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2019年08月03日

スロットルバルブ固定ビス カシメ用治具作製

スロットルバルブ固定ビス カシメ用治具作製




.
暑いですね!
こういう時は室内作業をしましょう(^^)

***********************************


さて、久しぶりのWEBERネタです。

少しずつ進めています。


DCO/DCOE型に限らず、

固定ベンチュリー型キャブレターや

インジェクション用スロットルボディにおける

最重要部分といえるスロットルバルブ

(通称バタフライ)。


キャブレターのボディを貫通するスピンドル(軸)に取り付けられ、

スピンドルを回転させることで開度の調整をします。


スピンドルに、円盤状のスロットルバルブを固定するビス。

キャブ・インジェクション問わず、メーカー出荷状態では、

裏側をカシメて(変形させ)絶対に脱落しないようにしています。


ロックタイト(ネジロック剤)などで緩み止めにしておられる方も多いと思いますが、

ガソリンで溶けないかと気になりました。


アマチュア整備においても、ある意味安全以上に安心のため、

バタフライ取付けボルトはカシメておきたいところです。


***********************************


ボルトというか、小ネジですが(M4 P0.7だったと思います)

カシメるためにはねじを締め込んだ後、先端を変形するまで叩く必要があります。


しかし、以前記したように、

スピンドルの曲りを「無い知恵絞って」矯正した身としては、

「ただ叩いたら、軸も軸受も傷むではないか!」

と思わずにいられませんでした(笑)


そこで思いついたのが、

「反対側からねじの頭を押さえて力を受けるようにすればよい」

ということでした。


以前書いたように、取付け部の基本寸法や基本構造は、

ウェバーDCOE/デロルトDHLA/ミクニソレックスPHHいずれも共通なので、

そのための治具が市販されているのかな?と思いましたが、

当方見つけられませんでしたので、やむなく作ることにします。


   ◇   ◇   ◇   ◇


要はインマニ側フランジ面でボディと固定し、

インマニ側(ボルトの頭)から長いボルトを差しこんで、

固定ボルトに届くところまで軽くねじ込めばOK、という簡単なものです。

素材としてとってあった、どこかの工場の不良品?の頂き物、

10mm厚のアルミ板の切れ端を使います。

少々勿体ない気がしますが、叩いた際にしなったりしないような厚さ(強度)が必要なのと、

アルミなら厚物も加工が楽です。


スロットルバルブは角度をつけて取り付けてあるので、

(45DCOEの場合、78°)

フランジ面を基準に実寸で図面を書き、

図面上で長さを測定し、穴あけ位置を決めます。

フランジ面の取付け穴の位置は、資料・Webで調べることができますが、

ポイントは「ガタつきなく正確に治具を装着できる」ということです。

(ボディのフランジ面取付け穴はM8ボルトよりも大きく、がたつきがあります)

※当方は取付け穴にスリーブを入れ、M8ボルトネジ径に合わせています。


板面に対し直角でなく所定の角度で穴をあけるには、

ボール盤のテーブルを目盛りを参考に傾ければ難しくありませんが、

穴をあけてタップを立てたら、念のため押さえボルト4本の角度が、

目視でほぼ揃っていることを確認します。


   ◇   ◇   ◇   ◇


出来上がりはこんな具合です。

alt


↓治具の天地が逆ですので念のため。

 (4本の押さえボルトは斜め上から差しこむかたちになります)

alt


治具本体にM8タップを立て、キャブ側からボルトのみで固定できるようにしました。

(ガタなしのギリギリになるので、位置だしは結構シビアです)

材料を少し大きめにしておけば、ずれていた場合に穴を開け直して使えます。

※作例は頂き物ゆえ、関係ない穴がたくさん開いているのであって、

 決して失敗して開け直しているわけではないので念のため(笑)


使い方は、フランジ面に治具を固定し、

長目のM4ボルト4本を手で締めこんで、固定ボルトの頭に届いたら、

密着させるようごく軽く締めたら準備完了。


ファンネル側から長目のポンチやマイナスドライバーをいれ、

バタフライ固定ボルトの先端に当てて、ハンマーで軽く叩き、

先端をカシメて、万一ゆるんでも抜けないようにします。


※写真はカシメのイメージのための演出です(笑)

※間違ってもポンチが滑ってキャブレター内径やバタフライを傷つけたり、

 ハンマーでキャブ本体を叩いたりしないように!

alt


*****************************************


【実務的考察】

◆カシメた場合、次回取り外す際にスピンドルのメネジが傷むのではないか?

 とお考えの向きもあろうかと思います。

 当方も当初そう考え、何も考えずオリジナルのボルトを取り外しましたが、

 WEBER社の指示では

 「カシメ部分は削り取ってからバタフライ固定ボルトをゆるめる」

 「原則としてスロットル部分解をしたら、スピンドルは交換」

 となっているようです。

 (但し補修用スピンドルは加速ポンプレバー固定用ピン穴(φ2)が開いていないので、

 角度を割り出して穴あけが必要)


 当方は

 ①ネジロック剤を塗って組んだほうが、バラす際に小さなねじ山を傷めるのではないか?

 ②ネジロック剤を塗って組むと、僅かにゆるめてのバタフライの位置微調整ができないのでは?

 と考え、ロック剤を塗らずに組み付けました。

 

◆カシメの容易さ(できるだけ弱い力でカシメる)と、

 分解時の削り取りの容易さ、締め付けた際のメネジ側(スピンドル)の保護を優先し、

 アルミ製「アルミサッシ用皿ビス」を長さを調整し、固定ボルトに用いました。

 (産業系通販サイトMで発見、入手。廉価(笑))


   ◇   ◇   ◇   ◇


気に留める人も少ないであろう些細なことではありますが、

気付いた以上は見過ごせず、治具作製に至りました。


50年以上も前に基本設計がなされ、

今も現役のパフォーマンスを誇るDCOE型キャブレター、


実際に手にして高性能の片鱗に触れることができる喜びと、

幾多のレースシーンとともにあった輝かしい歴史へのリスペクトから、

末永く使えるよう願って工作をしてみました。


略図掲載します。自作される方があれば参考にしてください。

(灸太郎くん著作 All rights reserved by Qtaro-kun)(笑)

A4サイズ(原寸)でプリントすれば実寸になるようにしてあります。

(インクで紙が伸びるインクジェット式より、レーザープリンターがお勧め)

メインボアが45mmであることを確認してもらえれば使えると思います。

.alt

ブログ一覧 | WEBER 45DCOE 9 | クルマ
Posted at 2019/08/03 18:44:28

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この記事へのコメント

2019年8月3日 21:02
灸太郎くん、こんにちは

これは凄い治具ですね。この凄さが判る人が何人居ることやら(笑)

普通はオーバーホールといってもバタフライまで外して整備しないので、これは完全にキャブレター屋の領域ですね。

下手にバラすと組み立てのときに狂いを生じて収拾がつかなくなるので、触らぬ神に祟り無しで、分解は避けてきました。(笑)
コメントへの返答
2019年8月3日 21:32
こんにちは♪ありがとうございます。

ウェバーに限らず、バタフライ式のスロットル組み付け後には必ずビスをカシメる工程がある筈で、メーカーは治具を使っている筈なのですが、補修に関連してスピンドル曲り防止策を聞いたことが無いのを不思議に感じました。

「壊れていないものを直そうとするな」ということわざがあるそうで(笑)当方も二輪用可変ベンチュリーなどでもバタフライは外したことがありませんでした。

今回は片側のベアリングに不具合があり、必要に応じて着手しましたが、3年近く放置してしまい「はて、どうなっていたっけ?」などと資料をかき集め、記憶をたどり、分解部品を探しながら、気に入らない箇所(バリやら面あわせ)を補修しつつようやく完成が近づいてきました(^^)

OT誌のDCOE特集記事が一番参考になったのですが、執筆されたプロの手法(メクラ栓を掘り返して内部通路を回復させるなど)を知るに、原理に遡って所期の性能を回復させる技術理解と、他人様の所有物、場合によって文化財的貴重品を結果保証で扱うプロと、失敗しても自己責任で済ませられる素人のギャップを思い知らされる思いでした。
2019年8月4日 11:03
確かに、耐ガソリンと謳っているネジロック剤はあまり聞いた事がありませんね
冶具は後の作業の信頼性はもちろんですが、如何にして冶具を作るかを考えるのが好きです( ´∀`)
コメントへの返答
2019年8月4日 20:16
耐ガソリン、詳しく調べてはいませんが同感です。
ボルトの頭で隠れる側から混合気がかかるのならよいですが、滲みこみそうな反対側から混合気が来るので。。。

量産するわけではないので作業前は内心腰が引けますが(笑)、どうやったら部品や素材を傷めず確実に固定できるか、どんな材料をどう加工するか等、経験や考察と偶然の閃きから”道”を見つけ出した時は踊り出したくなるほど嬉しいもので、これぞクルマいじりの醍醐味ですね(^^)
2019年8月4日 13:40
今日は。

暑いですねー!
我が家の外気温度計は36℃~37℃に達しています。
中部電力のお陰を持ちまして、エアコン全開で2階部分をフルに冷却中で、現在30℃まで室温が下がりました。
あんまり暑いと、頭痛まで起きる事が分かりまして、上記の対策をして過ごして居ります。
そちらも尚更暑いと思いますが、暑さ対策で乗り切ってください。

本題ですが、前にも似た内容のやり取りが此方のブログで致しましたね。
そうアルミ製の自転車の話です。

スロットルボデー(キャブ内)のバタフライバルブシャフトに曲がり対策との事ですが、バルブをシャフトに固定するビスの緩み対策における加締め工程に関する事だと理解しています。
そこで、叩き潰す際の受けをアルミ治具で作られた様子、画像で確認です。
少し考え方を、違う方向から検討して見ますと、治具の材質の事です。
アルミ系の金属は、質量が鉄よりも軽く、変形し易い金属ですね。
7075系のアルミ材を使用したとしても、軟鋼よりも弾性変形率が大きく、おまけに質量が鉄の約三分の一と成りますから、加締め時にビスに衝撃を与えた時の、受け側の硬度と質量が、衝撃を受けた時に逃げやすい傾向が有ると考えます。
理想から言えば、出来れば中硬度の鋼材を選び、受け側のビスもヘキサゴンキャップボルト位を使用して、逃げを完璧に抑え込んで置いて、後はベースのスチール材の質量で受け止めるや在り方が、より確実な作業が出来て、安心だと思う訳ですが、如何でしょう?

まあ!一回きりに、そこまでやれないと言う声が聞こえて来そうな感じですが・・・・
ふっと、ブログを読んでいて、そう思った訳でして・・・・・・お許しを・・・・・お願します。

コメントへの返答
2019年8月4日 20:49
こんにちは♪
こちらも中電さまさま、バッテリーの補充電の接続だけして、ひたすら屋内作業です(^^)

鋭い考察・ご意見、大歓迎いたします!
おっしゃる通りアルミは柔らかく変形しやすいのですが、t=10mmと厚手のバー(あちこちに穴が開いた貰い物)が長年手許にありまして、計ってみたら幅が都合よく、加工も楽で美観もこの際問題ないので(笑)使うことにしました。

本体・押さえボルト(M4でなくM5でした)とも鋼で作るのが本意ではありましたが、本体は手頃な手持ちがなく、荷重も小さい上、荷重を受けるねじ長も十分と判断し押さえボルトも手元の生鉄の物を使いました(もし山が傷んだ場合はワンサイズ拡大(M6化)も可能ですが、突き当たるねじ先端の球面加工が必要でしょうか)。

おっしゃるように使用頻度と重量も、アルミ製とした理由の一環です。量産用治具、あるいはプロの作業用の場合は適切な素材で精度と耐久性を考慮されるべきと当方も思います。

人間思いつめると考え方が狭くなったりするもので、知識経験とも豊富な先輩方からこういうやり取りをいただけるのが一番うれしく、互いに切磋琢磨の一助となるように思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
2019年8月4日 16:28
やっていますね。
ネジピッチ1山ぐらい長くしてネジ山の部分をカシメますと取り外しも可能になると思います。(緩める時はネジ山が変形してくれる)もちろんロックタイトは使った方が良いです。
サッシ用のビス頭をスピンドルに埋めると開口率が上がってパワーがチョット出るかも。面取りカッターで加工できますよ(笑)

ご参考
https://minkara.carview.co.jp/userid/469643/blog/36339295/
コメントへの返答
2019年8月4日 20:45
ありがとうございます。

面取りカッター、以前の記事を参考にさせていただき加工済みです。おかげさまでほぼ面一です(笑)

うら面も面一化を狙いたかったのですが(笑)、やはり安全を見越して一山ほど突き出させてカシメました。

サッシ用ビスもアルミ製ゆえ、
↖以前オナキンさんからご教示いただいた電工ペンチで簡単に長さの調整ができ、次回取り外しの際もスピンドル側を傷めることは少なかろうと考えています(^^)

プロフィール

「@パパンダ 黙っていても支持者から”配給”されるとは結構な”お大尽”のご身分で。稲は「勝手に生えて育つ」くらいのお考えかもしれませんね。」
何シテル?   05/20 14:18
灸太郎くん(キュウタロクン)です。 職業・思想・信条・立場など違えど 共通の話題で交流できるのは良いですね。 記述は残ることを意識しています。 ...
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