「コピーロボット」が欲しいと思ったことはない。
閑話休題
先日、旧知の車仲間であるM先生から電話がきた。知り合いの方が、自分の車を修理してくれる工場を探しているとのこと。車はアルピーヌA110。しかもオーナーさんは我が町から1時間程のところにお住まいとのこと。早速車の状況を知るべくオーナーさんに連絡して、現車を見せていただくことにした。
とある日曜日、恒例のタイムイズマネーをアニエッリ総司令に支払って2CVに乗って出掛けた。イベントにはなかなか行けないが、2CVに乗ってアルピーヌA110を見に行くなんて、フランス車好き冥利につきる。 待ち合わせ場所に到着後、オーナーさんの案内でアルピーヌA110の保管場所へ向かった。
シャッターが開く
10年ほど不動で埃を被っていたが、すごく程度が良い。オーナーさんに聞けば1977年に3年落ちの車を購入後、38年間所有しているとのこと。内装もかなりキレイだ。
かれこれ20年ほど不動車趣味をやってきている私であるが、ワンオーナー車や長年愛されてきた車には独特のオーラを感じるのだ。汚れて傷ついてはいるが、奥底に眠る愛が醸し出す雰囲気とでも言おうか、輝いているのである。
そしてオーナーさんのご厚意で運転席に座らせてもらった。
それまで私が持っていたアルピーヌA110のイメージはコンペティティブで硬派なものであったが、シートに座った瞬間「ほわ~ん」とした。フランス車に共通する感覚に驚いた。
そしてこのアルピーヌA110は我が町にて修理してオーナーさんの思い出を復活させることになった。オーナーさんの嬉しそうな笑顔が忘れられない。
オーナーさんに再訪を約束し帰路についた。2CVを運転しながらとても満ち足りた気分になった。
古い車には歴史がある。そしてその歴史の中にはオーナーさんとその車の幾多の物語がある。その歴史と物語に触れるのは私にとって最高の幸せである。そして若干20代で憧れのアルピーヌA110を手に入れて、ずっと愛し続けているオーナーの姿を見て、私は勇気と元気と英気をもらった。
工場多忙によりまだ病床にいる我がSMだが、頑張って愛し続けていこうと心に誓った。

Posted at 2015/05/28 21:16:20 | |
トラックバック(0) |
車ネタいろいろ | 趣味