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屋外は暑すぎて危険なので、
日中は室内作業に専念しましょう(^^)
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WEBER、SOLEXに限らず、四輪・二輪誌のキャブレター解説記事では、
必ずといっていいほど、
「アイドルアジャストスクリューの締め過ぎは禁物」と書かれています。
スロットル操作とは関係ない、アイドリング時(正確にはスロットル全閉時)の
アイドルポートから供給するガソリンの量を絞って調整する、
先のとがったねじです。
いちばん締めこんだところから指定の回転数戻すようになっています。
3/4~2回転くらいの間で、1と1/2回転戻すものが多いでしょうか。
マイナス溝の頭になっているのが一般的で、
WEBERのそれは、外周に刻みがあり、手で回せるようになっているのですが・・・
(冒頭写真で上の方に写っている、左右一対の刻みの付いた真鍮製のねじ)
もともとばねが非常に強く、締めこむほど反力が強くなり動きが渋いので、
力を入れて回す必要があり、一杯に締め込んだところを感知するのが非常に難しいです。
スクリューが底付きした状態で締めこんでしまうと、
スクリュー先端のテーパーに段差ができて調整が難しくなったり、
悪くするとポート(小穴)に食い込んで、本体にひびが入ってしまうこともあるようです。
(DCOEの場合、穴を拡大しスリーブを挿入することで修理はできるようですが)
◇ ◇ ◇ ◇
締めすぎ=破損の危険性とともに、
1/16とか1/8回転単位で回そうとしても動きが渋くて、
DCOEの場合僅かな調整で調子が変わるため、かなりやりにくいと感じます。
この辺りも巷の「WEBERは調整が難しい」といった風説の一端なのではないでしょうか?
要はスクリューの奥に入る、ゆるみ止めのばねが強すぎて、
スラスト(奥行き)方向の摩擦抵抗が大きすぎるのが原因なので、
もう少し弱いばねに変更してみることにしました。
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今回、オーバーホールキットは前述したように思いますが、WEBER社純正品ではなく
大阪のキャブレター修理専門店「Yキャブレター」から取り寄せたものを使います。
興味本位ではありますが、専門店らしい工夫があるのでは?と思いました。
アイドルアジャストスクリューは真鍮製の日本製?が入っていました。
材質が柔らかい分、ボディを傷める可能性は低いかもしれません。
(WEBER純正は、挽き目の粗い(笑)スチール製)
ゆるみ止めのスプリングは純正(もしくは同等)品のようで、
太い立派なばねが入っていましたので、
純正品の寸法(座面に対応できる巻径、適切な長さ)を基準に、
ホームセンターなり通販なりで探してみましょう。
コイル形状も重要で、フチは切りっぱなしではなく、
両端が座面に平らに接するよう仕上げてあるものを選びます。
(自動車部品のコイルばねは大体そうなっていますね)
表面処理は、ステンレス製でないものはメッキ仕上げの物が好ましいです。
(単に錆び止めのため)
◇ ◇ ◇ ◇
コイルばねの反力の強さ(=ばね定数(ばねレート))を決める要素は
他の条件を同じとした場合
①線径(巻いてある線材の太さ)=太いほど強い
②巻径(巻いたコイル径の太さ)=小さいほど強い
③巻き数(コイルを巻いた数)=少ないほど強い
④素材の性質(素材種類や熱処理)=見た目だけでは判別不可能
といったところで変わってきます。
(ばね定数 で検索してみてください)
面白いのは②、③で、
コイルの”らせん”傾斜角度が緩いほど反発力は弱い、とイメージできそうですし、
③はコイル一条(一巻)あたりの受け持つ荷重が多いので、
ヘタリが早い傾向にある、と考えることもできそうですね。
巻き数が多い方がその点有利ですが、
線材が長くなり、重くなる(高くなる?)のと、
縮みばねの場合は最大ストロークの際に巻線同士が接触(底付き)しないことが重要です。
◇ ◇ ◇ ◇
例によって、産業系通販MoやMiで探してみましたが、
結構種類が多く、調べ上げるのが大変で、
使用可能な巻径・全長を前提に、線径が細めの物を探し出して、
ダメでもともと、と思いつつ注文してみました。
(写真 奥が「超強力」純正ばね、手前が取り寄せたばね。ワッシャーは後述)
届いたものを見ると、想像以上に頼りない(笑)
早速組んでみたところ、やっぱり弱過ぎでした。。。
↑写真がボケていて見づらいですが、
弱目のばねを入れた状態で、奥まで締め込んだ際の
スクリュー止まり位置を確認しておくとよいと思います。
マイナス溝と一致するボディの部分に印をつけるとともに、
一杯に締め込んだ時のスクリュー突き出し長さを測って基準とすれば、
戻し回転数把握がしやすいのと、締めすぎ防止になると思います。
※適切なばねを入れておかないと、ねじのスラスト方向のガタがあり、
正確な止まり位置が出ないので要注意。
スクリューがばね反力で持ち上げられた状態にします。
◇ ◇ ◇ ◇
キャブが組み上がったわけでもないので、ばねはしばらく放置していたのですが、
いよいよ完成間近となってきたので、ホームセンターに代わりを探しに行こうか思い、
現物を取り出したところで、弱いばねを二本使ったらどうか?と気が付きました。
サスペンションのデュアルスプリング同様に、
ばねとばねの間にはワッシャーを挟みますが、外径が大きいとカッコ悪いので(笑)、
スプリングワッシャーを平らにつぶして挟んでみたところ(写真の左側のもの)、
なぜか下側のバネだけが縮んでいる・・・
よく見るとスプリングワッシャーの切れ目に下側ばねの終端が引っかかり、
締めこむ都度どんどん押し込まれて縮んでいましたので、
加工スプリングワッシャーはボツ!
やむなく平ワッシャーを挟んで組んでみたのが冒頭の写真です。
もう少し強くてもよい気がしますが、いっぱい締めこんだ際の感触も良く判ります。
問題は走らせた際、振動で緩まないかどうか?ですので、
予備として純正ばねを携行しつつ、実走してのお楽しみです。
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【考察:なぜこれほど強いばねが使われているのか?】
あくまで推論ですが、元来DCOE(含むDCO)型は、
レース用高性能キャブレターとして開発・装着された経緯があります。
全盛期の’50~’60年代のレースシーンを振り返って見ると、
まだ盛んだった都市間公道レース(ミッレミリア、タルガパナメリカーナ(メヒコ)等)や、
シケインなど設置される前の超高速区間を含むルマン、ランスのような、
最高速で(長時間)巡航!という今では考えられない舞台があり、
エンジンに限っても高周波の振動が長時間続く状況があったことが想像できます。
恐らくは、DCOEが本領を最大に発揮できる「長時間全開巡航」の場面において、
アイドルアジャストスクリューがゆるんだり、脱落したりした事例があり、
(スロットルを戻した際には影響があります)
絶対に脱落しないよう保証の意味で、あえて強力なばねが、
今もって使われているのではないか?と考えました。
部品としては、スロットル最小開度を設定する、
スロットルストップスクリューのゆるみ止めと同じばねのようで、
ただ単に共通で使っているだけの様な気もしないではないですが(笑)
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実走での使い勝手、弊害などは追ってレポートしますので、
乞うご期待!
悪あがき的処置を長々書きましたが、
「このばねが良いよ」とご存知の方がおられましたら、
内緒でアドバイスいただけると幸いです(^^)
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