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灸太郎くんのブログ一覧

2025年11月02日 イイね!

DUCATI SSの整備【86】運転手リハビリを兼ねた小ツーリング

DUCATI SSの整備【86】運転手リハビリを兼ねた小ツーリングパイロットスクリュー調整で調子が上がった(というか、本調子が出た)のを機に、
休日朝、おなじみの里山コースへ出かけてみた。
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朝方はWeb天気予報によれば気温摂氏12度前後。
先日のパイロット調整(空燃費リーン化)のためか、チョークを引けば始動に問題はないが、
レバーを早目に戻すとすぐにストールしてしまう。
チョークをいっぱいに引いた状態では3000rpm+まで吹け上がってしまう。
パイロット系をもう少しリッチに寄せた方が良いと思われる。

掛け損なうとスタータークラッチが滑ることがあり、冬場はオイル粘度を下げた方が良いかもしれない。
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道中に燃料補給。パイロット調整の燃料消費への影響を調べるにもタイミングはいい。

このところ土日は雨が多かったせいか、いつも車両チェックのため立ち寄る「道の駅」は行楽のクルマ・バイクでいっぱい。
ある程度見越していたので通過し、折り返し地点まで一気に走ることにする。
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今回チェックしたかったのは、運転手の調子確認と、足回りの状態確認。

このところは新しく発見した、山麓の田舎道(自宅から周回約50㎞)ばかり走らせていて、
夜の8時過ぎともなると交通量は少なく、エンジンの調子を見るには好都合なのだが、
先の見通せないカーブが多いことに加え、街灯が少なく、たまにやってくる対向車のLEDヘッドランプは姿勢変化でしばし目を直撃し視界を奪われることもあり、
とにかく先を読んでのメリハリのあるスロットルワークや、走行ラインを想定した荷重アクションがしにくい。

ところどころ路面が荒れている上に、夜間でも時折大型トラックが通行するため、
つい腰の引けた半端な走りになっていて、ハンドリングの評価どころか操縦自体がかなり怪しくなっているのが真相。

これ以上足回りをいじる前に運転者の調子を戻す必要あり、ということで、
久々に明るい時間帯に馴染みのコースに出かけてみた次第。
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このところ感じるのは、コーナーアプローチでの速度感が掴めないというか、
半端な走りに馴染んでしまったため、コーナー入り口で「曲がれるか?」確信が持てないこと。

とにかく入り口で無理をせず、理解できる速度で、早めに開けていけることを第一義として、
往路はひたすら運転手のリハビリに専念。

エンジンは至って快調。登り勾配の急開でもツキ・吹け上がり・速度の乗りは良好。
筆者は一番重要と考える、閉じた後、開け直す際のツキは「ドンツキ」なく良好で、
開けやすさだけでもバイクに対する信頼感が増していく。
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目標の折り返し地点のコンビニで小休止。ここもいつになく賑わっている。
筆者は不思議と一般観光客や地元住民(しかも年配者)から声を掛けられるが、一般の二輪運転者は近寄ってこない(笑)

点火プラグ焼けとオイル漏れ、各部の緩みをチェック。
(先日試運転の際は取り付けボルト/ナット/ブッシュを落としてしまい、危うく右側マフラーを脱落させるところだったこともあり・・・)
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点火プラグは両気筒同じように、まずまず焼けていて一安心。
ニードルクリップ位置を一段上にしてもいいかもしれない。
今回程度の走りでは、メインジェットの番手などはほとんど意味がなく、判別できない。
スロットルのツキや吹け上がり、トルク感や振動の出方も不満はなし。

足回りは、停止直前のふらつきやすさが少し残っているので、
リヤショックの伸び側減衰調整ねじを半回転ほど締めこんでみる。
(伸び速度が緩和され、動的にリヤが下がり気味となる)
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不思議なもので小休止を入れると、往路よりも身体がよく動く。様子を見ながらペースアップ。
大きな違和感はなく、欲張らずに往路と同様「開けていく」ことに留意しながら走らせて、
運転手・車両とも、とりあえず現状を確認することはできた。

橋や舗装の継ぎ目などギャップを踏む瞬間は、以前は無意識に身構えていたが、
リヤショック交換と先刻の調整のおかげか、
今回のペースでは下半身でホールドし開けていけば、身体に突き上げやショックを感じることもなく通過でき、感心する。

燃焼室内のカーボンが焼け飛んだのか、復路はさらに調子が上がり、吹け上がりはますます良好。
左折発進などは意識以上に吹け上がりが速く要注意で、半クラッチが必要なほど。
停止直前のふらつきは、以前に比べればかなり改善されていて、モヤモヤ感は減少。

帰路は渋滞に遭遇するも、抜け道で回避。快調さに気分を良くして無事帰宅。道程100㎞強。

各部チェックを兼ね、久しぶりに構造部品をすみずみまで掃除(灯油拭き)。
外装(塗装)部品は水はねで汚れたフェンダー以外、特に気にもならず面倒なのでそのまま(笑)
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ということで、次回に向けての課題は

●冷間時の始動性改善。

●旋回パターンに入れば気持ちよく曲がっていけるが、曲がれる確証を得るためにも、
 リーン開始時、もう少し早めに舵角がついてほしい(安心感との兼ね合いがあるが)。

●そろそろ朝夕はヒーターグリップが欲しい。

といったところ。

現車入手から約1年。不具合に対処しながら、
「CAGIVA傘下のDUCATIの進化の理解」(といっても30年前の話だが…)
「DUCATI純正コンポーネントを用いた機能向上」
をテーマとした今回のSSプロジェクト。

まだまだ試してみたいことはいろいろとあるが、かなり完成度は高まったので、
本業の”宿題”が片付いた後、そろそろ次のプロジェクトに着手したいと考えるこの頃。

Posted at 2025/11/03 13:00:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年10月30日 イイね!

DUCATI SSの整備【85】パイロットスクリュー調整の勘どころ

DUCATI SSの整備【85】パイロットスクリュー調整の勘どころ

※本記事は推敲を繰り返しましたが、今後も随時加筆・修正をするつもりです。

先日「調整で改善を見た」とレポートした、キャブレターパイロットスクリュー調整ですが、
燃費が悪化(約12~13㎞/ℓ)し、今一つアイドリングが安定せず、
暖機後に1000rpmあたりまで下げると度々ストールしてしまいます。
どこか正しくないと思われるので、あらためて調整を行いました。

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【パイロットスクリュー再調整の動機】
以前の記事で「低開度のブリッピングでツキのいいところを探る」と記しましたが、
開けた瞬間は空気量増大が先行するはずなので、スロットルのツキだけを基準にすると、走行中は空燃比リッチに傾くのではないか?と思い当たりました。

その後のフロントフェンダー交換後の試運転を行っていた際、
筆者のアタマの中の「ドゥカティらしい排気音・吹け上がり」よりもまだ重苦しい気がして、
「燃費悪化」「ややラフなアイドリング」、さらには「信号待ち時の排気臭」と合わせて考えてみても、かなり空燃比リッチか?と思われました。
そこで油温がほぼ80度くらいになったあたりで、人家から離れた交差点脇に停車し、
改めて先入観をできるだけ排除して再調整を試行しました。

あくまで当方が試行する過程の一段階なので、参考程度ということで。
記憶をたどりながら、調整手順を系統だててみます。
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【パイロットスクリュー調整の前に】
調整の前提として、各部が正しい状態(不調でない状態)であるとして話を進めます
筆者の車両もそうでしたが、調子が出ない場合、不具合が複合要因になっていることは珍しくなく、
エンジン不調の場合、キャブレターだけでなく、点火系や充電系など全般的な点検をすべきです
ひとまず整備状態不明でも、出来る範囲で一度試してみても良いとは思いますが、
「キャブレターなど触ったこともない」という向きはショップに依頼してください。
専門店の経験を生かした、車種固有のポイントを押さえた重要箇所点検・整備をセットメニューにしている場合があるので、問い合わせてみるのも良いと思います。

●当たり前ですが、スロットルケーブルの遊びはできるだけ少なくします。
 ハンドルを右に切るとケーブルは引っ張られるので、その際にアイドル回転数が上がらない程度まで詰めます。

●アイドル回転数を容易に調整できるよう「ミクニTMR用」延長アイドリングアジャストスクリュー使用を強くお勧めします(キャブレターをマニホールドから取り外して純正スクリューと交換)。
冬場の始動直後のファストアイドルをさせる場合も、一定開度でスロットルグリップを握り続ける(これが意外と難しい)必要がなくなります。
非常に奥まった位置なので、アジャストスクリューを見つけることすら一苦労です。
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●調子が出せなかった場合に備え、パイロットスクリューを軽く底突きするまで締めこんで、
※絶対に力いっぱい締めこんではいけません。
現状の戻し回転数と角度を確認してメモします(回転数を数えながら締めこむ)。
確認したら復元しますが、メーカー基準値は3と1/2回転戻しの筈で、
純正エアフィルター・サイレンサーを使っている無改造車の場合、ここを出発点にすると良いと思います。
 
●当然ですが、同調作業以外は、双方のキャブレターで同じ作業を行います。

●できるだけ新品の点火プラグを使います。
スパーク箇所以外の中心電極や碍子が真っ黒に煤けた状態では調整の見極めができません

※スクリューを回すにあたり、1/8回転とか1/16回転という表現が出てきますが、
1/4回転(=90度)の半分(=45度)、さらに半分(=22.5度)、と解釈してください。
方角でいう「北東」とか「南南西」という表現を連想してもらうと理解しやすいかも。
要は「少し回す」ことを定量的に管理・表現するためなので、
1回転を12分割した時計の文字盤で考えても良いと思います。お好きな方法で。

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キャブレターを真下から見上げた図で、各調整スクリューの位置を記しましたが、
車体に組み付けた状態で目視するのはなかなか大変です。
特に奥まった同調スクリューにドライバーを当てるのは苦労します。
(排気管での火傷に注意!)

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【パイロットスクリュー調整手順】
※記述がない限り「締める」「戻す」はパイロットスクリューの操作を記しています。
※油温は80度くらいまで上がった、暖機が完了した状態で行います。
 (筆者の車両はデジタル温度計(ストレーナ部分で測定)で管理しています)
※スロットルグリップ外周でミリ単位以下の作動が自由にできること。
 遊びが多かったり作動が渋いと、全閉からの正確な微小な操作ができません。
※出来るだけ周囲に民家がなく、騒音が少なく、排気音が反響しにくい場所で行ないます。
 苦情を避ける意味と、調整による反応を耳で聞き取りやすくするためです。
 特に垂直側気筒は車体右側から行なうので、狭い路肩で行なうのは危険です。

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↑車体右寄り、水平シリンダー側キャブレター。中央のマイナスねじがパイロットスクリュー。
 右上隅に見えるのが、延長アイドルアジャストスクリューのゆるみ止め与圧ばね。

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↑車体左寄り、垂直シリンダー側キャブレター。同様にマイナスねじがパイロットスクリュー。

調整の反応をわかりやすくするため(=不適正ならストールする)、
アイドルアジャストスクリューで1000rpm弱あたりに下げて調整開始
アイドリングが下がらない場合はキャブレターのバタフライ同調作業が必要と思います。
開き気味の側のバタフライを閉じさせることが目的で、
同調スクリューを回し、エンジン回転数が一番下がる位置を探します。
出来れば負圧計を使い、数値を低い方に揃えるように調整します。
下がりすぎてストールする場合はアイドル回転を上げます。

②(筆者の車両状態では)リーン側(締め込み側)に半回転程度振ってみても、
アイドリング回転数にはほとんど影響なし。
低開度ブリッピングのツキは若干遅れるような気がしますが、そのまま続けます。
(車両状態によって締め込み回転数による反応は異なります)

③さらに1/8回転単位で段階的に締めこむと、
アイドリングでストール多発するようになります。
これを「戻し回転数下限値」越えと考えます。
1/8回転単位で戻して、ストールせずアイドリングする下限を大まかに探ります。
必要ならアイドル回転を最小限上げても構いません。

④かろうじてアイドリングする状態から、僅かに(スロットルグリップ外周長で2~3ミリ程度)開けようとする瞬間にストール発生。
この現象が発生するポイントが重要で「リーン側実用限界値」と判断します。
ここから1/16回転単位で段階的に戻し、
開け始めでストールしないパイロットスクリュー開度を探ります
※大きく速く開けると、開け始めの不安定領域を勢いで通過して吹けあがってしまった場合、見落とすので、「ごく小開度」を厳守してください。

⑤そこからさらに1/16回転程度戻し、1000rpmあたりで安定してアイドリングできるリーン側下限を探り仮設定とします。
リッチ側に振ると(限度はありますが)アイドリング回転は安定するので、リーン側から徐々にリッチに寄せていく方が適正範囲を見つけやすいと思います。

⑥ここからは実走で判断、調整加減します。
低開度のスロットルのツキ(負荷あり・なし両方)や点火プラグの焼け具合を基準に、
必要に応じて1/16回転程度ずつ回しては実走を繰り返し、適正範囲を探るのがわかりやすいと思います。
一般道・高速道含め、900ccもある大型バイクの場合、
前車追従など巡航運転(クルージング)時はほとんどスロットルは開いていないので、
順法走行ではパイロット系が好不調を大きく左右します。
パイロット系をきっちりと調整していくと、クルージング時の排気音が変わり、
そこから開け始めのツキも明らかに変化し、バイクが軽く感じられるようになります。

⑦パイロットスクリュー調整後のアイドリング回転数は、
当方の場合、暖機後1100rpmを目安に、延長アイドルアジャストスクリューで随時調整しています
ハーレーなども同様ですが、調子がいいからと、
アイドリングを下げ過ぎると、圧送オイル量が減ることに留意すべきです
(特にシリンダーヘッド)。
アイドリング回転数1200rpm以上は不可。回転が下がりにくくなります。

   ◆   ◆   ◆

調整を詰めていくと、以前より排気音や吹け上がりは軽くなり、
アタマの中にある「ドゥカティらしい排気音」に近くなりました。
スロットル開閉時の「ドンつき」は少なく、ギヤチェンジの際の回転合わせが遥かにラクになっています。
「ドンつき」が気になる場合、空燃比由来だとすればパイロットスクリューをさらに1/16回転程度戻してみると軽減するかもしれません。
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【走行感の変化】
さらに後日、点火プラグの焼けを参考に、くすぶり気味の側をさらにリーン方向に調整していくと、
排気音のピッチが細かくなって、ハイトーン気味の、いわゆるチューニング車両的になってきたのは驚きでした(あくまで調整前との比較ですので念のため)
もちろん走りの印象も変わり、ますますバイクが軽く感じられます。

但し、同じ回転域であればギヤ比を変えない限り、絶対的な走行速度自体は変わりありませんが、
何よりギヤチェンジが”決まる”ようになり、開けやすさや開けた時の加速度(加速の度合いの速さ)は明らかに違うので、いつまでも乗っていたいくらい気分がよくなりました。

筆者の車両の場合は、エアフィルターやスライドバルブスプリング、各ジェット類を変更して、
静電気対策も試行しているので伸びしろも大きかったのかもしれませんが、
考えてみればこれが「現状での部品構成での本調子」に近づいたに過ぎないということです。

なお、この日は急な寒波到来で結構寒かった(恐らく摂氏10度前後)ですが、
今のところアイシング再発の気配はありません。

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最後になりましたが、この記事執筆時現在での現車パイロットスクリュー戻し回転数は、
垂直側=3と7/8回転戻し
水平側=3と1/2回転戻し
上記数値はあくまでも試行錯誤を重ね、細かく手を加えた現車固有の、
実走に基づく現状数値です。

※ちなみにメーカー標準値は3と1/2回転。
何らかの事情でジェット番手を変更する場合のパイロットジェットの適正値は、
パイロットスクリュー戻し回転数がメーカー標準値にほぼ一致するところが基準とされているので、現状(メーカー標準値#42.5に対し、#52.5)は適正値から外れてはいないと判断します。

標準値を基準にパイロットスクリュー戻し回転数微調整で調子が変わる、というのが今回記事の骨子です。

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僭越ながら、二輪・四輪プロショップの腕利きメカニック(チューナー)の皆さんが口をそろえて言う、
「どんな部品を組むかよりも、どう組むか=きちんと機能させることが肝心」
ということを、少しばかり具現化できた気がしました。

いわゆる「いじり系雑誌」の「キャブレター調整特集」などノウハウ記事を読んで試したところで、
ある程度改善はしても、いきなりすぐにベストに近い状態にするのはまず無理だろうと思います。

筆者はマニア歴45年(運転免許取得前から)を自負し、様々な文献・資料を読み漁ってきましたが、
やはり実地体験で悩んで、資料を参考に構造を(ある程度)理解しながら、
諦めずに実践と考察を繰り返す(打つ手を考える)ことがコツを掴む道だろうと思います。

現状の原因考察、調子の変化を感じ取れるか否か、それに対してどう対処するかなど、
仕組みに基づいていくつかの対案が思い浮かんではじめて、状況に応じた対処ができるようになるわけです。

排気音を基準(あるいは目安)に調整するのは難しいと思いますが、
コンディションを考える材料として、ドゥカティの場合、排気音はかなり参考になると思います。
(好調な車両の”ナマの”排気音に親しんで、記憶の中に定着していることが前提ですが)

個体差や仕様の違いがあるので一概には言えないと思いますが、
筆者が試行錯誤を重ねて一年がかりでたどり着いた、ミクニBDSTのパイロットスクリュー調整手順をまとめてみました。

Posted at 2025/10/30 11:49:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年10月25日 イイね!

DUCATI SSの整備【84】車載工具入れ 取り付け

DUCATI SSの整備【84】車載工具入れ 取り付け
筆者は「手ぶら」(=応急工具類を持たず)でバイクに乗ることには大きな抵抗や不安を感じます。
いちども完調のバイクを買ったことがなく、「自己責任」でとにかく帰宅できるようキャリアを重ねていることが発端だと思いますが。。。

今時は自動車保険にロードサービス特約も付属し、携帯電話さえあれば何とかなる時代ですが、
現在の相棒、SSも常時タンクバッグを載せて、手回り品といっしょに工具類を持ち歩いています。

とはいえ、ほぼ常時、車体最上部に1~2キロの荷物が載っている状態は、
運動性能向上を追求しながらも、結果に影響していることを自覚してはいるのであります。

ある種の強迫観念のようなもので、足代わりの軽バンにしてもブースターケーブルやら缶入り飲料水など非常用具を箱に放り込んで積みっぱなしにしていて、
バイクの場合も使わないだろうと思いながらも、入れ物の容量分あれこれ携行している気もするので、粗方調子が出た今のうちに整理してみたいと思います。

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海外通販で購入した、比較的大型のポーチ。
肩掛けあるいは腰に巻くようにベルトが付いているので、これを利用して車体に取り付けたいと思います。

【どこに取り付けるか】
以前の750F1の時は、ハーフカウル内側、車体右側に小型のポーチを取り付けて工具入れにしていました。
タイミングベルト側はエンジンの熱が直接伝わらないので、化繊のポーチでも問題はありませんでした。

現車を動かし始めた当初は、ポーチにあるベルクロのフラップでグラブバーに取り付けていました。
それはそれで便利だったのですが、長年タンクバッグを愛用した筆者には、
見えないところに荷物があるのは不安要素なのです。
つまり、荷物が無くなっていないかと、事あるごとに後ろに手を伸ばして確認しないと落ち着かないのです。

当方は幸いに荷物脱落・紛失の経験はありませんが、先日も親しい友人から、
タンデムシート上に括り付けていた荷物が高速道路走行時にずれ落ちて、後輪に巻き込みロック
あわや大惨事の体験談を聞き、改めて後方であればしっかりした収納ケース、可能なら目の届くところに荷物は置きたいと思います。
(腕達者ゆえ辛うじて転倒は免れたものの、チェーンに荷物を巻き込んで車線上で停止、身動き取れなくなったところ、後続の大型トラックが停車して、巻き込んだ荷物を取り除いて動き出せるまでの間、後続車両に撥ねられない様に守ってくださったそうです。感謝!!)

    ◆    ◆    ◆

【取り付け作業】
とりあえずポーチに付属の肩掛け用ベルトをフレームパイプに巻き付けて、固定できるようにしてみました。
フレームパイプの交点を使い、巻き付けたベルトがずれないよう考えて取り回します。
当然ながらベルトにエンジンの熱が直接伝わらないよう配慮が必要です。

前後ともテンションが掛かるように、ベルト両端、2個ずつのカラビナでリングを留めるので、着脱は少しやりにくいです。
後ろ側は垂直側シリンダーヘッド脇で取り付け。
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前側は水平側シリンダー上方で取り付けます。
ベルトカバー手前を通るオイルラインは高温になるので、ゴム板を巻き、断熱材としてみました。
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取り付けた状態。意図した通り、乗車姿勢で運転者には干渉しません。
2ヶ所の取り付けでは、ギャップを越えた時などバタつく可能性もあるので、中間部をベルクロなどで留めるようにしたいと思います。
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フロントビュー。
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レンズの都合で、ヘッドライト周辺の曲面が実際よりも立体的で、より魅力的に見えるのが面白いところ。
前回掲載の、モンスターから流用のフロントフェンダー装着中
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【何を入れるか】
ポーチはフラップの下にファスナーポケットが二つあり、結構容量はあります。
但し予期せぬ脱落や万一の転倒による破損を考えると、車検証や財布や携帯電話は入れないほうが良さそうです。

あまり詰め込んで膨らんでしまうのは体裁が悪いので(笑)、
中身はなるべく少なめに、と思いつつほぼ一杯。
自宅から半径100キロ程度想定です。

●予備点火プラグ2本・プラグレンチ
●短いアレンキーセット(L字六角棒レンチ)
●小型モンキーレンチ
●長短二本の対辺10mm片目片口スパナ(一つはラチェット式)
●#2プラスドライバー
●ラジオペンチ
●伸縮式マグネット(屋外整備で落としたボルト・ナットを拾うのに重宝)
●LED懐中電灯
●伸縮型エアゲージ、バルブキャップ
●ニトリルゴム手袋一双
●ステンレス針金(0.7mm)、タイラップ、絶縁テープ、ベルクロバンド
●長短数本のM6ボルト・ナット
●ギボシ端子・丸形端子付きの電気コード2本

できるだけ使いやすい、普段使っているものと同じものがお勧め。
小型のものを選ぶ際は、実際の使い勝手を確認しておく必要があります。

外側のポケットには
●ポケットティッシュ
●アルコール消毒パッド
●絆創膏
●ポリ袋
といったところ。

このところ、出先でいちばん使用頻度が高いのは、
●(以前紹介した)キャブレター調整用、長いマイナスドライバー
●リヤショックプリロード調整用、ハンマー&アルミ棒
ですが、さすがに収まらないので、シート下のスペースに置いています。

夜間走行も考慮すると、チューブレスタイヤの応急修理キットも持ち歩いた方が賢明でしょうか。
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【余談】
昔(’80年代前半くらい)までの、RC誌以外の二輪誌には毎年のように、
「春のツーリング特集」のような企画記事があり、出先でのサバイバル術みたいなことがあれこれ紹介されていたものです。

筆者の場合、入門時より「実年齢より1~2世代前」のようなバイクライフを送っており、
●ポイント式点火 ●チューブタイヤ ●キックペダル
といった装備に親しんでいて、遡って古雑誌も読みふけっていたこともあり、、
20代の頃は、いわゆるバイクブーム以降の「大量消費」車両が選択の前提になっていた同世代とは若干話が噛み合わない部分がありました。

メインテナンスフリーを目指した近代装備車両においては、二輪・四輪とも、
特に2000年代以降の車両の付属工具の少なさには驚かされますが、
例えばハンドルバー、レバー、ペダル類といった部分の調整は、出先で気付いた時に試せるよう最小限の調整用工具は用意しておくのが良いと思います。

筆者自身は実際に出先で工具を必要とすることはさほどなく、同行車両の調整や応急処置に使うことの方が多かったりしますが、
「いざという時、何とかなるかもしれない」という安心感は、何物にも代えがたい気がします。
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【副次効果(?)】
先日試運転中、出先のコンビニ駐車場の隅で、リヤショックプリロード調整をしていたところ、
「どうかされましたか?」と声を掛けて下さった方があり、嬉しい思いをしました。
説明すると「あぁ、なるほど」と同意してくださり、同好の士(当方など遥かに及ばぬ猛者!)とわかり、しばし歓談。まさに「類は友を呼ぶ」がごとし。

夜9時過ぎ、街灯の下でバイクを覗き込んで、金づち(とアルミ棒)でカンカンと何やら叩いている様子は、コンビニ客の耳目を集めていたかもしれませんね(笑)

当方車両の特徴から「どこかで見たようなバイク」と思われましたら、「みんカラを見た」など、気軽にお声がけください。
Posted at 2025/10/26 15:26:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年10月24日 イイね!

DUCATI SSの整備【83】フロントフェンダー変更

DUCATI SSの整備【83】フロントフェンダー変更片づけものをしていたところ、M900のフロントフェンダーが出てきました。試しにSSに装着してみましょう。

以前の試運転時、ゆるいカーブのイン側から強い横風を受けた際、舵角が入りにくく慌てたことがありました。

M900モンスター用は横面積が小さく、若干軽量なのでハンドリングに変化があるかもしれません。
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【装着作業】
フロントフォークはSSもMも同じ寸法で、左右取り付けピッチも変わらないので、まったくのボルトオンで交換可能です。
※2000年モデルあたりから、モンスターはSSieと同じフロントフォークに変更され、フェンダー取り付けボルトのピッチが変わっています。形状も微妙に違うので中古部品入手の際はよく確認する必要があります。
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取り付けてみると、タイヤとのすき間が小さくなり好都合です。
(SS純正フェンダーはタイヤとのクリアランスが大きいので、先端裏側に細工をしてすき間を詰めていた)
SSの時と同様、下側ボルトのみ放電ワッシャーを挟んでおきます。

後ろ側が長いので、キャブレター側に砂や飛沫を跳ね上げることも少なくなるかもしれません。
写真の背景が黒いこともありますが、フェンダーがないようにも見えて新鮮な印象です。
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【試運転の印象】
今日は風がなく、違いはよくわからない、というのが正直なところ。
違和感はないので、後日あらためて付け替えて検証してみたいと思います。


Posted at 2025/10/24 23:54:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年10月20日 イイね!

DUCATI SSの整備【82】秋のメインテナンス更新(2)

DUCATI SSの整備【82】秋のメインテナンス更新(2)先日の整備の後も、今一つしっくりこないところがあり、
特にギヤチェンジの際のスロットルON/OFFやブリッピングのタイミングが今一つ納得できず、
目新しいことはしていませんが、気付いた点を対処してみました。
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●点火プラグ交換
プラグかぶりや、気筒間の焼けバラつきが解消されて調子が出てからは、同じ点火プラグ(サンドブラストで再生したもの)を数千キロは使っているので、新品に交換してみました。
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両気筒とも焼け具合はほぼ同じで、碍子部分や電極全体にグレー掛かった色合いで、だんだんと黒ずんできています。
ちなみに見えている面は比較的焼けている側。反対側はもう少し煤けています。
時間がとれたらもう少しキャブレターのいろいろな設定を煮詰めてみたいところです。

新品の電極ギャップは0.7mmとしました。NGKの出荷時のギャップは概ね0.6mm程度のようですが、ばらつきがあるようです。
【以下追記】
電極ギャップは広い方が放電エネルギーは大きくなるのですが、その分スパークのための要求電圧が高くなり、失火のリスクもあります。

今回の筆者の整備テーマはスロットル開度/エンジン回転数の低い領域のレスポンスで、
左折やUターンなどの微速=低発電量の高負荷時に失火・ストールを起こして立ちごけも嫌なので若干広めの0.7mmとしていますが、もう少し広めのギャップも試してみたい気持ちはあります。
【追記ここまで】

●スロットルケーブルの遊び調整
これは見落としていました。先日ケーブル注油の後、大雑把に張りを調整してそのままになっていました。
若干遊びが多めになっていたので、ハンドルを右いっぱいに切った時アイドリング回転が上がらないギリギリまで詰めます。
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以上の作業で、排気音が力強くなり、ややツキも改善されていますが、アイドリングがややラフになっています。スパークプラグが変わったせいだと思います。
もう一息、詰めてみます。


●パイロットスクリュー調整
※この後の記事で再調整をしました。あくまで過程として参考まで。
暖機したところで(油温80度くらい)、アイドル回転をできるだけ低くし、パイロットスクリューを現状から左右に1/8回転程度ずつゆっくり振ってみます。
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写真中央あたりのマイナスねじです。回転速度や安定感で力強くなるところを探り、
判りにくい時は調子が悪くなるまで左右双方向に回し、その中央位置を基準として、
スロットルグリップ開度1/16~1/8くらいのブリッピング時アイドリングから2500~3000rpmあたりまでいちばんツキのいい位置を探ります。
両気筒とも行いますが、あまり長時間アイドル状態を続けると油温が上がり過ぎてしまい、さらにはキャブレターも熱せられて燃料の気化が過剰になってしまう(=空燃比リッチになる)ので、
なるべく短時間(数分間)で済ませて、納得できなければ少し走らせ、油温が落ち着いてから改めて作業します。


タイミングが特に気になるのは、スロットル開度が小さく、操作にメリハリが少ない市街地走行時。
以前よりは瞬間的にギヤチェンジを行えます。
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続いて車体側。

●リヤショック調整
※これも後に再調整。あくまで過程です。
現在使っているSSie純正品(改)ですが、もっと曲がりやすく、とプリロードを掛けているうち、
沈み込みが少なくなって後ろの車高が上がり過ぎたようで、停止直前にフラフラしてしまいます。
乗っていて情けなく、傍目にみっともないので、スプリングのリングナット(=プリロード)を半回転ほど緩めてみました。

ストリート仕様の場合、リヤショックがストロークする感覚が重要で、
フラフラせずにゆっくりと停止でき、左折の際のバランスがとりやすい程度の足回り設定が適切でしょうね。

調子が出ない頃は、毎晩のようにいじっては試運転をしていましたが、このところは乗車頻度が以前ほどではないので勘が鈍ってしまうため、穏やかな設定にしておこうと思います。

今にして思えば、以前所有の750F1で使用していた、走りながらでもプリロードを増減できて、後ろの車高を変化させられた油圧リモートアジャスター付きリヤショックのありがたみが良く分かります。

操作系、エンジン、足回り、いずれも気持ちよく走らせられることが重要です。
Posted at 2025/10/21 19:16:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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