お帰りなさいませ、ご主人様♪

只今、帰ったよ。

「お帰りなさいませ、ご主人様。ご無事で何よりです」


いや、俺は何とも無いんだけど、またジムニーシエラちゃん。ぶっ壊した。
ほら、この写真。




「あれ？ご主人様が写真の向きを間違ったのですか？」


いや、これで直進してるんだよ。


「？」

この写真を見れば、原因が分かるよ。




「分かりかねます～」


あのな。
じゃこれ。





分かりやすく赤い線引いたよ。
これが元の位置。


「あ～曲がってる」


そうだよ。正確に言うと曲げたんだが･･･

「よくご無事でご帰宅されました」


褒めてくれて有難う。

とにかく、極端なトーインで路面のギャップを拾うたびに激しいジャダー。
常に両手保持。
カーブの被い一般道を避け、高速を3000ｒｐｍで帰ってきたよ。
正に動くパイロン。


「ご主人様の仰っている事のほとんどが分かりません」


そうだろ、婦女子には分からないんだよ。


「高速道路って、3000キロでお帰りになったんですか？」


あのな。
違う、3000回転。エンジンの1分間に回る事だよ。



「？？？？」


ジムニーシエラちゃんは、ギヤ比を下げてタイヤを大きくしているのでスピードメーターがアテにならないんだよ。



「益々分かりません。なぜそんな事をされるんですか？」


岩を登るためだよ。


「？？？？」


まぁいいか。
こんな感じで最初は調子良かったんだ。



「ご主人様、素敵です」
褒めてくれてありがとう。もっと褒めて。



「でも、ご主人様はジムニーシエラちゃんにアレだけのお金と手間をかけて、毎月ロックツアーに参加されて、毎回壊してお帰りになるのですが、私には理解できません。楽しいことなのですか？」



はい、とっても・・・



「奥様はご立腹されないのですか？」

全部秘密に決まってんじゃン。
こんなの知れたら、確実にぶっ殺されるよ。



「お疲れ様でした。お風呂にしますか？それもともお酒？」


いいちこを一杯呑んでから、お風呂もらうよ。ありがとう。
明日も仕事頑張ってくるぞ。



「わ～いつものご主人様に。嬉しい～」

はい、どうも。