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灸太郎くんのブログ一覧

2025年10月07日 イイね!

DUCATI SSの整備【80】アイドリング回転落ち不良対策

DUCATI SSの整備【80】アイドリング回転落ち不良対策
ちょうど猛暑が一段落してきたのに合わせるように、停止時の回転落ち不良が再発。
具体的には停車直後、2000rpmあたりで数秒経ってからアイドル回転に落ち着くといった現象。
走行自体には不具合はありませんが、信号停止や一時停止のたびに気になります。

ガス欠時にも同じような症状が出ることがあるので、パイロットスクリューで空燃比補正(リッチ方向)するも変化がなく、二次空気吸入、あるいは季節要因か?とも考えつつ、各部を見直しました。

    ◆    ◆    ◆

思い当たったのは、微調整しても一定の角度に勝手に戻ってしまう、他車流用のケーブル式の延長アイドル調整スクリュー。
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上の写真(フレームパイプにマジックテープで括り付けてあるツマミがそれ)のように、
元来車体前方に向かうスクリューを、使い勝手がいいように運転者側に向け、180度に近く曲げて使っていました。
どうやら曲げがきついためか、一定の角度に自然に落ち着いてしまい(微調整しても戻ってしまう)、結果としてアイドル回転が1200rpmを若干上回るあたりに設定されていました。

そこで下のように、ケーブルをできるだけ真っすぐになるよう配置してみると、アイドル回転の極々わずかな微調整までが効くようになりました(水平側シリンダーヘッド先端部のツマミ)。
アイドル回転設定が勝手にずれることもなくなりました。
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信号待ちの際の調整時など、使い勝手は若干低下しますが、暖機後は調整の必要は少ないはずなので、本来の機能を優先します。

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【ミクニBDSTキャブレターの特性?】
直接の回転落ち不良の原因は、ミクニBDSTキャブレターの構造上の特性にあるようです。
個体差や設定によるのかもしれませんが
少なくとも筆者の車両の場合、タコメーター読みで1200rpmを境に、
それ以上にアイドル調整スクリューをセットすると、停車時にアイドル回転まで即座には下がらなくなります。

筆者の想像では、全閉時のバタフライバルブと、低開度時のメインボア内の燃料(混合気)吐出穴であるアイドルポート、パイロット系ポートの位置関係に起因するように思います。

言うまでもなく各部をチェックした上での話です。念のため。
マニホールドなどの二次空気吸入、ケーブルやホルダーの固定不良、ケーブルの折れ曲がり等損傷、キャブレターの負圧室につながるホースの潰れ、バタフライバルブ同調不良、油面(フロート高)設定バラつき、パイロットスクリュー調整等々、
不良個所がないかどうか、吸気系・燃料供給系システム全体を細部までくまなく確認・整備することが先決です。
ジェット類の番手変更などは、特定の目的あってのことで、不調対策では本来行いません。

ミクニBDSTキャブは調整が難しい、といった悩める車両オーナーの意見をWebで目にしたことはしばしばで、筆者も苦労した口です。

現在は標準から少々踏み込んだ設定ながら、アイドリングは1000~1100rpmあたりで不具合はなく、僅かにスロットルを開けば吹かさずとも容易に発進できます。
プラグかぶりやスロットル急開時の息つきは皆無、ON/OFF時のドンツキもほとんどありません。

筆者も研究途上で、判らないことがたくさんあるのですが、まだまだ伸びしろがありそうで、
日常域から全開走行まで幅広くカバーできる高性能なキャブレターと思います。

単純に「アイドル回転が下がらないのは構造上の不具合」などと短絡して理解しないように願います。

Posted at 2025/10/08 18:07:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年09月27日 イイね!

DUCATI SSの整備【79】フットペグ/ペダルの3次元的変更(4)回転式ペダル先端部

DUCATI SSの整備【79】フットペグ/ペダルの3次元的変更(4)回転式ペダル先端部オイル漏れ修理やサスペンション設定変更と並行して、乗車姿勢も随時気付いた点を見直しています。部品交換しなくても調整できる(すべき)部分はいくらでもあります。

【偏芯式フットペグを後方へ調整】膝の曲がりを緩やかにするため。
750F1では、細身のバイクと身体の接触面積が少ないためか押さえが効かず、
制動の際に限らず、不整路面通過時も尻をずらして外側の太ももでタンクを押さえて体を支えたり(真っすぐ座るとニーグリップができないほどタンク後端が細身のため)、
体を支えるため前に蹴りだせるよう前寄りにすべくフットペグのマウントブラケットを自作したりと、
あれこれ工夫はしていましたが、内股の姿勢になるため、やはり膝が痛くなっていました。

倒立フォークSSの場合は、車体(特にフロントフォークとフレーム本体)の衝撃吸収能力が遥かに向上しています。
また、フレーム幅以上にタンクニーグリップ部の幅がかなり広くなっていて、まっすぐ座っていてもとりあえずは押さえが利きます。
さらに現車はフットペグ内幅を狭く、且つシート幅を広げ、シート~フットペグ間も筆者の体型に合わせているため、下半身全体での車両とのフィット感が高く、ブレーキングの際もフットペグを前に蹴りだして体を支える必要は感じません。

そこでペグを少々後ろ寄りにしても問題はなかろうと調整してみると、想像以上に快適で膝がラクで、コーナリング時の違和感もなし。
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S2Rのチェンジペダルを再装着】
但しフットペグ後退分、チェンジペダル(M900標準品)先端が遠くなってしまい、操作に違和感が発生(同軸作動ではないので、ストロークは不変)。
そこで寸法が短くなる、S2Rのチェンジペダルを再度装着してみました。
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【ペダル先端を回転式に改造】
レバー比の都合で作動ストロークが短くなる分、操作入力が大きくなり、貧弱なつくりのペダルの”しなり”が気になります。
そこでペダル先端と爪先との間の”こじる”ような抵抗を減らしてみました。

具体的には、ペダル先端を自由に回転できるようにしてみました
軸ボルトが貫通するゴム内径部に薄板を巻いたスリーブを入れ、左右から締め付けず軽く回るようにします。
FUELの文字が示すように、ゴム部分は使い古しの硬化した燃料ホース(内径約7.5~8mm)です。
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この方式にする前、ゴム部分をボルト/ナットで挟み込んで固定していましたが、
シフト操作(特に蹴り上げ)時にねじを弛める方向に回転力が掛かり、試運転中、二度にわたりペダル先端が脱落・紛失してしまったので、
弛み対策としてゴム部分を自由に回転できるようにしてみたところ、
つま先でこじるような摩擦力が掛からないため、操作感がスッキリとして向上したのは思わぬ副次効果でした。特許を申請したいくらい(笑)

軸ボルトはM6サイズの長めの全ねじ。アップシフト時につま先を下に入れやすく、操作しやすい長さを、何度かの試運転で決定。
万一の転倒時は、ボルトが曲がることでペダル本体や支点に力が掛からないよう配慮。

ボルト頭(ペダル向こう側)はロッドに干渉しないよう薄く加工し、基部(こちら側)にフランジ付きロックナットを使用して挟み込み、剛性感を上げています。
先端外側からはポンチを打ってナットの脱落防止策としてみました。
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【ロッドを車体中心線と平行にセット】
ペダル操作により、特にシフトシャフトにスラスト方向の応力が掛からないよう、
ロッドが車体中心線にできるだけ平行になるように組み付けます。
ペダル軸/連結ロッド/シフトシャフトが上から見て直角に交わるように)
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画像検索で形状の違いを調べ上げ、オフセットした形状の他車用シフトシャフト側レバー(アーム)を入手しました。
本来はシフトシャフトのレバーの裏側にロッド(ピローボール)を装着するのですが、
レバー手前側のボルト頭用座ぐり部にスペーサーを入れ、写真のようにレバー手前側にロッドを装着し、各部の干渉を避けつつロッドを車体中心線に平行にしました
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【ペダル高さの調整優先順位】
仲間と走りに出る際など、互いに敵情視察として(?)車両交換をして楽しむこともあるのですが、
案外ペダルやレバーの調整が無頓着だったりするようです。

車両によっては操作時に排気管などに干渉するため調整範囲が限られてしまうこともありますが、
基本的にはクルージング時に足首が快適な高さに合わせ、
且ついろいろな姿勢でペグを踏み付ける際、ペダルを不用意に踏み込んでしまわない位置まで下げることになると思います。

作動ストロークが短くなった分、ペダル操作に要する力は増加していて、内部シフター機構の構造(リターンスプリング)のためか、アップシフトの方がより力が必要なので、蹴り上げ時に力を入れやすいように高さを調整しますが、都度すぐ下にあるスタンドに干渉しないよう確認します。

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現状のペグ~チェンジペダル先端までの軸心間寸法は、約150mm。
ちなみにブレーキ側の寸法もほぼ同じです。
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ブレーキ側の操作は踏み込みのみなので、実質寸法は写真のように150mm(ペグとペダル先端の頂部同士の距離)ですが、
チェンジペダル側は爪先をペダル下に入れ、軸心より手前よりで操作するため、アップシフト時の実質寸法は、軸心間よりも5mmほど短くなるので、より力が必要になります。
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現状は、変速時のクラッチ/スロットル/ペダルの連携操作のタイミングが今一つ合わせにくく、
特にスロットル開度の小さい市街地走行でのアップシフトには気を遣います。
その点は、軽く操作できた以前のM900標準車用ペダルの方が扱いやすいです。

【変速操作のタイミングを合わせにくい原因】
●スロットルの操作が重い=リターンスプリングが強く、戻り側のケーブルもありフリクションが大きい上、負圧式のため開度や操作速度によって反応速度も一定でなく、スロットルON/OFFの実際のタイミングはデロルトやFCRよりもわずかに遅れると思われる。

●クラッチが乾式かつレバー操作が軽いため、(以前馴染んだ)操作が重い湿式よりも切れるタイミングが早い

●チェンジペダルのレバー比が小さく、ストロークが短い分、ペダル操作に力が必要。ペダル自体も剛性不足でしなりやすい(=操作力が逃げてしまう)。

ペダルを心持ち早めに操作するなどの工夫はしているのですが、路面の凹凸や、交通状況の都合もあり、毎回ピッタリとは合わずギクシャクすることもしばしば。

逆にオープンロードではスロットル操作も大きくメリハリがあり、ペダル操作のタイミングが取りやすく問題になりにくいですが、可能なら若干ストロークを大きくしてでも、ペダル操作力を小さくしたいところです。

とりあえずは現状で即時可能な何らかの工夫で、対策したいと思います。

Posted at 2025/10/02 19:50:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年09月26日 イイね!

DUCATI SSの整備【78】ドゥカティらしい排気音(除電ナット着脱での変化)

DUCATI SSの整備【78】ドゥカティらしい排気音(除電ナット着脱での変化)
本日三本目の投稿(笑) 先の二本もお見逃しなく!

以前の記事で、いろいろなところに静電気除去目的で細工をしていました。
装着後、取り外しての検証を行っていませんでした。



サイレンサー取り付け部のナットを放電ナットに交換してみたところ、
●排気音のトーン(音階)が低くなった
●アイドル時サイレンサー内部で反響しているような硬質な響きになった
●排気音の”ハモリ”が減って、パルス感の強い音になった
●トルク感が増したように感じる
と、当時も書いていました。
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ただ、この取り付けボルト/ナットは、サイレンサー本体とはラバーブッシュで電気的には絶縁されているので、率直に言って除電効果が本当にあるのか?と装着時は半信半疑でした。

他の箇所(吸気系)の除電対策もあるので、現状でこの部分だけの影響を抜き出して特定するのは難しいですが、
数か月間使用した印象としては、

●ドゥカティ以前に愛用したヤマハTX650を思い起こすような、360度クランク(=等間隔燃焼)あるいは単気筒のピッチを細かくしたものに似たような重厚な排気音は、ドゥカティ特有の「高揚感」や「軽快感」に欠ける。

力感はあるが、今一つ吹け上がり初期が重い感じがする(キャブレーション設定の影響もあるかもしれないが)

という点がやはり大いに気になっていました。

擬音で書くと、
●オリジナルの排気音は「ドゥワー」という感じに吹けあがり、「ワー」の部分がハモリにあたる(笑)
回転が上がるにつれ、ビート感を残しつつ連続音(ある知人は「ルルルルル」と表現していた)に移行する。

このハモリこそがドゥカティらしいと筆者は感じるのですが、

●除電ナット装着後は「ドドドドド」と、どこまでも硬質なパルス感が強く、ハモる感じが無い。

というあたりが耳につき、90度Vツインらしからぬ「変な音」でどうにも気に入らず、
いっそ手持ちの集合管にでも換えてみようか?とまで思いつめ始めた(笑)ところ、
ふと思い出し、試験的に除電ナットを通常のもの(フランジ付きロックナット)に戻してみた。
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【除電ナットを排除した結果と考察】
何のことはない、ナット取り外し・交換作業時間はものの数十秒。難易度ゼロ(笑)
あの心地よい「ドゥカティらしい」高揚感のある、ハモリを伴った連続的高周波ビート音が戻ってきました!
これはもう、スロットルを開けるだけで笑いがこみ上げるほど、文句なしに楽しい(笑)

それに伴い、3000rpmあたりからワイドオープン時の吹け上がりに、弱いながら硬質な振動が出ていたのが気にならなくなった。
また、吹け上がりの体感が滑らかになり速くなったようにも感じられるが、ゴリゴリとしたトルク感が減ったようにも思えなくはない。
筆者としては明快にドゥカティらしい排気音/吹け上がりの高揚感・軽快さを選ぶ。
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変化の理由は定かではないが、除電ナット取り付けにより、メーカーが意図した排気干渉による相互効果(吸いだし、あるいは押し戻し)に変調をきたしていたのではないだろうか?

静電気除去あるいは減少が原因だとすると、あるいは排気管内壁境界層付近の流れの変化で、
点火やバルブタイミングに合わせた排気集合(インターチェンジ型クロス)部までの長さや、
管径/流速の設定が合わなくなったのでは?というのが筆者の想像するところ。

現車の場合、排気音から察するに、排気干渉に変化をきたした結果、二気筒独立パイプとはいかないまでも、十字クロス部分の相互効果が出ない状態になっていたように思われる。
要は適材適所、特に理論的裏づけがよくわからないものほど、試した上で適否を判断する、あるいはそれに合わせる調整が必要、ということである。

※筆者は排気管の除電効果を一律に否定するものではなく、車両の状態・仕様あるいはエンジン形式によっては改善効果が出る場合もあるだろうと考えるので、その点は誤解なきよう願います。

Posted at 2025/09/26 20:25:21 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年09月26日 イイね!

DUCATI SSの整備【77】オイルクーラー配管の漏れ修理

DUCATI SSの整備【77】オイルクーラー配管の漏れ修理実際の作業は、つい先ほど投稿の外部オイルラインよりも前ですが、
https://minkara.carview.co.jp/userid/1333960/blog/48667857/
オイルクーラー用の配管取り出し部の漏れも修理しました。
写真は接続を取り外したところ。当該箇所以外は掃除前で全体にまだ砂だらけです。




当方のSSのオリジナル純正部品は、45度テーパー部を突き合わせるANフィッティングになっているようですが、
現車は取り出し部フィッティングごと後年式のSSie用を流用したので、一見AN風ですが、少し変わったフィッティング/ホースエンドになっています。
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ホースエンド差し込み部には緑色の細いOリングが二本使われて、
フィッティングに、右側のリングナットをねじ込んで固定しています。

これだけで漏れが止まらないので、突き合わせになるフィッティング先端部とホースエンドフランジの間に、ブレーキライン用アルミ製クラッシュワッシャーを挟み(寸法が一致)締め付けたところ、漏れは止まりました。

入手時に装着されていたアールズ製のものは、オイルクーラー本体側に接続するホースエンド(アルミ製)が割れてしまったので交換したのですが、
使用中のSSie純正品はスチール製フィッティング/ホースエンドになっていて、見た目は地味(錆も出ている(笑))ながら、破損の心配が少ないのも好ましいです。

前回の外部オイルラインの修理と合わせて、これでほぼオイル漏れはなくなりました。
我ながら現金なもので、以前は「どうせすぐ汚れるから」とオイルが垂れても放置していたくせに、
汚れにくくなると乗車の都度、クランクケース裏側を拭き掃除しています(笑)
そんなことをしつつ、オイル漏れはもうしばらく様子を見たいと思います。

今回は珍しく短文にて失礼(笑)
Posted at 2025/09/26 18:10:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年09月20日 イイね!

DUCATI SSの整備【76】外部オイルライン 漏れ修理

DUCATI SSの整備【76】外部オイルライン 漏れ修理入手時から水平側シリンダー下側のオイル汚れがひどいSS、
とりあえずは”錆止め”と考えることにして後回しにしていたが、
時折排気管に垂れて煙が出ていたほどで、走行中は”味覚”以外の全ての感覚(笑)に強く訴えてくるのは2サイクル並み、MHRあたりまでの歴史的車両群と同様
汚れの激しい箇所から推測し、シリンダーベースかもしれない、と考えると気が重くなってしまう。


前輪が跳ね上げた埃が付着する箇所で、掃除をすることすら億劫になるが、自然治癒することはない。
腹を括り、重い腰を上げ、漏れの箇所を特定すべく、パーツクリーナーを一缶使ってオイル汚れを徹底的に清掃。
案の定、セルモーターの裏側など、オイルにくっついた砂が呆れるほど出てくる。
現行ドゥカティ純正指定、シェルアドバンスウルトラオイルは油膜が強いのか、灯油やパーツクリーナーで拭き取ってもなかなか油分を取り切れない。

埃まみれの油汚れを落として一日放置し、漏れ・にじみの具合を確認する。
漏れが疑われるのは
①クランクケースからシリンダーに繋がる(ヘッド潤滑用)外部オイルライン
②オイルクーラー配管取り出しフィッティング
③左側クランクケースカバーの配線取り出し部グロメット
④シリンダーヘッドのオイルライン加工後のプラグ
⑤水平側シリンダーベースガスケット
⑥セルモーター取り付け部

ここで再度、徹底的に汚れ落としを行い、エンジン始動し油圧を掛け、さらに一日放置。
最終的に疑われるのは①、②、④と思われる。
まずは確実に漏れている、ヘッド潤滑用外部オイルラインのバンジョー/ボルトから着手。
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この部分はオイルポンプ~オイルクーラー~オイルフィルターから直送(クランクシャフトジャーナル行きと分岐の後)されてくる部分で油圧・油量がそれなりに大きいと思われる。
以前から漏れは確認していて、クラッシュワッシャーを銅→アルミに変更していたがまだ漏れている。
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上の写真は、バンジョーボルトを取り外したところ。
姑息ではあるが、バンジョーを挟み込むクラッシュワッシャーの接触面全てに液体パッキンを塗布して組んでみると、量は減少したがまだ漏れている。
念のためとバンジョー部の厚みをマイクロメーターで4ヶ所測定してみると、5/100程度の歪があるので、オイルストーンで1/100程度まで修正して(かしめ部分が干渉して非常に研磨しづらかった)、自信満々、液体パッキンを塗布せず組んでみたが、相変わらず漏れている(油圧を掛けなくても滲みだしてくるほど)。ガッカリ。。。

修正面出し不十分と考え、スペアエンジンのものとオイルラインを付け替えてみたが、まだ漏れている。
バンジョーボルト座面に不具合はなく、残るはシリンダーヘッド側の座面不良が疑われるが、車載状態のまま面出し研磨するのはやりにくいので、ゴムシール付きのクラッシュワッシャー(下の写真中央。左のボルトにもすでに組み込んである)を試してみることにした。
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※下の写真、オイルラインバンジョーボルトは、ブレーキ(ブレンボ)用(左側)と同じ、M10P1.0の細目ねじ規格ではあるが、内部穴の径が段違いに大きいので単純な流用は不可(ヘッドへ供給するオイル量が大幅減少してしまう)。
キャブレター時代の空冷ドゥカティはむやみに「改造してナンボ」的な風潮で、目先のドレスアップ(あるいはボルトの錆対策)として各部をステンレスボルトや色付きアルミボルトに交換されている車両も多いが、強度や構造、目的を考慮されているか怪しいこともあるので、この部分のボルトが変更されている場合は取り外して一度確認しておくことをお勧めします。

ちなみに純正バンジョーボルトは、対辺14mmのフランジなし、ユニクロあるいはクロメートめっきと思われる(黄色くない)仕上げの、頭が平らな六角ボルト。
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上の写真、ゴムシール付きクラッシュワッシャーは0.5mmほど厚みが増すので、バンジョーとの位置関係を確認しているところ。補正の意味でバンジョーボルトの横穴をねじ側に僅かに拡大しておいた。

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組み付け後。この部分の漏れは滲みもなく完全に止まった。
ゴムシールの耐熱温度(確か数百度)に確証がないので、経過観察します。

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同じ構造のブレーキラインにおいて、新品クラッシュワッシャーを使用してバンジョー部分の漏れが止まらなかった経験はなかったので、かなり戸惑った。

ドゥカティの場合、車両価格の割りに純正補修部品がかなり高価なので、中古予備部品があると何かと役に立つ。後継機種のものが流用できる場合もある。

補修用のクラッシュワッシャーやOリング、シム、ねじ/ファスナー類などは、分解した際に採寸しておき、適した汎用品を用意しておくことをお勧めします。
Posted at 2025/09/26 13:52:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記

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「昨年のサンパウロ(ブラジル)GPでは予選3位の角田。進化は順位だけでは測れないが、そろそろ上位進出しても不思議はない気がする。努力が報われてほしい。」
何シテル?   11/07 22:09
灸太郎くん(キュウタロクン)です。 職業・思想・信条・立場など違えど 共通の話題で交流できるのは良いですね。 記述は残ることを意識しています。 ...
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