2014年10月13日
2014ケータハムF1の実情は? ― 可夢偉、パーツ温存のためリタイヤ?! ―
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またまた台風が列島にやってきました。
皆さまのところは被害はありませんか?おたずねいたします。
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まずはじめに、みんカラの皆さんの中にもファンの多い、
ケータハム 7(セブン)。
その製造者であるケータハムカーズと、
今季もF1参戦中のケータハムF1チームには、
現在直接の関わりがないことを述べておきたいと思います。
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さて、先日の荒天下の日本GPの翌週、
紛争冷めやらぬウクライナからほど近い、
冬季五輪開催で知られたソチでロシアGPが行われました。
紛争当事国であるロシアでの開催、
元首プーチン氏の出席に異議も唱えられましたが、
厳戒下で粛々と行われたようです。
レースは今季、群を抜いた速さと安定感を見せる
メルセデスGPのハミルトンとロズベルグが1-2フィニッシュ。
われらが期待の星、小林可夢偉選手は残念ながら前半でリタイヤの報。
まあ、仕方がないか、と関連ニュースをチェックし始めて、驚いたこと…
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公式にはブレーキの過熱、となっているリタイヤの原因、
実際はパーツ温存のためであるとのこと。
つまり言い換えればこういうことであろう。
パーツ補給が見込めない中、
今季のスポンサー持込み正ドライバー、エリクソンを次のレースで走らせるため、
或いは、規約で義務付けられている2台エントリーの必要性から、
両車を出走可能な状態(のマイレージ)を保つため、ということかと考えました。
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日本GP開催週末前の週初め、
同チームのアップデート用を含めたパーツ類が差し押さえられた、
との英国政府機関発表と、ニュース報道がなされました。
懐具合が悪いことは決して恥ずかしいことではありません。
時に払うべきものを先延ばしにさせてもらうこともあり得ると思います。
その中で、現状をどう未来につないでいくか。
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日本GPでは、エース格で開催国地元の可夢偉選手に最新のパーツが渡らず、
金曜午前の練習走行枠もスポンサー持込みの控えの若手に譲り渡し、
可夢偉選手がクルマを引き継いだ午後の走行開始早々の不可解な挙動でのクラッシュ。
想像するに、マトモなセッティング以前の状態だったのでは?
決勝でも、普段は0.3~0.5秒程度、可夢偉選手に後れをとるエリクソンが、
逆に可夢偉選手をリードする展開。
意外にもここにきてのアップデートが当たったということでしょう。
ただ部品は(差し押さえを免れた?)一台分のみ…
スポンサーの顔を立てるべく、エリクソンに新パーツを使わせる決断のようでしたが、
日本、ロシア両GPの展開を見ると、可夢偉選手に使わせていれば、
一周あたり一秒程度は速く走れ、ライバルのマルシアは言うに及ばず、
ザウバーやロータスあたりと争えたと想定できます。
可夢偉に資源を集中し、可能な限り上位で走らせて、
上位陣の脱落やセーフティカーなどの波乱があればポイントを争えるように備えておく方が、
選手権結果に基づく分配金の取り分で、少額持ち込みスポンサー料よりも多くが得られる可能性があると感じました。
チームの広報以外での可夢偉選手の発言内容からは、来季に向けて(あるいは残りの今季)、
他チームからの参戦などの可能性を全力で探っているであろうことが想像できます。
穿った見方をすれば、シーズン内の移籍(例えば今季ケータハム同様未得点のザウバーなど)となれば違約金や、ライバルチームで得点すれば損害賠償を請求してくることもあり得る話で、
そのあたりも資金として狙っているのでは?とすら思えてきたりもします。
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チームを事実上取り仕切る、コリン コレス。
旧スパイカーF1(現フォースインディア)時代も、
持参金ドライバーを巧みに使い分ける”やり手”として名を馳せましたが、
ケータハムが参戦し続けているだけでも本来は奇跡的なのかもしれません。
山本左近選手を起用した過去もありますが、
日本のファンからはすっかり敵役になってしまいました。
恐らくは彼も”汚れ役”に過ぎないのだろうと想像しています。
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現ケータハムF1チーム。
もともとはライトスピードを名乗るF3チームが、
元ルノーやトヨタでのデザイナーとして知られたガスコインを巻き込み、
F1におけるロータス再興を旗印に参戦枠獲得に成功。2010年、参戦開始。
エア アジア経営者、トニー フェルナンデスを
チームオーナーとすることで資金調達にも成功。
フェルナンデスの脳裏には、ライバル視するリチャード ブロンソン率いる
ヴァージン グループのF1での小成功(次の段参照)と、
同社が自らのチーム名でのF1参戦をもくろんだことがあった、とわたしは想像します。
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前年(2009年)、撤退したホンダを引き継いで前半戦、
ノースポンサーのまま破竹の快進撃を続けたブラウンGPにおいて、途中からサポート。
異例の少額スポンサー料(といわれた)にして大きな露出を得たことで
GP(と恐らく商売上も)勝利の味をしめたであろうブロンソン。
次年度は自チーム(実質は上記のようにF3チームを母体に発足)参戦。
こちらは惨敗を受け、一年限りでチームをロシアのマルシアカーズに売却。
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やり手のビジネスマンとして知られるフェルナンデスとしては、
同じマレーシアの企業体、プロトンが保有するロータスカーズとの提携、
あるいはF1チームや名称権の同カーズへの売却を目論んでいたのではないでしょうか?
ところが、グループロータス側が、ルノーF1チームの株式取得などで
独自にロータスF1として始動、名称権を巡る裁判沙汰に・・・
恐らくはいくばくかの口止め料と、
フェルナンデス側は”サブブランド”として取得していたケータハムを名乗ることで
”二つのロータス”騒動は終結。
時として善戦するも、入賞ポイントを獲得できぬまま、今シーズン前、
フェルナンデスは、今季不振ならチーム解散を宣言。
ガッツを買う形で小林可夢偉選手を”無償で”今季のドライバーに起用。
実際にはフェルナンデスからの資金投入を止められたチームは不振の連鎖の最中、
”謎の投資家グループ”に売却され、新体制の下、不振脱却が期待されたが、
現実には以前にも劣る運営・車両開発状況となり、
タイヤ代やエンジン代不払いが噂される状況に。
ベルギーGP以降は、エースの小林可夢偉選手のシートも
一戦ごとの”切り売り”の状況となり、
実際には条件を満たす(スーパーライセンス)買い手が見つからない状況下で、
一戦ごとレース直前に可夢偉選手の参戦が発表されています。
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スズキエンジンの軽規格のスーパーセブンが話題を呼んだケータハムカーズに対し、
存続の危機に瀕するF1チーム。
明暗分かれましたが、F1チーム、ブランド名を汚すことのない健闘を祈りたいと思います。
今回も画像なしの長文、読破くださった皆様、ありがとうございました。
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モーターレーシング | 日記
Posted at
2014/10/13 17:06:41
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