
ストレス溜まるとウンチクが書きたくなるシリーズ・・・シリーズになるかはわかりませんがウンチク書きます。
パーツウンチク第一弾は
ストラットタワーバーについて。
まずストラットタワーバーとはマクファーソンだのチャップマンなど種類はいくつかありますがストラット式サスペンション頭部分の左右を繋ぐ棒です。
サスを塔に喩えて塔同士を繋ぐ棒なのでタワーバーと言う事ですね。
頭の部分、上部だからタワーと言う解釈も有る様です。
ストラット式サスペンションに対してのタワーバーの効果については割愛します、ロードスターはストラット式じゃ無いのでね、知りたければ知りたい人が自分で調べましょう。
我らがロードスターにも沢山の種類のタワーバーが発売されています。
厳密に言えばロードスターのサスペンションはダブルウィッシュボーン式なのでストラットタワーバーと言う言い方は変なのですが・・・まあアッパーマウントの所を補強する棒と言う意味では同じなのでストラットタワーバーと言う呼び方でも良い様な気もしなくは有りませんが・・・個人的には否定的です。
で、ロードスターで効果は有るのか?と言うと賛否両論有りますが・・・私は効果有り派です。
ストラット式のサスペンションと同じ効果とは言いませんけど、単純なボディ補強のブレースバーとしてそこそこ優秀と言う捉え方をしています。
話は少し飛んで、一昔前は車の形別にワンボックス、ツーボックス、スリーボックスとか言う言い方が有りました。
これは車を箱として捉えた時に何個の箱で構成された形かを言い表した呼び方です。
ボンネットが無い、または殆ど無いバンなどをワンボックス。
ハッチバック車はツーボックス。
主にセダンの事をスリーボックス。
などと言ってました。
正確に言うと
エンジンと乗用座席、荷室が1つのスペースに収まっている車をワンボックス。
エンジンルームが独立して有り、乗用座席と荷室が一体となっている車をツーボックス。
エンジンルーム、乗用座席、荷室がそれぞれ独立している車をスリーボックス。
と言うのが正確な表現です。
我らがロードスターはどうかと言うと、
エンジンルームは独立してます。
乗用座席も独立してます。
荷室はトランクですね、勿論独立してます。
つまりロードスターはスリーボックスの車となる訳です。
タワーバーに話を戻します。
ダブルウィッシュボーン式サスペンションのロードスターにとってコーナーリング時の加わる応力、慣性は足回り、アッパーアームやロアアーム、サスペンションメンバーが受け止めてくれています。
なんと言ってもそれがダブルウィッシュボーン式サスペンション一番の売りですから。
加速や減速、コーナーリングなどでタイヤから応力がかかってもサスペンション部がしっかりと受け止める事によりタイヤとボディの位置関係が変わらないこと、要はどの様な走行シーンでもアライメントの変化が凄く少ない事が最大の売りな訳です。
ではやっぱりダブルウィッシュボーン式サスペンションのロードスターにタワーバーは効果が無い・・・かと言うとそうでも無くて、しっかりと効果は有ります。
先程の車の形で何ボックスと言う話に戻りますがロードスターは3つの箱で構成されています。
そのうちの1つフロントの箱、要はエンジンルームですが、この箱は例えると
こんな感じに蓋が開いてしまっている箱な訳です。
エンジンや補機類を全て外したエンジンルームって見た事有りますか?
まさに蓋と底が抜けた箱です。
こんな作りでは加わった応力によって
こんな感じに簡単に変形してしまう訳です、抑える蓋も底も有りませんからね。
厳密には違うのですが、と前置きをしておいて(汗
タワーバーを装着すると感覚的にですが、箱は
こんな感じに線で補強される訳です。
これで応力が加わっても変形し難くなる訳です。
タワーバーの中には三角形でバルクヘッドとも繋ぐ物が売られていますが、コレも勿論効果が有りまして感覚的には箱が
こんな感じに線では無く面で補強される事になる訳です。
・・・やっぱり厳密には違うんですけど、感覚的にはこんな感じの効果な訳です。
さらに某ショップから販売されているエクセレントなタワーバーは言ってみれば
こんな感じな訳です。
効果が有るのは当たり前ですね、こんだけ固めればね(汗
で、相乗効果が見込めるパーツとしてロアアームバーが有ります。
タワーバーとロアアームバーを一緒に取り付ける事で感覚的には
こんな感じになります。
蓋と底が抜けて筒みたいになっていたエンジンルームに蓋と底が作られてしっかりとした箱になる訳です。
一本棒のタワーバーだけだと効果はイマイチですがロアアームバーと組み合わせる事でしっかりとした効果が期待できる訳です。
ただですね、上も下も面では無く線の補強にした場合なのですが効果がわかり難いのが難点の補強でも有ります。
面の補強だと上だけ、もしくは下だけでも効果ははっきりとわかります。
線の補強では撓み(たわみ)に対して強くなります、対して面の補強は撓みと捻れ両方に対して強くなります。
一概に面の補強の方が効果が高いとは言い切れません、アルミの面補強より鉄の線補強の方が効果が高い物も多く有ります。
ただ線の補強と面の補強では「効果の大きさの差」と言うより「効果の種類」が増えるので面補強の方が体感出来る人が多い訳です。
この辺が「剛性」と「剛性感」の違いと言える訳です、「剛性」は感覚として感じる事は出来ませんが「剛性感」は感じる事が出来ます。
「剛性」は数値、「剛性感」は感覚ですからね。
なので鉄の線補強の方が「剛性」は高いのにアルミの面補強の方が「剛性感」が高いのでアルミの面補強パーツの方が高性能に感じてしまう訳です。
とまあ話がまたズレそうになったので辞めますが、そんなこんなの一本棒のストラットタワーバー、効果は確かに有るのにわかり難いから不遇な扱いをされている可哀想な補強パーツ。
ストラットタワーバーと呼んでサスペンションの一部として見るのでは無くエンジンルーム補強バーとして見てあげて下さい。
NAでは鉄製のごっつい物が採用されているくらい効果の有るパーツです。
三角形と違い外さなくてもプラグ交換出来ます。
そんな邪魔にならない一本棒のストラットタワーバー、もう一度見直してみては如何でしょう。
私はオススメの一品です。