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蒸し暑い当地ですが、皆さんのところはいかがでしょうか?
ステンレスたわし装着記事の閲覧数に驚いています。
多くの方からイイねをいただいたのですが、
全ての方のブログを拝見できずスミマセン。
気になるポイントなどあればコメントなどで何なりとお訊ね下さい。
さて、先日給油のタイミングで、一度やってみたかった
【分解しないで燃焼室洗浄】に取り組んでみました。
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<追記>(下の区切りまで)
●文中、「エンジンクリーナー」と書いたのですが、
使用した品を見たら「キャブレタークリーナー」となっていました。
念のため訂正しておきます。
最近用品店やタイヤショップでワコーズやボッシュの「点滴」と称しているサービスの、
いわば「浣腸」あるいは「胃洗浄」版でしょうか(笑)
リスク回避策として、
洗浄後、クランキング前にできるだけシリンダー内壁/ピストンリング間を潤滑出来る策を立ててみてください。
CRC556程度の潤滑力では自身は不安です。
メリットがありそうなケースは
①リング固着の可能性(オイル消費大(オイル上がり)、
オイルやエアクリーナがブローバイ(未燃焼ガス)臭い、オイル交換の頻度が低そうな中古車)
②エアコン使用時等のランオン(or ディーゼリング=キーをOFFにしてもエンジンが回り続ける)
③適正点火時期・指定ガソリンでも加速時ノッキング(カリカリ音)が発生
④圧縮圧力のバラつき(リング固着あるいはバルブにカーボン噛み込み)
⑤ROMやCPU、キャブなど、燃調をいじったクルマ
⑥その他、不調をだましだまし走った期間が長いクルマやエアクリーナー外した履歴があるクルマ
ちなみに当方のケースは①と③が該当。
●ガソリンエンジンに、ディーゼルエンジン”専用”オイル使用しましたが、
「G爺」さんからのコメント(多謝!)で、排気ガス触媒への悪影響があるのでは?
とご指摘をいただき、早速メーカーに問い合わせましたところ、G爺さんおっしゃるように
「ディーゼル専用オイルは添加剤がガソリンエンジン用触媒に悪影響を及ぼす」
との回答を得ました。
よって、経過事実として記載部分は残しますが、打消し線を引くことにします。
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購入以来、オイル消費が多いのが少々頭痛の種で、
3000~5000kmの交換の間に二度ずつ注ぎ足しています。
ホンダ三気筒、レベルゲージぎりぎりくらいにオイル量が少ない方が明らかに吹け上がりが軽く、
速度も乗りますが、ガードレール脇を通る時など機械音が大きく響きます。
強めの制動時など、瞬間的にどこか赤ランプが光る場合はたいてい油量不足の警告灯です。
早目に補充を。
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ブローバイも多めのようなので、ピストンリングの固着でもあれば解消したいと思い、
車両入手後のオイル交換時、オイル添加剤EPLのPL500(ボトルの方)を
オイル量の10%ほど添加しました。
明らかに摩擦が減り、エンジンは軽やかに気持ちよく回りますが、
燃費に影響が出るほどではなく、オイル消費も多めのまま推移しました。
(そう、ステンレスたわしの実効を見て以来、識別眼が厳しい(笑))
「気持ちいい」だけの効果で高価な添加剤を毎回入れるわけにもいかないので、次の手を考えます。
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オイル交換時、廃油はかなり汚れているようだったので、
エンジン内部の洗浄を狙ってディーゼルエンジン用のオイルを試すことにしました。安いし(笑)
ディーゼルエンジンは機構上スス(カーボン)の発生が多く、
オイルも洗浄作用や汚れを油中に取り込む作用に優れていることが要求されます。
缶には「ディーゼルエンジン専用」とありますが、
通常は4サイクルガソリンエンジンには使用できます。
↑できません。ディーゼルエンジン専用オイルは、硫黄分が多い燃料(A重油)をも想定した添加剤が多く加えられており、ガソリンエンジン用触媒に悪影響を及ぼしますので使用しないでください(オイル製造会社談)。
ちなみに「ガソリン・ディーゼル兼用オイル」の場合のディーゼル車は、乗用車や比較的小型の商用車が対象とのことです
ついでにオイルフィルターも交換します。近所のホームセンターで買った社外品です。
エンジン下に上向き装着なので、油圧が早く上がるよう、
フィルター内にはオイルを満たしておきます。200cc位は入るようです。
一旦オイルを満たしても、次々と泡が出てきます。
泡が出なくなり、こぼれない程度に満たします。
新品のフィルターを組むと、それだけ油圧がすぐには上がらないということです。
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ここからが本題です。長くてすみません(笑)
今回は「分解せず」燃焼室内のカーボンを洗浄してみます。
上手くいけばノッキング・デトネーション・ランオン(メインスイッチを切ってもエンジンが止まらない)の
原因になる蓄積したカーボンをある程度除去できます。
ピストンリング溝/リングの固着も解消できる可能性も0ではありません。
↑上段に洗浄効果・状況の改善が期待できそうなケースを追記しましたが、
逆にこの方法のリスクとしては、
①場合によって剥がれたカーボンがどこかに噛みこめば不調を招く恐れあり。
バルブシートに噛みこめば密着不良で圧縮漏れ、
ピストンリング側面ならシリンダー壁にキズをつける可能性あり。
やるのならオイル交換のタイミングでやるのがよいと思います。
②溶剤分がシリンダー内壁やバルブステム/ガイド等摺動部の潤滑油を洗い流してしまい、
摺動部にキズをつける恐れもある。
③剥がれたカーボンが排出され、触媒に詰まったり、触媒で燃焼して異常高温となり、
触媒あるいは排気音センサー、O2センサーの交換が必要になる可能性もあります。
車種によっては(特に輸入車)非常に高価です。
虎の子の貴重なクルマにはおススメしません。
不満なく快調なクルマにはやらない方が無難です。
ダメでもともと、不具合出たら直せばよい、の覚悟で、
「どうしてもやりたい!」方は仕方ありませんね(笑)。自己責任で。
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その手順は
①プラグ穴から、「泡タイプ」の溶剤系
エンジンキャブレタークリーナーを噴きこんでやり、
点火プラグで軽く栓をして一晩漬け置きします。
※エンジンを分解するとわかりますが、カーボンは簡単には落ちません。
分解してあれば工業用のアルカリ洗剤で漬け置きして落とします。
②翌朝クランキングする前に、まずは点火プラグを取り外します。
③
エンジンキャブレタークリーナーはエンジンオイルを容易に落としてしまうので、
クランキング前に潤滑効果のあるものをスプレーで噴きこんでおきます。
今回はEPL(前述)のスプレー缶を使用、適当に多めに噴きこんでおきました。
オイル差しからエンジンオイルを垂らすのもよいと思います。
④点火プラグを抜いたまま、プラグ穴周りに「清潔な」ウエス等でカバーをし、
養生テープなどで貼り付けておくとよいでしょう。
クランキング=セルモーターを回し、燃焼室内の洗浄液を排出します。
液体は圧縮しても体積が変わらないので、排出しておかないと
圧縮工程でエンジンが破壊される恐れもあります。
⑤カバーしたウエス、貼り付けておかなかったばっかりに
プラグ穴からの排出の勢いで飛ばされています(右側の黄色いタオル)。
案の定、たいそう汚れています。エンジンリッド裏側にもベッタリ…
よく見ると固形のカーボンも多数付着しています。
⑥プラグ穴を覗いてみると、うっすらアルミ地肌が見えます。
(どれくらいカーボンが堆積していたか、事前に確認はしていませんが)

左側の丸型(プラグ穴)の奥がピストンの頭です。
⑦オイル交換などしていれば、ドレンプラグやフィルター、オイルレベルなど、念のため再確認。
あとは念のため再度潤滑剤(EPL)をプラグ穴から噴きつけて、点火プラグ組み付け。
【ここでの潤滑が重要と思います。セルはそれなりに速く回るのと、始動・オイル供給までの時間が長いので】
点火コードなど再接続し、神に祈りつつ(?)エンジンを始動します。
⑧セル一発とはいかず、何度かトライすることになると思います。
セルモーターは10秒程度までの使用にとどめ、掛からなければ少し間を置いて再度挑戦します。
⑨始動したらブリッピング(空ぶかし)などせず、しばらくそのまま放置します。
相当量の白煙が出続けるので、必要に応じて広い場所などに移動します。
⑩一分程度アイドルさせれば走行させてもよいと思います。
停車しているともうもうと煙が上がり、近所迷惑どころか消防車呼ばれる騒ぎになりかねないので…
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手順としては以上ですが、今回、
⑪排気温警告灯(checkランプ)が点灯。打つ手はないのでとりあえずそのまま。
幸いにしてしばらくしたら消えました。
洗浄液が触媒に回って内部で燃焼したのではないかと推測します。
<追記>
当方は自然吸気車で行いましたが、ターボ付き車両の場合、タービンの潤滑に影響が出る可能性もあるような気がします。熟考の上作業してください。
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とりあえず近所を一回り、交通量の少ない方角を目指します。
白煙、カーボン=有機物が燃えているので、どこかで嗅いだことがあるような匂いがします。
(これ以上は書きますまい・・・)
煙が収まってきたら、高いギヤで負荷をかけ、ある程度高速走行します。
溶剤でふやけているはずのカーボンを燃やしきってやる目的です。
白煙が出なくなるまで(10km程度)走行すればよろしいかと思います。
オイルレベルは念のため定期的に再点検してください。
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動き出してすぐに違いが判りました。
①発進時のエンジンの粘りが増している(負荷がかかるとストンと止まることも多かった)。
同時に行ったプラグギャップ調整・プラグ清掃・アクセルワイヤ注油も功を奏しているかもしれません。
左足(クラッチペダル)で負荷を感じながら右足で最小限のスロットル操作が自然にできます。
②エンジン振動の減少がスロットルペダルを通しても右足に伝わってくる。
カーボンが落ちたことで各気筒間のバラつきも減少しているはず。
③負荷は掛けられないが、2000rpm以下でも走行できるようになった。
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これによる燃料消費率への影響も興味深いところで、後日レポートします。お楽しみに!
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