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灸太郎くんのブログ一覧

2023年09月30日 イイね!

【写真差替】YZF-R7 新車整備+α(12.右ペダル周辺の位置調整)

【写真差替】YZF-R7 新車整備+α(12.右ペダル周辺の位置調整)
【タイトル写真差替えました】
R7、昨日オーナーに取りに来てもらったのですが、
聞くと翌日(つまり今日)サーキット走行とのことでした。

変化に慣れる期間がある方が良いと懸念したのですが、
リヤブレーキを使えなかったと連絡が来たので、対処の仕方を書きます。
扱いやすい状態を見つけ出すために、組みかえて試してみるのは、
違いを感じ取るための良い機会になります。

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●まず前提として、使えなかった状況を把握したいと思います。
 内側過ぎ、下がり過ぎ、それ以外と、対処の仕方が違ってきます。
 
 標準状態に対し、くるぶしが5mm程度内側、ペダル踏面は3mm程度内側で組んでいるので、
 部品の位置関係としては、標準のくるぶし内幅(=ガードプレート外面)に比べ、ペダル踏面は2mm外側になっています。
 但し、ガードプレートを外すとかかと側がさらに内側に入り、必然的につま先は外を向くので、
くるぶしグリップを効かせた状態での対つま先、という意味で、
指摘のようにペダル踏面が以前よりも内側に位置することはあり得ると思います

 ひとまずペダル位置とガードプレートは標準の位置で組んで、好み・体格・使い方の変化に合わせて再度調整しなおすのがよいと思います。
 さらにペダル踏面を外に出したいのなら、踏面を拡大延長するのも難しくはないです。

またガードプレートを外すと、マスターシリンダ取り付け上部が足に強く当たるので、その辺りを解消して、適切な前後上下位置で内幅も広くならない社外キットパーツがあれば、交換を考えても良いでしょう(事前に寸法を確認の上購入したいところです)。

●フットペグブラケットを外す際は、事前にマフラー出口やスイングアームに養生テープなどで傷防止のガードをしてください。

●ガードプレートはブラケット裏側のスプリングブラケットと共締めで固定します。
ペダルを現状のままで、外側にガードプレートだけつけると、その厚み分ペダル踏面は現状より内寄りになりますが、かかと側が外に出る分つま先は内向きになるとすれば、辻褄が合う可能性もあります。ひとまず試してみてください。

●ペダルが低すぎて踏めない場合は、マスターシリンダ~ペダル間のロッドを長くして踏面を上げます。遊び調整機能は無いので、ブレーキスイッチ高さだけ調整してください。

●ペダル踏面が内側過ぎて踏めない場合は、ペダルとブラケットとの間のワッシャを一旦全て取り除き、元のもの1枚だけ(一番右。袋に入れて返却済み)に交換してください。
alt
●上記の場合、ペダルとスラスト方向の位置を合わせるため、
マスターシリンダとブラケットの間のワッシャと、
スプリングブラケットとフットペグブラケットの間のアルミ板は全て取り外して組んでください。

●現在のペダルの動きが軽すぎると感じるのであれば、
下の写真のように、ペダル軸ボルトの頭の下、ウェーブワッシャ(中央)とペダルの間に、
左端の薄いワッシャを入れてください。
スラスト方向にばねが効いて動きに抵抗が出ます(渋くなる)。
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ペダル軸ボルトはブラケット単体になると緩めにくいので、傷がつきにくいよう木の板などの上で、アレンキー(L字の六角棒レンチ)を使い、手で一撃して緩めてください。締め付けトルクは2.2Kg・m(ほどほど)。

●組み立てたら、マスターシリンダとペダルのセンターが合っているか確認してください。
ピンを入れて接続した状態でクレビスが回転方向に動く余地があること。
組み終えたら、クレビスピンにベータピンを差して、先端を抜け止めのワイヤリングしてください。

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特に難しい作業ではないと思いますが、ばらしたまま組めなくなるとまずいので、
随時部品の位置など確認・撮影・メモしながら進めてください。
道具や作業上の不安があれば、こちらに持ってきてもらえれば対応します。

機能と走りに理解が深まることを願っています。



Posted at 2023/09/30 21:06:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2023年09月30日 イイね!

YZF-R7 新車整備+α(11.バーエンド錘取外しと中間総括)

YZF-R7 新車整備+α(11.バーエンド錘取外しと中間総括)
新車とはいえ、(私見ですが)安心して乗れる状態ではなかったYZF-R7。

スイングアームピボットはじめ、各部の締付トルクや組み付け適正化の結果、
衝撃吸収とコーナリングの動きがかなり自然になり、随分安心して乗れるようになりました。

さらにフットペグのガードプレート周辺の工夫(くるぶし内幅詰め)で、
車体ホールド感や乗車姿勢も改善を見られました。

もう一息、コーナリング開始時の自由度というか、タイミングをとりやすくしたいのと、
曲がりはじめの車体のリーンに伴う舵角の入り方をさらに自然なものにしたいので、
ごく簡単にできること、「見るからに立派な」ハンドルバーエンドを取り外してみました

すると、かなりの重量があるのでびっくり!
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面白半分に量ってみたところ、なんと片側で190gもありました!!
判りやすく言えば、ハンドルバー先端に小さい缶コーヒー一本分ですよ!
(冷静に考えれば、ハンドルマウントのミラー相当の重量かもしれません)
磁石に付くので、無垢の鉄製です。

筆者の親しんだドゥカティMHRやF1の場合、単に樹脂製のバーエンドが差し込んであるだけで、
片側10gくらいではないでしょうか?(量ったこともありませんが)

メーカーの意図するところは定かではありませんが、
ハンドルバーの振動吸収目的の「おもり」でしょうか?
連続するギャップを高速で踏み越えた際などのハンドルバーの振れ(共振)対策もあるかもしれません。
もしかすると、万人受けの意図で、舵角の入り方を穏やかに(≒鈍く)するためかもしれません。

バーエンドひとつでメーカーが何を重視するか、想像がつきますね。
取り外して特性の変化を見る価値は十分ありそうで、楽しみです。

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ハンドルバーエンド(先端部)の重量物の、操縦性への影響を乗車フィーリングから考察すると、

●操舵軸(ステム)を中心とする回転運動末端の重量物は、動き出しに必要なモーメントを大きくするので直進安定性は高まる半面、初期の舵角が入りにくく
●ある程度リーンが進んだところでは、慣性モーメントと、リーンに伴うイン側バーエンドの落下(イン側=低い方へ移動)の勢いが相乗して、舵角を入れようとする

つまり、直進安定には寄与している反面、リーンアングルと舵角がリニアに連動していない可能性があると考えました。

●舵角やリーンアングルを減らす方向に調整したい場面でも、逆方向へのモーメントへの抵抗成分になる可能性がある

やはり方向性としては、操縦性を「鈍」にする効果がありそうです。

●ハンドルバーはタイヤ接地点をてこの支点と見ると車体の中では相対的に高い位置にあり、左右方向にも末端に位置するバーエンド、
以前フットペグの作業の際に説明した「やじろべえ効果」は絶大なものがあるはずです。

バーエンドよりも内側に位置するグリップラバーを介しての、
ライダーのハンドルバーへの入力を相対的に小さなものにして
安定成分を増す働きをするのかもしれません。

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運転者視点からは、ハンドル幅の狭さが強調された印象です。
実際に試乗してみるといかに・・・?

リーン開始からの前輪舵角の入り方(追従)が明らかにスムーズで速いので、
車体の向きが変わっていく感覚が、筆者の親しんだ空冷ドゥカティに近く、
狙ったライン取りに没頭できるのが非常に楽しい!
くるぶし内幅を追い込んだことでコントロール性が上がったこととの相性も良いと感じます。

見た目も、転倒時を考えても、バーエンドなしのままというわけにもいかないので、
できるだけ軽量なアルミ製のヤマハ車用(ハンドルバーは今どき単なるパイプではなく、末端形状が各社(車?)まちまちのようです)社外品が良いと思います。
極端に軽くしたくなければ、純正品をドリルで肉抜きして、
好みの重さにして使うのも通人的でよろしいかと思います。

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XZ400の代わりに預かって、一か月弱。
走らせたうえでの疑問点を考察・対処し、
(オーナー不在をいいことに(笑))親密さを増し、信頼関係ができつつあるところで、
名残惜しいですが、車両オーナーに引渡しの時となりました。。。。。。

翌日はサーキット走行とのことなので、混乱を招かぬよう、
あえてバーエンドは再度装着しました(部品持ち帰りの都合もあり(笑))。

預かる前との違いを体感してほしかったのですが、
時間の都合で短時間の「テストコース」同行短縮試乗となり、
ブレーキの操作感とリヤサスペンション作動性以外はよく分からない様子なのはやむを得ないところか・・・

本連載やXZ整備記事連載でも繰り返し書いていることなのですが、
「なぜそうするのか」、その上で「どう扱うのか」を改めて説明し、
本人が気になっている事象との関連などを少し話したところで時間切れ。
とにかくたくさん走りこんで、車両、挙動、操作への理解を深めて、
R7ならではの走りの組み立ての面白さの神髄に触れてほしいですね。

筆者の”整備+α”の意図を端的に言えば、
●リヤサスペンションをきちんとストロークさせ、
不安感減少/快適性向上/メリハリのある掴みやすい挙動・姿勢変化。

●コーナー外側のくるぶしと内ももで車体をホールド・荷重操作できる姿勢を作り、
上半身は自由にしてハンドルバーで体を支えない(=前輪舵角を妨げない)。

●思いのまま減速でき、制動の抜き加減をも制御できるフロントブレーキ。

●安定感を得るために、速度・姿勢・荷重調整がしやすいリヤブレーキ

●できるだけ早い時期からスロットルを開けて、ドライブチェーン上側が張っている状態で安定感を自ら生み出しながら、自在なライン取りと加速パフォーマンスを楽しめる。

車両とライダー双方の本来の能力を引き出しやすくする、
できるだけ「大胆かつ緻密な操作ができる」ための整備・調整ということです。

以前の状態を「標準」としていたでしょうから、初めは戸惑うこともあるかもしれませんが、
ストレス・不安が減り、自信をもって走るための工夫のヒント・きっかけになれば幸いです。

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●オーナーに成り代わり、ここまでの整備と試乗を楽しんだ者として、
YZF-R7の特徴を”灸太郎くん流解釈”で、かいつまんで言うと、
「とてもうまく翻訳された、現代日本語版ドゥカティSS」といえると思います。

運転者の意識を「走り」に反映させる様が非常に面白く
「さっきよりもまだいける」「今度はどう攻めてみようか」と
ポジティブな意欲を自身へのエネルギー源としながら、
ポテンシャルを引き出す実感を楽しみながらも、速度域が高くなり過ぎないところで充実感がある。

具体的に言えば、
●高級感は意識していないが、実質を重視した正直な造り。
●走りに必要な機能だけを残した割り切りの良さ。
●一見スパルタン風だが、走りに向けては非常にフレンドリーな(扱いやすい)特性。
●ヤマハらしい安心感を残しながら、コーナー入口での切れの良さ(反応、旋回性)。
●それに即応するトラクションの掛けやすさ(荷重コントロールしやすい車体とスロットルの開けやすさ)でライン取り自由度が高い。
●さらに大きく開けた時の速度の伸び感を伴った、強烈なビートのある蹴りだし感。

これらを一般道でも十分に楽しめるということです。

以前の「和製ドゥカティ風仕立て」TRX850を短時間試乗した印象は、
良くも悪くも「二気筒の音がする並列4気筒スポーティバイク」のようで、
ひたすら安定志向の走行特性にはこだわるべき個性は薄いと思いましたが、
R7の場合、見た目の印象は好みが別れるところでしょうが、
「二気筒の特性をメリットとして十二分に活かしたスーパースポーツ」として、
☆☆☆☆☆、太鼓判を押したいと思います。

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筆者は毎度一言多いのはわかっているのですが、
車両オーナーは上達を目指して熱心にあちこちのライディングスクールに通っていることで、
講師による表現の違い(個性?)が却って悩みを深めている節もあるような気がしました。

あるいは、一昔前の最大公約数的国産車(いわゆるレーサーレプリカ群含め)とは一線を画し、
安定成分を確保した上で大きく運動性能を追求した、
現代のスポーツバイクたるR7になじむ時間と経験が必要か?

昨日今日乗り始めたわけでもなく、スキー競技などに親しんだスポーツマンですから基本は理解しているはずなので、
むしろ一般道を使い、速度を上げず、できるだけ長時間バイクに親しんで、
自信と余裕をもって気持ちよく乗れる自然な状況(いわゆる「乗れている状態」)を繰り返し経験し、ライディングイメージの礎とするのが得策のように当方は思いました。

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ひとまずYZF-R7の新車整備+α、一段落となりました。

後輪周辺と比べて大きな問題は無いと思いましたが、
今回できなかったフロント周りの整備もいつか着手し、レポートできればと思います。

Posted at 2023/09/30 15:07:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2023年09月26日 イイね!

YZF-R7 新車整備+α(11.ブレーキペダル適正化3)

YZF-R7 新車整備+α(11.ブレーキペダル適正化3)ブレーキペダル/マスターシリンダ/ガードプレートを内側に追い込んだことによる、
乗車姿勢・車体ホールド性の改善を確認できました。

有り合わせの材料で暫定的な状態なので、
ひとまず恒久措置とすべく組み直します。

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ひとまず位置調整のため薄いワッシャをたくさん組み合わせたので、組み立て/分解にとても手間が掛かりますし、
通常の平ワッシャはプレスで打ち抜いたもので、精密に面出しされておらず、
よく見ると断面がカマボコ状に片面が膨らんで丸みがあります。

薄いワッシャを何枚も重ねて締め付けると、陥没・変形(減寸)の恐れがあり好ましくありません。
さらに丸みが何枚も重なると、ぐらつきの原因(組み付け剛性が低い)になるので、
できるだけ一枚で所定の厚さにします
(平面(表裏の平行)度が必須な場合は「シムリング」「スペーサー」として販売されているものを使います)

●ペダル軸とフットペグブラケットの間に、元のワッシャに加えていた、
1.5mm厚ワッシャ2枚を、3.2mm厚1枚に変更

●ブレーキマスターシリンダとフットペグブラケットの間に挿入していた、
1.0mm厚ワッシャ3枚×2ヶ所を、1.5mm厚2枚×2ヶ所に変更
※3.2mm厚1枚×2ヶ所にしたかったが、適切な外径(18mm)のものが見つからず、
 下記のように穴2ヶ所分をまとめて3mm厚のアルミ板でスペーサー作製するには、
 ブラケット側の2つの穴の間が完全な平面でなく適切でないので次善の策です。

●マスターシリンダ固定ボルトの長さが足らなくなったので、5mm長いものと交換。

●ストップランプスイッチを取り付けているブラケットとフットペグブラケットの間、
1.5mm厚ワッシャ2枚×2ヶ所を、3.0ミリ厚アルミ板から切り出したスペーサーに変更
(スプリングを引っ掛けるだけなので、0.2mmの相違は問題なし)
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※以上の作業の結果、ペダルとマスターシリンダのセンターが再度ずれたので、後日シムを入れて調整します。

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作業後。フットペグ真上(穴の向こう側)にアルミ製スペーサーが覗いています。
黒く塗って目立たなくしたほうがよさそうです。

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余談ですが、ここまでの整備で、一昔前は(XZ400にも)大量に使われていたスプリングワッシャが一つも見当たりませんでした。
実際にはゆるみ止め効果は無いそうで、ボルトやナット、部品双方の座面にワッシャ切り口でできる傷の修正不要、余計な重量も削減でき、大変結構なことと思います。

以上、ワッシャの枚数をできるだけ減らしてみました。
組み付け剛性の向上を体感できるか判りませんが、分解組み立ての作業性向上も目的として行いました。

Posted at 2023/09/27 00:53:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2023年09月24日 イイね!

YZF R7 新車整備+α(10.くるぶし内幅詰め)

YZF R7 新車整備+α(10.くるぶし内幅詰め)YZF-R7、ハンドルバー・シート・フットペグ(ステップ)の位置関係はとても良いのですが、
更なるフィット感追求、且つペグを踏む足の「やじろべえ効果」を減らすため、
部品加工せずに、左右くるぶしで内側に押さえる部分を追い込んでみます。

「やじろべえ効果」というのは筆者の造語ですが、
「ハンドルバー幅×手の力」と同様に(てこの原理)、
フットペグも車体中心線から遠いほど、小さい入力でもモーメントが大きくなり、
操縦性や安定感に影響を及ぼします。
(意識せざる不安定要素になる)

また、できるだけ内幅を狭くしてフィット感を上げ、
くるぶしで車体をしっかりホールドし、且つ足元の動きの自由度を高めたいと思います。

もしかすると個人差があるかもしれませんが、
筆者の場合はいわゆる内また(トーイン)よりも、
爪先よりもかかとが内側(トーアウト)にある方が、
自然に感じますし、ひざにも無理が掛かりません

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部品加工はせず、組み方を工夫します。
●右(ブレーキペダル側)は、マスターシリンダがフットペグブラケット後端で支持され、
その外側にガードプレート(写真右から左上に伸びる部品)が装着されるため、
ペダル踏面よりもくるぶしが外になってしまい、左側よりもフィット感に欠け、
ペダル操作など足首の動きの自由度も低いと感じます。
(下の写真はあくまで部品位置関係の説明用です)
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そこで第一段階として、ガードプレートを取り外しました
留めねじは裏側のストップランプスイッチやペダルのリターンスプリングを引っ掛けるブラケットを留めているので、同じ位置に存在します。alt

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↑作業後です。想像以上にくるぶしは内側に入り、フィット感は大きく上がりました。
マスターシリンダを直接押さえますが、ガードプレートの必要性は感じません
↓作業前(ガードプレートあり)と見比べて見てください。
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マスターシリンダ・ペダルとも、スペーサーを入れればさらに内側に追い込めるので、
スイングアームとマスターシリンダが干渉しない程度、3mmずつ内側に追い込んでみます。
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ペダル周辺の分解組み立ての手順は以前に記した通りで割愛します。
暫定的に1.5mm厚ワッシャーを2枚重ねで、合計3mm、内側に入りました。
ワッシャーの厚み分、取り付けボルトは長くする必要がありますが、
 ペダル軸となるボルトは十分ねじ部長さがある段付きボルト(特殊品)なのでそのまま。

跨って確認してみると、左側よりもさらにくるぶしが内側に入り、とても好ましいです。
ガードプレートなしでも、かかとがスイングアームと接触することはまず無さそうです。

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●左(ギヤペダル)側は、ドライブチェーンがあり危険なので、さすがに取り外せませんが、
ガードプレートをフットペグブラケットの外側からではなく、内側から取り付けます
組み替えられるようヤマハも意図していたのでは?
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↑上は作業前。
↓下は作業後。いったんフットペグブラケットを取り外して、内側からプレートを取り付けます。
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左側はドライブチェーンがあるのでガードプレートは必要です。
約10mm内側に入りますが、スイングアームとはd干渉せず、その分くるぶしは内側に入ります
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跨ってみると足全体で車体をホールドしやすく、フィット感・走行中の安心感が断然違います
つま先よりもくるぶしが内側になるので、足の動かしやすさも快適性も改善されました。
足首を動かしやすく、特にブレーキペダルの使いやすさは特筆ものです(自画自賛ですが)。

写真でも折りたたみ部分が間延びして見えるように、
結果として純正フットペグの先端が余る(足からはみ出す)ようになりました。
漫然と外寄りを踏んでしまわないよう、どうせ使わないピリオンペグ(数ミリ短い)を小加工して移植すると、さらにフィット感が上がりそうなので、差し替えられるよう後日準備しておこうと思います。

必要に応じて、偏心式で前後左右に調整可能な削りだしの社外ペグも良いでしょうが、
メーカー純正の位置は前後どちら向きにも力を掛けられる絶妙な設定と思います。

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左右から車体を挟み込むようにホールドする際のくるぶしの内幅は、
狭いほど内ももでタンク後部を押さえやすく、動きの自由度も高まります

フットペグ付け根部分の幅よりも、その後ろ側の幅を詰めることが重要です。
くるぶし(足首の内側)はペグ(土踏まず、若しくはつま先寄りで踏む)よりも後ろ側にあるからです。

社外品のいわゆる「バックステップキット」を使う場合は、前後上下の位置関係だけでなく、
上から見てくるぶし内幅が広がらない(できれば狭くする)かどうかも同じくらい重要です。
(筆者は内幅の方をより重視したい。買ったことはないが昔のものは酷いものでした)
やじろべえ(てこ)と考えれば、車体中心からの距離は当然左右対称であるべきです。

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一言多いついでに遠慮なく書きますが、
極論すれば国産車は横から見た図だけで物を考えているようですね。
特に少し前までの並列4気筒車両のまたがった際の威圧感たるや、
設計者の二輪愛好者目線の欠如を感じるのは筆者だけでしょうか?
ライダー目線=上から見た際の収まりの良さが考慮されるようになったのは、
ほんのつい最近、20世紀末あたりからのような気がします。
具体的には初代ヤマハR1(三億円事件の偽白バイの方じゃないよ(笑))あたりからでしょうか。

また始まったと冷やかされそうですが、
タンブリーニの名作、916やF4の影響は大きいように、R7をいじっていても感じられます。

Posted at 2023/09/25 00:24:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2023年09月23日 イイね!

YZF R7 新車整備+α(9.スイングアーム・アクスル周辺整備)

YZF R7 新車整備+α(9.スイングアーム・アクスル周辺整備)スイングアーム ピボットの締付トルクを適正化したところ、一気に印象が好転したので、
残りの重要箇所も点検・適正化を図ります。


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現代のスポーツバイクらしく、大径のアクスルを採用しているので、ナットも対辺27mmと大型。
手持ちがないので他のついでにモノタロウで購入(トラスコブランド)。
差し込み角が3/4インチと大きく、1/2インチ仕様のトルクレンチを使う際は変換アダプターを使います。
緩める際にトルクを測ってみたら(正確ではないですが)10.5Nmのところ、14Nmの手ごたえがありました。
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ナットと左側アクスルホルダーを取り外すと、ホルダー内に切粉が溜まっていました。
『何かが正しくない気がする』のでアクスルを抜いて、リヤホイールも取り外してみます。
前回、ドライブチェーンやスプロケットも掃除しておいたので、作業しやすいです。
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上の写真、アクスルホルダーとナットの間に平ワッシャー(厚さ2mm)がありますが、
これが左側スイングアームとホイールに差し込まれるカラーとの間に入って組まれていました。
サービスマニュアルによると、アクスルホルダーと締付ナットの間に入るもので、
ワッシャを介在させずにナットを締め付けたので、ホルダーが削れて切粉が出たようです。
ドライブスプロケットやチェーンを見た限り、チェーンラインが狂って切粉が出たりはしていないようでした。
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ワッシャを誤って入れられていた左側スイングアーム内側を点検すると、円状の痕がついていますが、本来接触するホイールカラーの痕のようでした。
スイングアームはスチール製なので問題なかったのかもしれません。
筆者は以前、ドゥカティのホイールカラーの向きを間違えて組んでしまい、軽合金製スイングアームを傷めてしまったことがあるので、ヒヤリとしました。
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アルミスイングアームにも対応できるよう、ホイールカラーは接触面積が大きくなってます
左が誤って組まれていた、ナットの下に入るワッシャーです。面積の違いは明白です。
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スイングアームがスチール製である動かぬ証拠写真(笑)
(懐中電灯がマグネットで横向きにくっついています)
凝った形状の板金部材を組み合わせてあり、重量にも注意が払われているようです。
溶接線は結構な延べ長さです。

タイヤとマッドガードを外したので、リヤショックのベルクランクの締付トルクを確認できます。
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リヤショックをプログレッシブ作動にするベルクランク。今回の締付トルクはOKでした。
ショック取り付け部やエンジンマウントボルトも同じですが、反対側のボルト頭を回らないようにしつつトルクレンチを使うのは、二人掛かりでやりたい作業です。

ちなみに向かって左のナットがフレームの支点、右がスイングアームとの支点を締め付けています。さらに左に見える円柱形状は、スイングアームピボット部です。

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念のため右側スイングアームも点検。特に問題は無いようです。
中間部に窓がくり抜かれているなど面白い形状です。窓とアクスル穴の間にある四角いものはブレーキキャリパーブラケットの回り止めです。

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いい機会なので、ドライブスプロケット周辺もきれいにしておきます。
グリスと砂が混じったものが付着してしまい、つい見て見ぬふりをしてしまいたくなる部分ですが、
積もってくるとチェーンの摺動抵抗になり、掃除後は回転が軽くなります
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ドライブスプロケット前方の隔壁部分は取り外し可能な樹脂製スライダーになっていました。
これは掃除をするにも便利な構造ですね。
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清掃後。スプロケットカバーはなぜか高強度ロック剤を塗ったボルトで留められていたので、
ねじ山は全てタップ・ダイスで清掃します。ただのふたなのでロック剤は塗りません。
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ついでにエンジン後ろ側のマウントボルトもトルク管理をしましたが、
アンダーカウルが邪魔になるので、その上のサイドカウルも含め取り付けボルトを何本か外し、
後方を開かせて作業しました。
カウル接合部のずれ止めの工夫は大したものですが、取り付けファスナー類の数と種類の多さには閉口します。

ところで、定価100万円以上の車両にもかかわらず、
サイドカウル取り付けがタッピングビスなのは驚きです。
この手の車両は、RC30やドゥカティ916よろしく、
目立つところだけでもDZUSファスナーくらい奢ったらカウル着脱も少しは楽になり、
且つ見た目もファスナー操作感も競技車両ムード満点、
購買意欲を高めることで数万円余分に値付けできそうなのですが(笑)

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ホイール/アクスルの組み付けは、先日行ったXZ400のようなシャフトドライブの方が遥かにラクです。
・ドライブチェーンをスプロケットに掛けながら、
・リヤホイールをスイングアームのアクスル穴に合わせて持ち上げ、
・ホイールに差し込まれたカラーを落とさないよう注意しつつ、
・キャリパーブラケットの位置を合わせながら、
・アクスルの回り止めがある側には忘れずにホルダーを通しておく必要があり、
やり慣れないうちは手が3~4本欲しくなります。とても写真を撮る余裕はありません。

どうにかアクスルを通し、ナット締付前にスラスト方向のすき間を見たところ、
先のワッシャーがぎりぎり入るくらいのすき間はありますが、
元々なのか、間に入れて組んだせいで広がったのかは判りません。
とりあえず今回はマニュアル通りに組み立てます。

念のため、チェーンラインと、ブレーキキャリパー&ローターのセンター一致を確認します。
いずれにせよホイールカラーとスイングアームの間にわざわざワッシャーを差し込んで組むのはかなり大変だっただろうと思います。
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ドライブチェーンのたわみ量、分解前に確認しておきました。測定位置にはマーキング済み。
写真は下向きに引いた状態。
45~50mmが規定値なので、スライダーとの間隔を見れば明らかに張りすぎです。

ホイールアライメント、スイングアームピボット~リアアクスル間の距離を左右で揃えます。
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アクスル締め付け後に、ホルダー位置決めのナットを増し締めしてからロックナットを締めますが、
チェーンにテンションを掛けた状態(=チェーンが双方のスプロケット間を引っ張っている状態)でアクスルを締めないと、走行時のトルクで引っ張られて、たわみ量は多くなってしまいますので、テスト走行後に再調整します。

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整備後のテスト走行前には、特に締め付けたり、取り付け直したりした各部を念入りに確認します。

タイヤ空気圧はオーナーがサーキット走行時に設定したままらしいので今回確認したところ、
前=約1.8KPa、後=約2.3KPaでした。
低すぎる内圧で、先日の整備後、好ハンドリングに喜んでいたとは…少々残念。

メーカー指定値は、前=250KPa、後:290KPaですので、こちらに合わせます。
現代のラジアルタイヤは、構造上の理由で、少なくともストリート走行時は指定の内圧から大きく変えるのはNGとされています。

「なぜそうするのか?」理由と目的の確証なしにいたずらに行うのはリスクが大きいです。
サーキット走行では連続走行によって内圧が大きく上がることもあり、乗車感を基に少しずつ下げる選択肢もあるそうですが、サーキット走行後は冷間時指定値に戻すことが必要です。

Posted at 2023/09/23 14:53:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記

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「DUCATI SSの整備【73】SS800との乗り比べ印象記 http://cvw.jp/b/1333960/48560984/
何シテル?   08/07 18:30
灸太郎くん(キュウタロクン)です。 職業・思想・信条・立場など違えど 共通の話題で交流できるのは良いですね。 記述は残ることを意識しています。 ...
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