• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

灸太郎くんのブログ一覧

2025年12月06日 イイね!

面白い買い物

面白い買い物世の中にはいろいろな人がいて、”閃きで勝負”とばかり、行動に打って出る御仁がいる。

本人曰く
「 『” ピン!”と来たら110番』ではないが、逃す手はないだろ?」とのことで、
あらゆる持ち駒や手立てを組み合わせて、実現できないか策を練る段階から楽しんで、
F1チームよろしく、予測できる事態に備え、プランB、プランCまで考えているようだ

「できない理由をいかに潰すか」
衝動的ポジティブ思考とでもいうのだろうか(笑)
***********************************

今回は、中古部品屋から変わった出物を引き取ってきたのだという。
なんでも、殆どフレーム(書類付き)+エンジン+フォークブラケットのみの、
足回りがついていない車両だったそうで、
どうやって持ち帰ってきたのか、写真で時系列にお見せしたい。
(物件を載せている台車は店の備品)

alt

alt

alt

alt

alt

alt

alt

alt

alt

alt

一件落着。
***********************************

当人曰く、
「タイヤがついていないと一人ではクルマから降ろせないので、現地で組み立てて積んできた」

「車体を吊り上げられないので、組み立て手順を現地に着くまでずっと考え続けていた」

「自立させる際、台車の引き抜きだけ先方に手伝ってもらった」

「特に滞りなく、正味の作業時間は積み込みまで含めて2時間強くらいだったかな」

「多少遠方でも時間の都合さえつけば、旅行がてらと思えば特に苦にならない」

「バイクや道具類を積み込むと、車中で仮眠をとるのは少し苦労するね」

とのこと。

写真から欠品を判断し、手持ちの部品を必要な道具と共に持参したそうで、
この後、持参の道具・予備部品類をすき間に詰め込んだそうな。

***********************************

「思いたったら、やらずにいられない」
衝動の対象が、たまたまクルマ・バイクのような個人的事案なのか、
あるいは事業拡大なのか、政治力行使なのか、はたまた他国に攻め入っての領土・権益拡大なのか。。。

張本人には自業自得だが、巻き込まれる側の方々には、ご苦労が尽きないことだと思う。

Posted at 2025/12/06 17:02:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマのいる風景 | 日記
2025年12月03日 イイね!

DUCATI SSの整備【91】ハンドリング煮詰めの目標

DUCATI SSの整備【91】ハンドリング煮詰めの目標
【前回と同じタイトル写真、見やすいところに各部調整の仕様・設定をメモして貼ってあります】

車体設計上の配慮(実用性考慮の寸法拡大・強度(剛性)アップ・倒立フォーク採用)ばかりでなく、
普及期に入った17インチ径ラジアルタイヤの急速な進化があり、
以前親しんだ750F1と比べ、倒立フォーク採用の900SSは遥かにとっつきやすいというか、
適当な設定でもとりあえずバイクなりに走れてしまう「間口が広い」キャラクターと思います。

そうはいっても、マニア向けブランド最右翼たるドゥカティ、
運転者が工夫して「操縦」することがパフォーマンスを引き出すための前提で、
少々面倒ではありますが、操縦技術レベルに関わらず愛好者には面白いところでもあります。

余程の不調や不具合がなければ、どんなバイクでも丸一日走らせていれば、
それなりに勘どころが掴めて、何となく違和感少なく楽しめるようにはなるものですが、
筆者としてはより積極的に、乗れている状態に「再現性」を持たせたいので、
意図せずとも自然に気持ちよく走れてしまう操縦性を確立したいと思い、
そのための鍵となる「開けていける」出力特性調整と並行して、車体の煮詰めも進めてきました。

今回は筆者が留意してきたポイントを挙げてみます。
いくつかは既に記事にまとめたものもありますが、
次回以降、実践のプロセスを記していきたいと思います。

***********************************

要点は
運転者がバイクの持つ旋回力を邪魔せず引き出せる」状態を作ること。
特性の違いはあれど、ドゥカティばかりでなく、どんなバイクでも同じことだと思います。

A)コーナリングのきっかけを掴み易くして、進入時の「本当に曲がれるか?」という不安を払拭する。
 ギャップや路面の継ぎ目などでのひどい突き上げや跳ねは、チャレンジする意欲を削ぎますし、
 狙ったポイント・タイミングで曲がり始められる確信がないと、コーナリングは楽しめません。

B)リーン開始時、舵角(セルフステア)の入り方と、車体が傾いていく速さとが、
 運転者の感覚とシンクロし、不安なくコーナリング(旋回状態)に移行できる
 これもいわばバイクとの信頼関係の構築。

C)基本的にスロットルを開け、正方向の駆動力を掛けて後輪主体のコーナリングが実感でき、
 膨らまずできるだけ小さい半径で旋回できるように
 ばね・減衰力調整による動的な姿勢変化を含めた前後の車高調整

D)状況によってフロントから回り込ませるなど、ライン選びやライン変更などの自由度の高い、
 加減速・駆動力操作で前後輪間の自然な荷重移動をできるサスペンション設定

E)スポーツバイクの運転操作が瞬時に自在にでき、不自然な疲労や体の痛みが少ない前提で、
 前後左右上下各方向への荷重が自在にできる乗車姿勢・インターフェイス
 (車両と運転者の接する部分を安心して接したり操作したりできる状態にする)

F)バイクの動きを妨げないハンドルグリップやフットペグの車体中心線からの距離

G)ストレスなく切り替え・連続動作できるペダルやレバーの位置、角度、操作性。

H)タイヤサイズやプロファイルを含めた、リーンアングル(バンク角)操作の自然な過渡特性
 (途中から速く倒れこもうとしたり、抵抗が増して寝かせにくくなったりして違和感を抱かない状態)

というようなことが中心になると思います。
***********************************

あえて文字にすると結構欲張っているようにも思えますが、
それぞれの項目は関連・連動することも多いので、
「操作しにくい状態を排除」「乗っていて怖くない」ということから着手していくことになります。

もちろん運転者の側も、
I)間違いや思い込みによる障害を取り除いていく
 今までの調整方法や乗り方に固執せず、柔軟・謙虚な発想でチャレンジしてみる。

ことも必要で、先達や友人、知人の実例からヒントを得たり、
書物やWeb記事などを手掛かりとして、拙速に結論を出さず、
技術的意味合いなど自分なりに考察しつつ「なぜそうする(したい)のか」を常に考え、
人車ともに実践を重ね、時に失敗しながらも一歩ずつ進化していく過程自体が、
あれこれと悩みながらも大いなる楽しみであるように思います。

とくにコーナリングのきっかけ・初期の挙動は、舵角の入り方やタイミングなど、好みが分かれると思います。
実用調整範囲でも結構変化があるので、高性能部品への交換は調整を試してからの方が違いを把握できます。

ショップに整備やセットアップを一任されている方でも、最後の味付けはご自身での調整をお勧めします
調整機能があれば、ばねプリロードや減衰力ダイヤルはご自身でも調整可能ですし、
希望の方向性を見つけるための前後車高調整なども、ショップと相談して試してみることは可能です。

変更を加えるのは基本的に一ヶ所ずつで、実際に走らせて変化の有無、度合いを確認できてから、目指す方向性に沿って次をいじります。

「軽くリーンさせたい」「強く曲がりたい」「フロント周りの動きが気になる」など、意見や希望を基にショップに協力を仰ぐことで悩み解決の糸口になるかもしれません。
Posted at 2025/12/03 20:04:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年11月15日 イイね!

DUCATI SSの整備【90】ジェットニードル&パイロットスクリュー煮詰め

DUCATI SSの整備【90】ジェットニードル&パイロットスクリュー煮詰め
【ジェットニードル機能を追記しました】
いじるたびに「今までで一番快調」「まるで別物」などと書いているので、信憑性に欠けると思われるかもしれませんが(笑)、
先日の吹け上がりの印象を基に、再度ジェットニードルの高さを調整してみたところ、
ほぼ狙った通りの変化、過去最高の調子が得られました。

タイトル写真は、随時調整を加えている各部の設定・仕様をメモして貼ってある様子です。
以前の750F1の時は、カウルブラケットにマジックで直接書いたりしていました(笑)

●クリップ位置、上から2段目→2段目と3段目の中間(2.5段目)に変更
現在のニードルを当初上から3段目で組んでいましたが、吹け上がりが重い気がして上から2段目に変更したところ、かなり吹け上がりが軽快になりましたが、
3000rpmあたりからの吹け上がりにトルク感が薄いような、加速の勢いが伸びないように感じていました。

そこで、クリップ位置は上から2段目のまま、樹脂製カラーとの間に0.4mm厚のワッシャーを入れて,
2段目と3段目の中間を狙ってみました。
alt
【ジェットニードルの機能】
ジェットニードルは、可変ベンチュリーキャブレターのスライドバルブと共に上昇する、
幅広い開度・回転域に影響する部品です。

写真右側、径が太い部分(ストレート径)とメインノズル穴のすき間が、低開度時のメインノズル吐出面積で、
テーパー形状のため、開度が大きくなるほどノズル穴とニードルのすき間が大きくなる、つまりメインノズル吐出面積はプログレッシブ(無段階連続的)に大きくなっていきます。

出力特性の狙いによっては、途中でテーパー角を変えて、高回転域の燃料増量を図ることもあり、
FCRなどはストレート径とテーパー角の組み合わせなど、ニードルの種類が膨大にあるらしく、
過渡特性に配慮してと思われますが、ニードル自体も非常に長いものになっています。

100㏄以下くらいならば、工夫次第でメインジェット(=高負荷全開=最高速近辺)の見極めができるかもしれませんが、
大排気量車の場合、一般道でのメインジェット最適値の煮詰めはまず無理(低いギヤでは負荷が不足してダメ)で、
スロットルのツキや速度の乗りが良く、高速道路で可能な高負荷高開度走行直後の点火プラグのくすぶり/焼け過ぎがなければメインジェットはOK(不問)として、
ジェットニードルの形状とクリップ位置で中~高開度域のトルク特性を煮詰めていくことになります。
************************************

前回クリップ位置を調整しようとジェットニードルを取り出す際、
サイドカウルとエアボックスのみならず、キャブレター本体もマニホールドから抜き出して作業したのですが、
その際ガソリンが流出してしまい、臭気でお隣にも迷惑を掛けてしまいました。。。

考えてみればエアボックスから切り離した電装品マウントユニット(バッテリーケース含む)だけを取り外せば(もしくはずらせば)キャブレターの負圧ピストン側にアクセスできます。
alt
作業工数・時間が明らかに少なく、マニホールド内にねじを落としたりする心配もありませんでした。
(負圧ピストン室ふたや固定ビスには静電気放電用にアルミテープや歯付きワッシャーを追加してあります)

キャブレター本体にアクセスする際はエアボックスだけ外せばいいので、エアボックスと電装品マウントの切り離しはお勧めです。

●試運転→パイロットスクリュー再調整
ニードル高さを変更して試運転。エンジン始動直後からツキがいいようだ。
走りだすと、スロットル開度に対するトルクの乗りも、吹け上がりも違いが判る。

走らせて不具合はないが、ジェットニードルを0.4mm高くした分、メインノズルの燃料吐出量は増えるので、パイロットスクリューはごく僅かでも絞る方向になるはず。
先日成功した手順で、一旦調子が崩れるポイントを探り、そこからベストポイントを探ります。

油温80度あたりを指したところで、広い交差点の空き地でパイロットスクリュー調整。
アジャストスクリューでアイドリングを下げ、パイロットスクリューを少しずつ締め、スロットルを開けるとストールするポイントを探す。
そこから1/16回転程度ずつ戻して、ツキのいい最低限の戻し回転数を狙い、マイナス溝1本分くらいマージンとして戻す。

●再度試運転
スロットルを開けずクラッチワークだけで走り出せそうなくらいに、極低速から安定したトルク感がある。
開けていくと、負荷がかかった状態での回転上昇、車速の伸びが明らかにさらに速くなっている。
ギヤチェンジは素早く決まる。乗っていて非常に気持ちがいい。
右左折発進時など、吹け上がりが想像以上に速く、速度がのり過ぎるので、クラッチを切り、リヤブレーキ多用。後輪側スプロケット歯数(現在39T)を増やしてもいいかも。
※4気筒車のような、極低速でスロットルを戻しての速度調整は禁物。
トルク変動の大きさによる荷重移動・姿勢/速度変化、場合によっては失速することにより転倒するリスクがあります。

何事も「再現性」が重要。
ミクニBDSTキャブレターのパイロット系調整は、手順や見極めの勘どころが掴めたようです。

●点火プラグギャップ拡大
一旦帰庫。点火プラグの焼けは良好で、低速域での失火の様子もなし。
中高回転域・負荷が掛かった状態での着火性や火花火炎伝播の改善=燃焼速度向上を狙い、
電極ギャップをこれまでの0.8mm→0.9mmに広くしてみる。

ギャップを広げると、火花を飛ばすための要求電圧が高くなります。
特に単気筒・二気筒の場合、中高回転では良くても、低速ターンなどの際に不意に失火・ストールする恐れがあるので、失火しないほどほどのところに留めておくのが得策。

V溝付き電極でギャップ1.1mmの点火プラグを使ってみたかったが、端子形状が違うので今回は見送り。

実走テスト、アイドリング~低速域での失火は感じられない。
開けていくと思惑以上に、中速域からの吹け上がりがさらに速くなっている。
以前とは吸排気音も変わり、切り欠いたエアボックスからは750F1のような吸気音が強調されて聞こえる。
スロットルを戻した際の音もF1に似てきたように思う。
alt
電極ギャップ0.9mmでの点火プラグの様子。
写真で見るよりも明るい色で、まずまずの焼け具合。
垂直シリンダー側の方がきれいに焼けているので、水平側もマイナス溝1本分ほどパイロットスクリューを戻しておく。
*************************************

運転者としても、DIY整備者としても、20年ほどのブランクがあり、
標準状態の本調子を出す整備から、運転者の理解できる範囲で、
一歩ずつ踏み出していくように「純正部品+α」の性能向上を探ってきました。

現状でもまだ伸び代はあるように思いますし、運転者の技量が上がれば、また違ったポイントに気が付き、解決策を探るようになるだろうと思います。

記事としてまとめにくいので、足回りの設定変更の試行錯誤は掲載していませんが、
エンジン側でほぼ本調子が得られたのと同様、車体側もほぼ不安なくペースを上げていけるようになりました。

できるだけ「傾向と対策」のようなかたちで車体側の記事もまとめられればと思っています。
Posted at 2025/11/16 14:31:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年11月13日 イイね!

DUCATI SSの整備【89】フットペグ/ペダルの3次元的変更(6) ブレーキペダル加工

偏芯式フットペグを調整したところ、相対的にブレーキペダルが低くなり過ぎてしまい、
調整範囲を超えているので、ペダルを加工して踏む部分を高くしてみました。

************************************

●初代オリジナルモンスター(M900)標準車のペダル流用検討
見た目のデザイン形状は違えど、よく見ると取り付け方法や軸寸法、ブレーキシリンダー作動方法などはS2Rもオリジナルモンスターも違いはないので、流用できないかペダルを比べてみました。

上が(通常型)オリジナルモンスター純正品、下がS2R純正品です。
alt

次の写真、左が(通常型)オリジナルモンスター純正品(少々曲がりあり)、右がS2R純正品です。
alt
支点軸心と、プッシュロッドを押す作用軸を大まかに揃えて並べていますが、
左のオリジナルモンスター純正品のペダル先端(踏む部分)が浮き上がっています。
各部の違い(ストッパー位置や微妙なレバー比など)はさておき、
組み付けると確実にS2R純正品よりもペダル先端が高くなってしまうので、残念ながら不採用です。

筆者は過剰な「デザインのためのデザイン」は嫌いですが、
アルミ鋳物にもかかわらず、「厚板を折り曲げたような」安っぽい形状のS2Rよりも、
オリジナルモンスター純正品の方が好みです。
************************************

●ペダル加工前
alt

●ペダル仮加工後
alt

側面からでは判りにくいと思いますので、サービスショット(笑)
alt
とりあえず適正位置を確定したいので、見た目は度外視!(笑)
(言われなければ誰も気づかないでしょうけれど)
手元にあった3mm厚くらいの金具をボルト留めし、
踏む部分のピンとなるボルトは緩まないよう裏表からナットで締め付けました。

下からすくい上げるためにつま先を出し入れするチェンジペダルと違い、
 ブレーキペダルは上から踏みつけるだけなので、長いボルトを使って「空振り」を防いでいます。

※チェンジペダル同様に、ゴムの部分は自由に回転するようにしてあります。
 (踏んだ際の操作感改善と、軸心のボルトに回転力が掛からないように)

流用元のS2R/S4R含め初代モンスターのブレーキペダル支点は、日本車のようにブラケットの裏側からボルトを差し込んで支点として取り付ける構造です。
わざわざ面倒な取り付け方法にしなくても、と思いますが、マスターシリンダーが足元に直接干渉しないよう、ブラケット裏側に配置したいことが理由なんでしょうね(その分幅が広がるんですが)。
ブラケットを車体から取り外さずに、ペダルの左右ガタを調整するシムを噛みこまないように取り付けるのはかなりやりにくいです(愚痴)。

【ペダルの高さ調整】
①ブレーキランプスイッチを押すねじでペダル高さ(角度)を調整した後、
②マスターシリンダを押すロッドの長さ(=無効ストローク)を調整します。

●ブレーキランプスイッチのリターンスプリングが案外強いので、無効ストロークを詰める見極めが難しいです。

今回、無効ストロークは以前よりもかなり詰めてみました。
リヤホイールを回して効き始めるペダル位置を確認しながら、マスターシリンダーの油圧が感じられる位置よりも少しだけ遊びを残した状態にしました。
万全を期すなら、スイッチを取り外して無効ストローク調整するか、「ばねばかり」でホイールを回す力の変化を測定するのが良いと思います。

仕様を変更しない限り、頻繁に調整する箇所ではありませんが、
流用部品の組み合わせで構成していることもあり、各部が単純明快なSSオリジナルに比べると整備性に劣るのが難点(これも愚痴)。

※作業後は必ずブレーキランプの点灯タイミングを確認し、必要ならスイッチ高さを再調整します。

後日、改めて試運転でペダル角度最終調整と、操作性・操縦性チェックを行います。


Posted at 2025/11/15 14:14:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年11月08日 イイね!

DUCATI SSの整備【88】フットペグ/ペダルの3次元的変更(5) フットペグ前進

DUCATI SSの整備【88】フットペグ/ペダルの3次元的変更(5) フットペグ前進
車高調整含め、前後サスペンション設定をいろいろと見直していますが、
どうしてもバイクの動きが自然には感じられない気がする。

特に気になるのが、コーナー入り口での挙動(舵角の付き方)に馴染めないことと、
コーナリングの間中、後輪の存在感が少ない気がすること。

全長の長いリヤショックで後ろの車高を上げて以来、何となく曲がってはくれるものの、
リヤタイヤの接地面の表情を見ても、「前輪に依存して曲がっているような不安感」が拭えない。

    ◆    ◆    ◆

前後サスペンションのプリロードや減衰力調整、フォーク突き出し量増減をいろいろと試してみたものの、
筆者の中にある「ドゥカティらしい走り」言い換えると、
「リーン開始時に絶妙のタイミングで舵角が入り、開けやすいエンジン特性を利して後輪主体のコーナリングに移行」するパターンに持ち込めない(あくまで自身のレベルにおいての話ですが)。

    ◆    ◆    ◆

思い当たるのは、少し前、ひざが痛かった時期に、フットペグを後方にセットしたこと。
ちょうどリヤショックを交換したのとほぼ同時期でした。

当時の記事を見返すと「コーナリングの違和感もない」と書いていますが、
恐らくは変更したことでの違和感はない、という意味のように思います。

クルージングでは不安感もなく楽ですが、後輪側に荷重しづらいように思えるので、
偏芯式ペグを前に出してみることにします。
************************************

【フットペグ位置比較】
●メーカーオリジナルブラケット+モンスター用ペグ(SSオリジナルよりは低い)
 (かなり後ろ寄りでスイングアームピボットと同じ高さ。何より外に張り出していたのが不満)
alt

●S2Rブラケット&偏芯式ペグ後ろ寄り
 (比べるとSSオリジナルより1本分程度前寄り、且つかなり下寄り(くるぶし内幅は狭い))
alt

●今回の変更後(S2Rブラケット&偏芯式ペグ前寄り・若干上寄り)
 ※写真の傾きを上となるべく揃えてみました。
alt
撮影アングルが違うので分かりづらいかもしれませんが、ペグ1.5~2本分前進。
ペグとペダル支点、あるいはスイングアーム支点の位置関係を見ると一目瞭然です。

跨ってみると、特に燃料タンクとのフィット感は良好
但し太ももが水平に近づき、ひざの曲がりが結構きつくなります。
今はひざの痛みはないのでとりあえず試乗してみます。
************************************

【試運転の印象】
ハンドリングに関する試運転は、視界良好な昼間に行うのが望ましいので、
交通量も少なくなるお昼時(12時台)に繰り出しました。

ペグの高さは以前より5mm程度上がっていると思いますが、
走りだすと明確な腰高感があり、いかにも「ドゥカティらしい」と感じます。
(ベベルMHR/旧SSを思い起こすような)

ペグの位置とチェンジペダル微調整以外には変更していないのですが、
面白いことにリーン開始時の舵角の付き方が速くなり、この点も「ドゥカティらしい」乗り味。

    ◆    ◆    ◆

今まではペグへの荷重を基に、シートの上でお尻と上半身も使ってコントロールしている感覚で、
前輪が切れるタイミングが判りにくいような、どこかちぐはぐな印象がありました。

変更後は下半身全体に自然に力が入り、
足の裏~くるぶし~ひざ・太もも内側の”連続面で”荷重コントロールするような、
腰で舵を切るような感覚です。
僅かな変更でツーリングバイク然とした印象から、レースバイク的な緊張感漂う印象に激変です。

先行車とは一定の距離を置いてペースをコントロールしながら、いつものテストコースをショートカットして短時間で戻ってきただけですが、
以前よりもコーナー入り口での「本当に曲がれるか?」というような不安感が減ったように感じました。
もしかすると日中で視界が良好ゆえ、不安が少ないだけなのかもしれませんが…

速度が上がった時、リーンアングルを深くしていった時にどう感じるか、
あるいは夜間の走行への適応は未知数ですが、しばらくこの仕様を基に走らせてみたいと思います。
************************************

【ペグ位置変更による課題】
ペグと同軸作動ではないペダルの先端(踏む部分)との距離がかなり近くなります。
それゆえ高低差が同じでも下垂角がきつくなり、ペダル先端を持ち上げる必要があります

チェンジペダルはロッド長での調整が十分に可能(先の写真はペダル調整前)ですが、
筆者の足サイズ(27㎝)の場合、もう少し先端~フットペグ間の距離がある方が、
ペダルの踏みかえ(アップ⇔ダウン)を素早くできる気がします。

ブレーキペダルは既に目いっぱい上向きにセットしてあり、無効ストロークをぎりぎりまで詰めても低すぎです。これではとても乗れません。
alt

●ペダル先端部を偏芯式にして調整できないか、考えてみたいと思います。

●今回の乗車姿勢変更とは別に、以前から気になっている「ボロ隠し」的な痕跡があり、
折を見て大物部品交換をして変化を確認したいと思っています。
もしかするとハンドリングに影響しているかもしれないので。。。

●4000rpmあたりの中開度で、息つきではないがトルク感が思ったより弱いように感じる。
メインジェット領域入り口あたりだろうか。ジェットニードルと合わせてさらに伸び代を探りたい。

煮詰めていくと、どんどんと課題が絞られて浮かび上がってくるようです。
まだしばらく整備・改善作業は続きそうです。

Posted at 2025/11/10 16:51:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「ワールドチャンピオンという呼びかけに照れくさそうなノリス(笑)マクラーレン首脳陣も面目を失わずようやく今夜はぐっすり眠れるだろう。控室にノリスを冷やかしに来たのはドメニカリ(笑)」
何シテル?   12/07 23:47
灸太郎くん(キュウタロクン)です。 職業・思想・信条・立場など違えど 共通の話題で交流できるのは良いですね。 記述は残ることを意識しています。 ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/12 >>

 12 345 6
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   

リンク・クリップ

角田VSベアマン、パーマーの考察 
カテゴリ:モーターレーシング
2025/10/23 14:44:30
 
デーモンカー 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2025/03/04 10:02:12
熱意こそ原動力!セルフメイドGTO 
カテゴリ:改造
2023/09/16 17:45:53
 

愛車一覧

ドゥカティ 900SS 偉大なる教材 (ドゥカティ 900SS)
”ドゥカティらしさの粋” 野性味と洗練の高バランス。 切れ味ある走りを楽しめる高性能スー ...
ホンダ バモスホビオ 灸三郎くん (ホンダ バモスホビオ)
ステンレスたわし実験車 ”灸三郎くん” 号です♪ 慣れ親しんだアクティ一門の欲張りバージ ...
ヤマハ RD125-II ヤマハ RD125-II
2ストローク二気筒”リトルツイン”。自作Junkyard Special。 胸のすく吹け ...
マツダ ユーノスロードスター マツダ ユーノスロードスター
第三期、またまたユーノス(笑) (新車当時、周囲では誰もロードスターとは呼びませんでした ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation