実験：腐ったｶﾞｿﾘﾝのその後の報告　（Ｖｏｌｖｏ）

964の古いｶﾞｿﾘﾝの処分方法について、結局引取ってくれる奇特な御仁も現れず（当たり前か）、下水に流せとか、廃油と一緒に捨てるとか、いずれも納得できる解決法ではなかったので廃車も視野に入れたＶ４０の腹に収め、走行して燃やしてしまう案に落ち着いた。噂に聴く古いｶﾞｿﾘﾝによるｴﾝｼﾞﾝの不調を実証検分するのが目的である。

77Ｌﾀﾝｸからほぼ67Ｌを抜き取り（補助ﾀﾝｸ10Ｌ分はﾀﾝｸの下からしか抜けない為）3回に分けてＶ４０の腹に収めたのが先月。

その後どのような変化があったかを報告する。

最初はコワゴワ、ｶﾞﾚｰｼﾞの近所のちょい乗りだけだった事もあり、全く異常なし。
100kmほど走行後、燃料ﾎﾟﾝﾌﾟがｼﾞｰっと唸るようになった。
それでも普通におとなしく走行する分には異常なく、3500rpm以上廻すとﾌﾞｽﾌﾞｽつっかえるような感じで回転が上がらない現象が現れたのはその後。それでも2500は廻せるので走行に支障はなく、埼玉と都心の往復も無事こなしてくれた。
ｲﾝｼﾞｪｸﾀｰにｺﾞﾐが詰まったような症状なので一度、１速で思い切り廻したのだが、待っていてようやく5000になる程度。結果、4500くらいは廻るようになったものの、ﾎﾟﾝﾌﾟがｷｰﾝという悲鳴を上げるようになったのでおとなしく走るようにしていた。不思議な事に、一度ｴﾝｼﾞﾝを止めると、再始動後はﾎﾟﾝﾌﾟが唸る程度になり、80km/hは楽に出せたので特段支障はなかった。ここでようやく期待のF-1を投入。果たして調子が戻るか？

11日、ｼﾄﾛｴﾝ仲間のBXがATポン。ｵｰﾅｰは自力で何でもやる人で武闘派として知られた御仁。
非常事態なのでV40 を貸し出す事に。事情は説くと理解して貰い、Wako'sのFuel-Oneを投入した実験中である事、保険にきちんと加入している事を確認の上、無償供与。敢えてｶﾞｿﾘﾝはｷﾞﾘｷﾞﾘまで入れないで欲しい、と要望。彼の自宅までは何事もなく走行できた。

15日、次期FX、ポロが納車となり（これでまたﾊｲﾄﾞﾛ信者が居なくなったのは寂しい）V40を返却する為東北道を走行していた彼から電話。
『路側帯を20km位でしか走れない。ｴﾝｼﾞﾝ廻らないから次のICで降りる』、と。
燃料は約12L残でｴﾝｼﾞﾝを一旦止めて、すぐ再始動すると暫くは何事もなく走行できるが、ｱｸｾﾙを踏み込むと詰まってしまう感じで廻らなくなる。ﾎﾟﾝﾌﾟも音は出ているが、悲鳴というほどではない。

１時間ほどﾋﾔﾋﾔ状態が続いたものの、GSでﾊｲｵｸ18L給油した途端、元に戻り無事埼玉のｶﾞﾚｰｼﾞに帰還。

＜総括＞
燃料ﾌｨﾙﾀｰ内がｶﾞﾑ質によって詰まり、容量不足になるものと推察される。程度にもよるが、早期の新品ｶﾞｿﾘﾝの投入でﾃﾞｨｰﾗｰのお世話になるような大手術は避けられるので、怪しいと思ったらF-1を投入して一気に古いｶﾞｽを使いきってしまうのが良いようだ。

ﾎﾟﾝﾌﾟが一生懸命にｶﾞｽを送り込もうとしてもその先（ﾌｨﾙﾀｰ？）が詰まっている為、ｴﾝｼﾞﾝが必要とする分量のｶﾞｽが来ない。結果、ｴﾝｼﾞﾝがﾌﾞｽﾌﾞｽいって廻らなくなる。一旦ｴﾝｼﾞﾝを止めると内部のｶﾞﾑ質が溶ける？のか再始動はむしろ調子良い。（何か他の要因があるのか実は不明。ｲﾝｼﾞｪｸﾀｰの部分詰まりも考えられる）
2500ｒｐｍ程度までは特段何も兆候はなく普通に走れるが、全開加速はその回転以下でもやや悪い印象である。
その他、臭いに敏感な人は排気が腐ったｶﾞｽ特有の臭いであると言ってたが、殆どの人は判らない程度。

あまりお奨めできる実験ではないが、何かの参考になれば幸いである。