Bentley Mulsanne は約半年間ガレージに眠りっぱなしであった。 こういう使い方をされるのが目に見えているためか、SZにはバッテリーのキルスイッチがついている。当然重宝していたが、さすがに半年間の放置はバッテリーには過酷でした。晴天の休日に動かそうとしたらバッテリーが完全にあがってる。こういうことがもう3-4回目であるから、今回はネットでバッテリー充電器なるものを購入。2万円弱しましたが、なかなか秀逸で、1日半ぐらいで充電完了。晴れの休日を待って本日動かしました。
半年間動かしていなかったので心配でしたが、何の異常もなく、いつも通りユルユル、スルスル走ります。車内ではアイドリングの音も聞こえません。アイドリング時の車体の振れも全くなく、今更ながら素晴らしい。
走行2万キロとはいえ、製造から25年以上経過した車、エンジンマウントやブッシュのヤレは当然あるだろうに、これは一体どういうことか。マウントやブッシュ類の耐久性が相当高いのか、車体構造上の恩恵か、はたまたこれまでの運転の仕方によるのか。
極めて高い着座位置、無音のアイドリング、微動だにしない車体、超絶に柔らかいシートの座り心地、案外ラフで迫力あるアメリカンV8的なアクセルフィーリング、踏みはじめは極めてスポンジーではあるが、でも踏力に指数関数的に追従するブレーキフィーリング、これによりカクンと停まることなど不可能。後席に乗る人にブレーキの衝撃を与えないような設定なのか?
走り出すと車重を生かし惰性でスルスル走る感覚、etc---。これはまさにSZワールドで、SZだけの感覚である。それにAVONタイヤの静音感は超絶。空気圧を現代では考えられない低めの指定に設定し、トロットロの乗り味である。福野氏も過去にこのタイヤを絶賛していたが、果たして20年以前の古い設計のこのタイヤにそのような性能があるのだろうか? 最近のタイヤと交換して比較したいところであるが、235-70-15なんてサイズのタイヤはもうない。
後期型のSZはかなり異なるフィーリングであるのは間違いない。ぐっと現代的になった内装の意匠や、ターボ加給のエンジンフィール、幅広タイヤやサスペンションの改良、など現代的なフィーリングを併せ、現代のプレミアムカーとしても十分通用するポテンシャルを維持しているのだろう。後期型は別の車である。
ほとんど乗らないので、持っている意味ないのかなあ、などどいつも考えてしまうが、こうやって休日に持ち出すととたんにその考えは吹っ飛んでしまう。世間的にはもう古くなったが、それでもまだSZとは対極的な位置にあるW220 S600L。比較しても運転する感動と喜びは圧倒的にSZの勝ちである。もはやSZは他車との比較の対象ではない。普段乗りにはやはり相当不便で実用性は全くないが、私にとってはこれは単なる車ではなく、私が非現実に10分で逃避できるツールとして最高の所有物である。
暑苦しい文章ですいません!
ブログ一覧 | 日記
Posted at
2013/05/18 12:21:57