
BMWを見学後、ネッツに向かう。
新型ヴィッツを見に行こうと思ったからだ。
まあ、直接のライバルにはなりえないだろうが、『国産コンパクトクラスの雄』の仕上がりを見ておく必要もあるだろうと思ったからだ。
ちなみに、先代のヴィッツはデザインが秀逸だな。と思っていた程度で、ハンドルは友人のを借りて30分運転した程度なので、正直あまり印象にない。
ネッツショールームに向かう。
駐車場に入るとセールスが出てきた。
(おっ、トヨタもなかなかやる!?)
車を降りた。
T「点検ですか。」
ス「いや、ヴィッツを見せてもらおうと思いまして。」
(あ~、新しいレガシィに乗ってきた時点で、『客』じゃない。って思ったか??ちょっとBMWと差が出たかなぁ~。)
早速、実車を見る。
というか、
その前にプライスボードを見てなぜか安心感を覚えるスピードマスター。
(あっ、そう言えば、BMWのショールームには、プライスボード無かったなぁ~。お気に召しましたら お買い求めください。って事やろか??)
『1シリーズ』の後に『ヴィッツ』を見るとヴィッツが非常にコンパクトに見える。
実際、全長が50cmほど短く(『1』4,240mm 『ヴ』3,750mm)、全幅も、5.5cmほど小さいからだろうか。(『1』1,750mm 『ヴ』1,695mm)
運転席に乗り込む。
数値以上に横幅が小さくなったように感じる。ダッシュボードから繋がったようなドア部分のデザインから来る印象だろうか。
内装の景色は、基本的には先代ヴィッツを踏襲した感じである。
質感は、高級感を出そうと頑張っている感じはわかるが、逆に、その頑張り感が伝わり過ぎる。とうとおわかりいただけるだろうか。
カタログ上で見れば、BMWと比べても遜色ない。
と言ってもいいくらいなのだが、実際に触ると、やはり値段は隠せない。ステアリングであり、ダッシュの素材感であり、扉の開閉感などがそうだ。
まあ、価格が半分以下であることを考えれば当然の結果とも言えるが、もうちょっと頑張って欲しい気がする。(イストはドア開閉音などの質感が高かった記憶があるが。)
こちらでも、先ほどBMWで行ったように、自分のドライビングポジションに合わせて後席に移る。
広い。広いぞ!!!!(驚)
阿波踊りが踊れる(嘘)
こぶし1個分弱の空間がある。全長では短くなったはずなのに、居住空間は広い。これは驚きだ。
荷室を確認する。
狭い。狭いぞ!!!
ちょっとした買い物でも一杯になってしまいそうである。
まあ、全長の多くを居住空間に割いているのだから、当然の結果ではあるのだが。
試乗する。(1.3L)
発進~60km程度では、走行性能にはまったく問題無い。流れに乗れることは当然だが、十分にリードすることも出来る。レガシィから乗り換えても排気量の小ささ、馬力の小ささを感じることはない。CVTの絶妙なセッティングのおかげか。
ただし、全域において、エンジン音(排気音ではなくエンジン音)は大きい。うなり音、機械音は大きい。
全開加速時は、隣と話す声を多少大きくしなくてはならないかもしれない。と思うほどである。もうちょっと遮音性を高めてもらいたい。というのが正直なところである。
走りの質。自体は好みの方向であった。
適度に引き締められた足は、段差を越えると、多少ショックを伝えるがすぐに収縮し、いつまでもフワフワとはしないというセッティングであり、好感が持てる。方向性はレガシィとも近く感じる。
少々高めの速度で、いつもレガシィで曲がっている交差点に入ってみる。
気持ち良くオンザレール。
アクセル入れてもアンダー出ない。
ロール量も極めて少ない。
レガシィから乗り換えても不安感を感じない。違和感もない。むしろ、軽量(レガシィと比べて400kg)、ショートホイールベースの恩恵で多少曲がりやすいか??と思うくらいでもある。
エンジン音の遮音対策さえ進めば長距離も結構苦にならないかもしれない。
新型は、写真・雑誌等で見た限りにおいては、旧ヴィッツの方がいいかもしれない。と思っていたのだが、
『乗ると』いい。
という部類だ。
限られた市中での試乗で多くは語れないが走りの面は、なかなかいいように思う。
比較的ニュートラルステアでもあったし、一時期のトヨタステアとは変わってきているのかもしれない。
こうやって、今回はまったく価格帯の異なる2台。しかし、サイズ的には似たジャンルの『1シリーズ』と『ヴィッツ』を比べて感じたことがある。
やはり、日本の車は、それがどんな車であれ(ミニバンであれ、セダンであれ、コンパクトであれ)
『それ1台ですべてがまかなえる』
オールマイティーさを求められている。ということだ。
実際に、どのくらいの人が4人乗車で使うのかはわからないが、『ヴィッツ』は しっかりと大人4人が乗れるように作られていた。
長時間のって疲れなないかどうかは別として、『ヴィッツ』は4人乗れて、ファーストカーとしての役割をしっかりと果たせるように考えられている。
対する『1シリーズ』は、正直大人4人で乗るのは辛い。
乗れなくはないが、エマージェンシー的であり、基本的には2シーターと考えた方がいい。(と個人的には思う。)
しかしながら、前席の居住性に関しては、『ヴィッツ』の追随を許さないし、レガシィも負けるかも(?)と思うほどの出来の良さであり、さすがBMWと思わせる。
つまり、
荷室は十分すぎるほどにあるから、『1シリーズ』は、1人ないし、2人で荷物を積み込み、長距離を移動する、バカンスに向かうというような限定的な使い方に向いている(想定されている?)のではないだろうか??←やはり欧州的な使用法?
ある意味、割り切ることによって、一部分を特化させ、良さを伸ばしている感じがするのだ。成熟した自動車市場・社会環境・生活環境がそうさせるのだろうか。
『ヴィッツ』の居住性の高さも、もちろん誇るべき技術の結晶であると思うが、「全車種ファーストカー思考」みたいな部分というのは、そろそろ脱却してもいいんじゃないか??とそんな気がした1日でしたね。
いろんな用途を想定した面白い車がもっと出てきてもいいんじゃないかな。
そういう意味で言えば、スバルの『R1』はBMW的な思考で、今の日本の自動車社会に一石を投じたような形になるんだろうと思うし、スバルのそういった考え・プレミアム思考には共感を覚える。
ただ、その『スバルイズム(仮称)』『スバルプレミアム(さらに仮称)』が、ユーザに定着するには、まだ遠いと思う。
社員のプレミアム性を高めるような社員教育もかなり重要ですよ。現時点での社員の質はBMWには遠く及ばない。(同じ日本人なのだが)
今日、2つのDラーを回ることによって特にそう思いましたね。
『プレミアムブランド』の壁はまだ厚い。
いろいろと感じられた楽しい1日でしたよ。
今度はBMW試乗にTRYしたいですね♪