10月5日に、奥日光に行ってきました。
中禅寺湖です。
今まで何度も訪れております。
今回中禅寺湖に来た訳は、ヒメマスの遡上が見たかったからです。
例年、9月中旬から10月初旬にかけてヒメマスの産卵のための遡上が見られるようです。
シーズン的にはギリギリのタイミングです。
ヒメマスは、ベニザケと同じ魚です。
サケ科の魚の一部には、同じ種類の魚でも、「降海型(海に出て大きくなって帰ってくるもの)」と「河川残留型(海に下らずに一生を河川や湖沼で過ごすもの)」がいます。
降海型と河川残留型では、大人になると「別種の魚ではないか?」と思うくらい姿や大きさが変わるものが多いです。
「ベニザケ(降海型)とヒメマス(残留型)」、「サクラマス(降海型)とヤマメ(残留型)」、「サツキマス(降海型)とアマゴ(残留型)」等が有名です。
なぜか、オスよりもメスの方が海に降ることが多いです。
もともと同じ種類の魚なので、降海型と河川残留型をペアにしても問題なく純血種の子孫が生まれます。
自然でも、大人になって海から戻ってきた50~60cmくらいのサクラマスのメスに河川に残った20~30cmくらいのヤマメのオスが群がる光景がよく見られます。
孵化した魚は、ある程度育つと、一部の個体が銀毛(ぎんけ、スモルト)という変化をします。
銀毛化すると、体色が銀色を帯びて、体内の組織も海水に適応できるように変わり、成長も早くなります。
銀毛化したものが全て海に降るわけではなく、海の代りに湖沼に降るものもいます。
湖沼に降ると、降海型に近い大きさと外観になることが多いです。
銀毛化した後に湖沼に降った個体を疑似降海型と呼ぶこともあります。
大人になった時の外観の違いは、銀毛化するかどうかによって決まるようです。
ヒメマスは、銀毛化した後に湖沼に降って育つので、わりと大型になります。
ヒメマスの産卵期には、ベニザケの産卵期と同様に体色が真っ赤に色づき、オスは体形も大きく変わります。
口先が曲がり「鼻まがり」と呼ばれ、背中も盛り上がり「せっぱり」と呼ばれます。
メスは体色以外には大きな変化はないようです。
ちなみに、よくスーパーで「トラウトサーモン」とか「サーモントラウト」なんて商品名で売られている物は、ニジマスを海洋で養殖したものです。
切り身を見ただけでは、素人にはサケと区別がつきません。
味もそっくりらしいです。
ニジマスにも残留型と降海型があります。
残留型を「ニジマス」と呼ぶのが一般的です。
降海型は「スチールヘッド」と言います。
現在では、人工的に銀毛化を促す技術が確立されたので、簡単にニジマスを海で育てることが可能になりました。
「サーモントラウト」は、スチールヘッドもどきを人工的に作ったものなのです。
ちなみに寿司屋で「サーモンの握り」として出されている物は、ほとんどがニジマスらしいです。
他にもサケ茶漬けやサケフレークとして売られている物もニジマスが使われていることが多いそうです。
現在の日本の法律では、ニジマスを「サケ」として出しても問題ないようです。
菖蒲ヶ浜キャンプ場脇の川です。
遡上が始まると、婚姻色に変わったヒメマスの群れで川が赤く染まるそうです。
キャンプ場の管理事務所に問い合わせてみたところ、「今年は全然上ってきていなくて、いても1~2匹だよ」とのこと。
今年は、湖でのヒメマス漁自体も不漁とのことでした。
何年に一度かのサイクルで、こういう年もあるそうです。
管理事務所の許可を得て、少しの間川を撮影させてもらいました。
やはりヒメマスの群れは見えません。
橋の上から川を覗き込んで「さっき赤い大きな魚が上って行ったよ」と父親らしき人に話しているお子様がいました。
群れで来ていなくても、時折り遡上する個体はあるようです。
目的のヒメマスかどうかはわからないけど、サケ科の魚らしき姿を遂に発見。
ちょっとボケ気味だけど、写真の中央部に撮ることができました。
赤く見えないので、ヒメマスではないかもしれません。
40~50cmはあったと思います。
あっという間に上って行ってしまいました。
その後は、魚影を見つけられませんでした。
なかなか頻繁には来ることができませんので、また来年に期待です。
中禅寺湖の更に奥に位置する湯ノ湖です。
こちらもサケ科の魚が何種類も生息しております。
湯ノ湖から見た男体山。
湯ノ湖に流れ込む湯川。
ヒメマスに限らず、サケ科の魚が産卵のために遡上していないかと探してみます。
川を少し上った所でサケ科の魚を発見。
中禅寺湖の菖蒲ヶ浜の川で見た魚より小ぶりです。
黒い斑点とパーマークがあるように見えます。
ヤマメでしょうか?
婚姻色に変化しているようで、赤みがかっています。
喧嘩することなく、仲良く泳いでいるように見えます。
オスとメスなのかもしれません。
ずっと見ていたら、もしかしたら産卵行動が見られたかもしれませんが、次の日は仕事なので諦めました。
奥日光に来たついでに、まだ行っていないハイドラのチェックポイントを取っておこうと思い山道を抜けて川俣ダムに行きました。
途中で道に猿が10匹くらい座っている所があって、ビクビクしながら通りました。
熊よりはマシですが(^_^;)
ここもサケ科の魚がたくさん生息しているそうです。
いつか釣りに来てみたいと思いました。
ダム湖脇の駐車場にて。
暗くなってきたので、帰路に着きました。
Posted at 2019/10/08 00:16:19 | |
トラックバック(0) |
ドライブ | 日記