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新入社員を目指して会社訪問をしていた時の話だ。

　印象深かったので今でも覚えている。

　その会社は、一時期、この一言で世間を騒がせた会社だ。

「お前、腎臓売れや！！腎臓１個３００諭吉や！！！」（多少の違いはご容赦ください。）

　今は会社名を改名してますがね。ノンバンクです。

　集団面接の時のことだ。

　面接官「なぜ我社に入りたい。と思ったのかね。」

Ａ「御社は非常に『社会貢献』もしていて、地域の発展に貢献しているからです。」

Ｂ「私も御社が『社会貢献』に大きく協力している点がすばらしいと思います。」

　この頃の面接対応本で、この『社会貢献』という言葉が流行っていたのだ。連発する学生達。

　面接官は、きっとこの言葉を聞き飽きてたんでしょうねぇ～。

　突っ込んだ質問が入る。

面「じゃあ、君は我社に入って仕事よりも『社会貢献』がしたいのかね？？じゃあ、どんな『社会貢献』がしたいのかね。」

Ａ「・・・・・・・・」

Ｂ「・・・・・・・・」

面「『社会貢献』ってのは、２の次、３の次ですよ。まずは、自分の仕事をしっかりして、自分たち（会社）が儲けることですよ。

　我が社に勤める社員に給料をしっかり払う。これが出来る会社でなければ、『社会貢献』なんてできませんよ。

　明日つぶれるかもしれない会社に『社会貢献』なんて出来ますか？？？

　その給料で社員の家族も生きているんですよ。

　まずは、稼ぐことです。それが一番です。『社会貢献』なんてのは、あとから付いてくるものですよ。

　『社会貢献』がしたけりゃＮＧＯでもＮＰＯにでも入って、ボランティア活動でもしなさい。」

Ａ・Ｂ「・・・・・・・（絶句）・・・・・」

面「まあ、それに、会社が儲けていれば、結果として法人税を納めます。その法人税で自治体がみなさんのために活動してくれればいいんですよ。我が社は稼いで、社員を養って、税を納める。

　これが最高の『社会貢献』だと思いますよ。つぶれる会社は税も払えない訳ですからねぇ～。」

　みなが圧倒された。

　ちょっと強引ではあるが、まさしく正論と思える。

　まあ、その強引さが、前述の事件を産み出す基盤となってしまったのかもしれないが。

　自分は、最終的に、この会社の「内定」を　もらった。入社はしなかったが、この話はいまでも印象に残っている。




　「誰かのために何かをしたい。人のためになりたい。」

　「人のためになれる人になりなさい。」



　これは大事なことだが、やはりそれは自分自身がしっかりしている（生活が安定している、幸せである）という基盤が大事なんだろう。

　そこがしっかりとしていなければ、人のために何かをすることも出来ない。

　まずは、自分の基盤をしっかりと作ろう。


　この時以来、そう思っている。


　社会的な事件を起こした会社ではあるが、このことは学ばせてもらった。