フロントショック交換(その2)
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その1の続きです.
さて,アッパーマウントのトップナットを外して,ショックをばらさないといけません.リア同様,PASMのケーブルが頭から生えているので六角は使えず,かと言って,リアのようにアッパーマウントにシャフトの回り止めは仕込まれていません.代わりにナットの下のワッシャが「カニ目」になっており,回り止めが仕込まれています.PCでは「カニ目」の専用ツールを使って緩めるようです.
ところで,C2は車に装着した状態で,インパクトレンチで緩める方法がネットに紹介されています.しかし,この写真はB6装着後ですが,このようにC4はトップナットがボディの穴からオフセットされており,ソケットは入りません.C2とはキャスターの設定が異なるのでしょうか? メガネはなんとか入りますが,回せる角度はごく僅かです.頑張って回しても,アッパーマウントのブッシュが捻じれて吸収してしまいます.なので諦めて,車から外した後で作業せざるを得ない状況だったのです.
話は戻りますが,車から外した状態では,うまくアッパーマウントを抑えられず,トルクをかけられません.3本のボルトにモンキーを引っ掛けて無理やりトルクをかけても,結局,ブッシュが捻じれるだけです.「カニ目」ワッシャを抑えられるように汎用品のカニ目レンチも準備しておいたのですが,小さすぎて,固着したナットを回すようなトルクをかけられませんでした.
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強力なインパクトレンチがあれば,もしかしたら緩んだかもしれません.しかし,専用ではない普通のソケットを使うには,PASMのケーブルを切断する必要もあります.ともかくインパクトレンチは持ってないので,仕方なく写真のように貫通ドライバを「カニ目」に当てて,ハンマーでインパクトをかけました.しかし,どーやっても緩みません.潤滑剤はしこたま吹いて一晩置いてみたし,ヒートガンで加熱してみたりもしましたが,まったく歯が立ちません.
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私的には万事休す,もう諦めて「破壊」することにしました.ナットクラッカーで割るか,金鋸で切るかですが,アッパーマウントが邪魔してナットクラッカーはうまく当てられそうになかったので,根性の金鋸でぶった切りました.30分以上、たぶん1時間近く鋸を引いていたと思います。切った後は切断面を直接叩いてトルクをかけ,やっと,何とか外すことができました.
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アッパーマウント周りは写真右側のベアリングのお皿以外,新品に交換しました.写真左側はバネ受けのラバーです。ベアリングとアッパーマウントは写真を撮り忘れましたが、どちらも、再利用できそうでもありました。ただし、鋸を引いた方のアッパーマウントは傷物になっています。。。
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B6を組み込んで,ホイールキャリアにセットした全景です.スプリングは再利用です.リアとは違い,B6はPASMのケーブルがショックの下から出ているので,トップナットは通常通りメガネと六角で締められました.ご覧のようにバネの巻き数が少ないので、スプリングコンプレッサーも『2巻と3巻』のアンバランスで最小限?の掛け方です。たぶん、両方を同じストロークで締めても、力のかかり方は均一ではないと思います。ずれないようにストッパー付きのものを準備しておいてよかったです。
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再び下からジャッキで支えつつ,何とか重い一式をフェンダーの内側に押し込み,組付けました.コントロールアームがなかなか定位置に押し込めず,ちょっと苦慮しましたが,引いたり押したり叩いたり,何とか収まりました.PASMのケーブルのタイヤハウス内での取り回しには,ちょっと気を遣いました.多少面倒ですが,純正と同じ方式だと,またトップナットの締め付けで苦慮しそうなので,この方式が合理的と納得した次第です.
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最初の左側に二日,勝手知った後の右側に半日といったところです.右側はトップナットを切断しなくても,「貫通ドライバ+ハンマー」方式で緩めることができました.
実は,できればコントロールアームはボディから外したくはなく,最初はホイールキャリア側のボールジョイントを外そうとしました.しかし,この写真のリムーバーでは全く歯が立ちませんでした.再利用しないなら,強引にハンマーで「くさび」部分を打ち込んでもよいのですが,再利用前提のため,大人しくボディ側を外しました.
このコントロールアームのボディ側も1Gで締めないといけないのですが,タイヤが接地した状態ではどーやっても締められません.フロントはリアのようにリファレンスになるアームもないので,一度タイヤを履かせて荷重をかけ,その状態でタイヤハウスへ手を突っ込み,縮んだスプリングの長さを巻き尺で測ると12㎝でした.再びジャッキアップして馬をかけ,タイヤを外してコントロールアームの下をジャッキアップし,スプリングの長さが12㎝になる箇所で止め,その状態でボディ側のボルトを締め上げました.この方法,手が入らないローダウンのスプリングには使えないですよね.コントロールアームはほぼ水平に見えましたので,水準器を使う手もあるかと思います.
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ともかく,丸三日近くかけて左右を完了しました.黄色いキャリパーの向こうで,黄色いB6が少しだけ見えますよね.
必要な工具はリアの箇所に書いたものに加え,ハブセンターナット用の32㎜のソケットと1m級のブレーカーバーやドライブシャフトリムーバー,他にはインパクトレンチなどかと思います.私はハブセンターを修理屋さんで緩めてもらったはよいけど,自分では規定トルクで締められないので,また増し締めをお願いするつもりです.ちなみに,ドライブシャフトは複数のネジでトルクを分散しているデフ側で外す手もありそうですが,それはそれで,リフトでの作業が必須と思います.
以前,専門店で「911のターボの整備にはお金がかかる!」と脅されましたが,同じ四駆のC4オーナーとしても,その片鱗を思い知った気分です... 正直,この作業はDIYではお勧めの内容ではないと感じました次第です.
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