
この記事は、
日産、シルフィをフルモデルチェンジについて書いています。
日産自動車のブルーバード シルフィがフルモデルチェンジ。歴史あるブルーバードの名前をついに捨てることになり、53年間続いたブルーバードという名前は消滅することになってしまった。
新型シルフィのトピックはボディ拡大による移住性の向上と新型エンジンの投入。先代のモダンリビングコンセプトを引くつぐ高品質な内装や後席の移住性を重視したコンセプトはそのままに、弟分に当たる2代目ラティオとの差別化を図るべく大型化する形となった。
ボディサイズは全長4615mm×全幅1760mm×全高1495mmとなり、先代と比較して全高が15mm低く、全幅は65mm拡大された。ついに5ナンバーサイズを維持することをやめ、プレミオやアリオンといったライバル車よりも大柄な寸法に。ただ、近年ではCセグメントセダンの3ナンバー化が顕著なだけに、一つの特徴でもあったコンパクトゆえの乗りやすさはスポイルされてしまった感が否めない。
拡大された全幅は主に後席の移住性に貢献しているらしく、後席ショルダールームは先代と比べて30mm拡大され、シート形状もフラットに変更した事によって3名乗車時の快適性が向上。先代は前席のポジションを詰めることでフーガを上回るニースペースを確保していたが、今回のモデルチェンジによって横方向のスペース確保に成功。まさしくクラスを超えた移住性となっている。初代シルフィは最終型サニーベースのためかなり後席が狭かったので、これはかなり大きい進化。
2つ目のトピック、新型の1.8リッターエンジンMRA8DEの搭載。新型と言っても既存のMR型エンジンをベースにしたもので、MR18DEの排気量はそのままにショートボア、ロングストローク化されている。先代は1.5と2.0リッターエンジンの二種類が選べたが、今回は1.8リッターのみの設定。全車に副変速機付きエクストロニックCVTが採用され、燃費記録は15.6km/Lを達成する。

新型

旧型
先代は女性ユーザーを意識していたこともあって、ラウンドしたデザインだったけれど、今回は比較的スポーティな印象。北米で近々発売されるアルティマをそのまま小さくしたデザインでキリッとした感じだ。ウエストラインも先代は後ろに向けてアーチ状に上がっていくだけだったのに対して、新型はミラー周りをくびれさせたことで、ややコークボトルラインのような色っぽいデザインに。
車高が下がり、ワイドになったことでセダンらしいスタイルになったが、個人的にはサイドからのプロポーションに違和感あり。Aピラーが下っていった先が前輪中央ではないことに対する不安感。
フロントのオーバーハングは比較的長いのに対し、キャビンが前進し過ぎていてノーズ自体は短い。後席の移住性を確保するために前席を前に詰めつつ、オーバーハングを伸ばすことでクラッシャブルゾーンを確保した結果のように思える。

北米未発売のアルティマ
内装もなかなか落ち着いた印象で、女性や年配の方にもウケがよさそう。先代は弟分のラティオ セダンと兄弟車関係(プラットフォームが同じというだけで、ホイールベース等は異なる)だったけれど、今回もそうなのだろうか。ビジネスライクになってしまったラティオと比べて、こちらの内装は豪華なままで安心。
それにしても、ついにシルフィがブルーバードの名前を捨ててしまうとは。初代シルフィはサニーをベースに内外装を高級化し、排ガス性能優れたエンジンを搭載した、やや年配向けの車。サブネーム付きでデビューしたときは通常のブルーバードも併売されていたし、シルフィとブルーバードは別々にモデルチェンジしていくのかと思ったけれど、ブルーバードはすぐに廃止され、シルフィオンリーに。
初代デビュー当時のリアバッチの車名は「ブルーバード」より「シルフィ」の文字のほうが大きかったけれど、ビッグマイナーチェンジをするたびに「ブルーバード」の文字が大型化。最終型になる頃には大小感が逆転していた。2代目となる先代がデビューした時もブルーバードが消滅するのではないかと噂されていたものの、見事に死亡フラグを回避。もう消滅しないだろうと思っていた矢先に、今回のモデルチェンジで無くなってしまった。
ついにブルーバードというビッグネームを捨て、シルフィとして再出発することになったシルフィ。今までのSSSのようなスポーティさや、男性的でボクシーなスタイルはもう無い。ブルーバードと決別したことで3ナンバーサイズに突入し、より女性ユーザーを意識した進化を遂げていくことになりそうだ。
Posted at 2012/12/06 01:30:10 | |
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ニューモデルレポート | クルマ