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quadrifogliospaの愛車 [アプリリア RS250]

整備手帳

作業日:2013年4月14日

TM34SS オーバーホール

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

中級

作業時間 12時間以内
1
4117km

前回までの整備で不調の原因を探るべく取り外していたキャブレターには

右キャブのスタータープランジャーガイドが破損しておりワイヤーを固定できない。
・燃料ホースがタイラップで留められていて機密性が損なわれている。
・左キャブのフロートに損傷が認められる。

といった問題がありました。

その後折れ残った樹脂パーツも無事摘出し、キャブを分解洗浄することが出来ました。
2
現状を確認すると

識別ID: R
MJ:#280
MAJ:#1.5
JN:6GH8-55
NJ:O-8
PJ:#27.5
PAJ:#1.1
PWJ1:#3.5
PWJ2:未確認

スタータープランジャー受けが折れている
NVに少し段が付き始めている


識別ID:23D4 L T5X2
MJ:#270
MAJ:#1.5
JN:6GH8-55-3
NJ:O-8
PJ:#27.5
PAJ:#1.1
PWJ1:#55
PWJ2:未確認

NVに少し段が付き始めている
フロートの片側の角一箇所が削れてガソリンを吸っている
背面上部に打撃痕


といったところ。

右キャブの識別IDが殆ど掠れており辛うじてRの文字が判別できる程度でしたがジェット類がアプリリアRS250のものと一致することから、ペアと断定してもよいかもしれません。

左キャブ背面の打撃痕が気になります。

とりあえずフロートのドナーとなるTM34SSキャブレターをネットオークションで落札しました。
3
ドナー候補のTM34SSは前期型から取り外したものとのことでしたが、出品時の写真ではいかにも程度が悪く、本当に部品取りにしか使えなさそうでしたが、届いてみるとボディーの状態はそこそこ綺麗でした。

ただし細かく見ていくと、ワイヤーやホース類が付属してきた理由が分かります。

キャブの殆どのネジ山がナメた形跡があり、そのためキャブを分解することが出来ないか、コストがかかると判断されてそのまま付いてきたようです。

純正ではないネジに換えられていた箇所もあった事から、ネットオークション出品者が解体の際に壊した訳ではなさそうです。

ダメ元でインパクトドライバーで叩いてみると、幸いな事に全てのネジを取り外すことが出来ました。

キャブを分解してみると中のネジもナメており、閉口しました。
4
プラスネジはナメやすいので新品装着のものが経年で固着したならまだ分かりますが、その後交換したネジもナメた、しかも締める方向にもナメたとなると、

工具が適切でなかった。
作業が不味かった。

のどちらか、或いは両方でしょう。

素人こそ良い工具を、という事ですが、プラスネジをナメないように解除するにはドライバーをまっすぐ押し付ける力:8、回す力:2くらいの気持ちでしっかり保持しながらやるとナメにくいようです。

交換したネジもナメたとなると、おそらくこの作業者はトルク管理ができていなかったと推測できます。

こうなると仮絞めしないでいきなり一本ずつ本締めしていったのではないかとすら思えてきます。

すると締め付けが不均一になりガソリンが漏れるようになります。
そのため鬼のように増し締めして漏れは止まりますが、次に開けようとする時に硬くてナメてしまいます。

結局、交換したネジもナメていたのでこの推測に近いことがこのキャブに起こったと思われます。

識別ID:23D4 R T626
MJ:#310
MAJ:#1.1
JN:6FLD86/56
NJ:O-8
PJ:#30
PAJ:#0.7
PWJ1#:35
PWJ2:未確認

スライドバルブが磨耗し始めている
PWJバイパス配管が裂けている
NVに少し段が付き始めている
NJホルダーのOリングがヘタっているorサイズが合っておらず緩い
チョークバルブが傷だらけ
比較的新しいエアスクリューワイヤーが取り付けられている。
ソレノイド用配管が折れている
フロート室底にニカワ状堆積物
フロート室Oリングに液体ガスケット使用の跡
フロート室外に小さな打撃痕

識別ID:23D4 L T626
MJ:#340
MAJ:#1.1
JN:6FLD86/56
NJ:O-8
PJ:#30
PAJ:#0.6
PWJ1:#55
PWJ2:未確認

スライドバルブが磨耗し始めている
NVに少し段が付き始めている
NJホルダーのOリングがヘタっているorサイズが合っておらず緩い
チョークバルブが傷だらけ
チョークスプリングがねじれている
フロート室底にニカワ状堆積物
フロート室Oリングに液体ガスケット使用の跡


ボディーの刻印はRS250のもののようですが、ジェット類はかなり弄られています。
通常、右バンクのMJが熱量の問題から大きくなっていますが左のものがかなり大きな番手が入っています。
レース仕様やボアアップされたものの可能性を考えてみても解せません。

ひょっとしたら左右逆に取り付けられていたのかもしれません。

それなら右キャブにエアスクリュー調整用ワイヤーが増設されていたのも納得です。

しかし、大半のジェットがいじってあったのとは対照的にナメたネジをそのまま再使用していたり裂けたホースをテープで巻いただけだったり、ソレノイドの一本が折れて外れたままだったり、取り替えられた燃料ホースがホースバンドで留められた形跡がなく単に配管にぶっ挿しただけだったりと、このキャブが付いていた車輌は設計性能は出て居なかった事でしょう。

あるいは弄ったオーナーと次に所有したオーナーが居て、そちらが手に負えず放置、そのまま解体業者に売却されたのかもしれません。

フロート室の底に残った残留物からそんな感じがします。

これも分解した後洗浄します。
5
所有車輌から取り外したキャブ、ネットオークションで解体業者から購入したキャブそれぞれ問題がありますので結局ボディーとフロートはドナー、ジェットは車輌側のものを組み合わせて状態が良いペアを作る事にします。
6
ただしメインジェットは社外チャンバーを入れている事を勘案して純正から2番手づず上げることにします。

これでメインジェットは#270,#280,#290,#300,#310,そして#340が揃ったのでようやくセッティングらしいことが始められそうです。

ちなみにAprilia Workshop manual 919によると

I.D.Number:23D4
Idle rpm:1,300+-150rpm
Fuel level:7.1+-0.5mm
Float height:8+-1.0mm
MJ:L:#270/R:#280
JN:6GH8-55-3
NJ:O-8(catalysed:O-9)
Cut away:1.5mm
PJ:#27.5(catalysed:#20)
By pass:0.6mm
Pilot outlet:0.6mm
Valve seat:2.5mm
Starter jet:#45
Power jet1:L:#55/R:#35
Power jet2:0.7mm
Throttle cable play 0.5-1mm

となっています。
用語が日本語と違うので困ってしまうのですが、なんとなく推測できます。
ガンマ系の情報サイトのTM34SSの情報とはちょっと違っているようです。

どちらが正しいか、或いはどちらも正しいのかもしれませんが、純正と思われる番手とアプリリアのワークショップマニュアルの記述は一致しているように思えます。
7
車輌に組み付ける現状のベストペアといろいろ残念なペアが出来ました。

フラットスライドバルブのキャブは、これまでRS250は譲渡した'96チェスターとこの'95元シルバーを通算すると10年は所有していますが、本格的に弄るのは初めてで、ソレノイドだとかが実際にどう抑制して過渡特性にどういった影響があるのか、或いはセッティングなども全く分かりませんが、少なくともこの四基をなんども組み立てたので構造は多少は把握しました。

しかも2ペアあるので車輌に組みつけても分解して構造を調べることもできるようになりました。

PWJ2のジェットはバイパスの配管に埋め込まれているそうですが、手持ちの工具では取り出すことが出来ず、確認できていませんが、わざわざここを換えるオーナーも少ないと思われます。

息を吹き込んでも素通しではなく、少なくともPAJより抵抗を感じますので純正のものがそのまま使われていると推測しています。
8
最大の問題だったソレノイドの折れた配管はパイプが付属のソレノイド系ホースの中に折れ残っていたので摘出して接着しました。

ただし、普通の接着剤では絶対もげてしまうので金属系のエポキシ樹脂を盛って補強しました。

もしこれでも折れてしまうようなら、金属パイプを埋め込むしかないでしょう。

フロートレベルを合わせたら、実車に取り付けて油面調整をします。

車輌の前後をスタンドで持ち上げ水平を確保したら燃料系の配管をセットして燃料タンクからガソリンを供給して、ドレンのホースを透明なものに換えてドレンプラグを緩め、キャブボディの油面基準点と照合します。

この作業をなんどか繰り返してある程度は基準に近いところまで持って行きましたが、規定値に収めることはできませんでした。

まぁオーバーフローしなければ機能してくれると思います。

この日はここで日没が近づいてきたので作業終了となりました。

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