
ローカル線とは言いましても電車は快適、着いた駅も一昔前の新横浜の篠原口より確実に立派な感じでした。
「六日町をご存知ですか?」
「詳しくは知りません。ただ、お米の町、塩沢ともうひとつありましたよね、このあたりが米の特A地区ということくらいは、、、」
「もう一つは浦佐ですね。今は南魚沼市に合併されました。南魚沼産というとこのあたりのものは皆そうなりますが、それぞれの地域での差別化に、魚沼産塩沢コシヒカリなんていうパッケージもあるんです」
「魚沼産コシヒカリはコシヒカリの中でもブランド力が違う、近年、石川県や福井県が特Aを外れても魚沼産は20年以上不動の特Aですね。自分は農家の方達の努力は勿論ですが、立地や気候の条件がコシヒカリに適している地域のようにも思います。」
「よくご存知ですね、コシヒカリと言っても地域によって評価や評判は様々です。ひっそりさんが言うようにお米にとって気候は重要なファクターです。かつては人気を分けたササニシキを見かけなくなったのは何故だかわかりますか?」
「お米を育てるのも、お米を終わらせるのも天候、93年でしたっけ、ササニシキショックから減りましたよね?農家の人々がササニシキにリスクを感じ扱いにくくなった。確か冷害に強い種に一斉にシフトしたと思いますが、名前はなんだったけかな・・・」
「ひとめぼれです。今ではこのままササニシキが絶滅するのではないかと言われていて。ところが最近、復活させようという動きがあるようです。」
「そうなの?へえええええ」
「とは言っても、私はコシヒカリしか食べたことないんです。親戚に農家もいるので(^.^)」
「なるほど(*^^*)」
「これから向かうホテルのお米はもちろん魚沼産なのですが、その中でも無農薬有機栽培、最高のお米です。美味しいですよ~(^.^)」
「今は、お腹ポンポコポンですが、楽しみです(*^^*)」
しばらく歩くとホテルに到着しました。
彼女がそこで確認をすると、当日の空部屋がなく、お風呂と夜ご飯をいただくことになりました。
「ごめんなさい、婦人会の団体さんがみえてるらしくて。来る前に連絡すればよかったんだけど、混んでないとたかをくくっちゃってました。本当にごめんなさい((T_T))」
「とんでもない、何から何までお世話になって、お風呂に夜ご飯まで、、、お風呂、今からいいんですか?」
「はい、私も入ってきます(^.^)」
至福の時!!!
お風呂を出て再びロビーへ。ついさっきまでとは違い、離れていてもまた会えることが確約されている、そのありがたみを感じながら彼女を待ちます。
「お待たせしました~気持ちよかった~(^.^)どうでした?」
「遠くに雪で覆われた山々を眺めながら入る露天風呂、澄んだ空気も感じられて最高でした(*^^*)
あとね、男湯は私だけ、婦人会のおかげです(*^^*)」
「よかった~、、、でも、これで夜まで部屋でゆっくりできたらもっとよかったのに(T_T)」
「羨ましいです、こんな素晴らしい温泉が近くにあるなんて」
「遠方から家族や友人がきた時などは私も必ず入るんです、でね、夜ご飯も必ず食べちゃうσ(^_^;))」
「それでね、、、、あの、、、お嫌でなければ、、、ここにいるのもなんですし、、、うちに来ちゃいます?」
「お宅に!?」
「お呼びできるような家ではないのですが、ここのロビーにいるよりはましかなと、、、、今、フロントにいるのがおばさんですが(-_-;)ずっとこっちを見てるし・・・(-_-)」
「す、すみません、私みたいなおっさんが突然現れ、びっくりなさってますよね、、、いいんですか?何から何まで」
「10分くらい歩きますけど?」
「お願いします(*^^*)」
女性の一人暮らしというのでアパートを勝手にイメージしていたら、大きな一軒家でした。元々はおじさんの家だったそうで、その時から時間が止まっているような雰囲気も。
「古い家で散らかっていますが、、、片付け苦手で(;^_^A」
「この雰囲気、なんとも言えません、最高の空間です。ホテル混んでてよかったです(*^^*)」
「ちょっと変わってる人ね(^.^)」
「ちょっとでよかった(*^^*)」
「もし、、、ここがお嫌でなければ泊まっていきます?」
「ほんとに?」
「夜ご飯、ゆっくり食べれますし(^.^)」
そんなイケマセン、どこの誰かもわからないこんなおっさんを、あなたは人がいいのにもほどがある、と言いたいところでしたが、そう言う前に
「お願いします(*^^*)」
と言っちゃってました。
「二階に部屋があります、テレビも何もない部屋ですが(^.^)」
案内された部屋に入るとテレビがありました(¬_¬)
ただ、テレビはうつらなそうだから、彼女にとってはない物とされてるのだと思います笑
風船があったのですが、膨らみがあって安心しました。
なかったら、ちょっとこの部屋、いつから時が止まってるんだろうって気になってたかも笑
大きめの窓をあけ畳の上で横になると、雪の香りを感じます。なんだか懐かしい気持ちにもなります。
「ひっそりさーん」
一階から声がします。
「はいー」
「ちょっとスーパーいってきますー、ゆっくりしててくださいー」
「あ、私も行きますー!」
スーパーは目と鼻の先でしたが、彼女は車で少し遠回りをしてくれて、好きだという景色を見せてくれました。
夕日にうっすらと赤く染まる一面の雪、初めてみる景色は幻想的で、まるで夢の中にいるようでした。

うまく写真は撮れませんでしたけど、実際はもっと赤かったです。
もっとゆっくり眺めていたかったけど、すぐに車が動き出します笑
「ひっそりさん、お酒は?」
「はい(*^^*)」
「ご飯のあと家で飲みましょ(^.^)私は日本酒よりワインなの。こっちの人は日本酒が多いんだけど」
「自分もワインで(*^^*)」
「おつまみは、、、」
「なんでも(*^^*)」
家に泊まる、そして泊まる前の買い出し、まるでカップルのようです。しかも会話の中でたまにデスマス入って、ホヤホヤな感じがまた、、、なんとも(〃∇〃)
夜ご飯はホテルの個室を使わせて頂きました。婦人会のおかげでみんな宴会場だから笑
お米の順番を早目にしてもらい、口にするとそれが本当に美味しかった。
一緒に出てきたきのこ汁も美味しくてびっくりです。
「お米もきのこ汁もすごい!」
「南魚沼は、きのこの産地でもあるんです(^.^)」
「そうなの?」
「ひらたけ、ぶなしめじ、しいたけ、なめこ、えのきたけ、まいたけ、エリンギ、これを全部入れて魚沼きのこ汁って言います(^.^)」
「確認忘れ無我夢中で食べちゃいました(*^^*)」
「あははは、おかわりしましょっか(^.^)。きのこはね、雪国まいたけの本社も駅の向こうにあるくらいです。直営のレストランもあって、そこでもきのこ汁がありますけど、、、絶対こっちです。覚えておいて下さいね(^.^)」
「(゜-゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)」
「そのイワナは地元で養殖されたものなんですが、ここは八海山や他の山々の綺麗な雪解け水があるのでサケの養殖も盛んなんです(^.^)」
「もしかしてさっきのサーモンが八海山物?」
「ひっそりさん、ブローカーかなにかですか?」
「いえ、ただの食いしん坊です(*^^*)、というか、あなたこそ観光大使か何か?」
「私も、ただの食いしん坊(^.^)」
「あははははは」
楽しく美味しい食事を終え、ホテルを出ると、すっかり冷え込んでいました。
彼女の息が月明かりに反射して白くはっきりと見えて、なんとも言えない気持ちになりました。
思わず抱きしめたく、、、なったらイケナイイケナイ笑
帰りの車、また遠回りしてくれるかなって期待しましたが、彼女の家まで一直線笑
そして彼女の家で乾杯(*^^*)
時間が経つにつれ、明るく陽気になっていく彼女は笑い上戸なところがあって、へぎそばの話にお腹をかかえて笑っていました。でも、一人前でも蕎麦は同じものだそうです、良かった笑
そのうちに、さっきはああいったけど、一円に笑うとか、笑えねーし、とか、そんな慣れてなさそうな言葉使いが可愛く見えたり、
金茶寮のお弁当はあげたいと思ったけどマイセンのカツサンドは思わずノリで出してしまい、悔しい気持ちもあるとか、
面白い人でした(*^^*)
そのうちに、私のことを○ちゃんと呼ぶようになって、そんなのが嬉しくも。
途中、なんども眠くない?って聞かれて、本当は眠くなってきてたけど、その楽しい時間が終わると思うと勿体なくて眠いとは言えませんでした。
結局、彼女から終了宣言。
「これでお酒は終わりにしますね、最後の一口を飲んだら私は変わります」って
その時は、なにかの儀式でも始まるのかなって思いましたけど。
「いいかな○ちゃん、変わっていいかな」って
「何かあるんです?どうぞ(*^^*)」って私。
最後の一口を飲み終えた直後瞬でした、ソファに座っていた私の隣に彼女が近づいてきて・・・急接近ってインパクトあるですね。
「ずるしちゃおっかな」って
「ずる?」
「恋にはずるがあってもいいよね」って
何も聞かず顔を近づけるのは、ずるいかも。
なんて言う夢を見たんです。
恋をしているなら彼女にですかね?(*^^*)
アナタニウラナイハヒツヨウナイネ
占いのおじさんはそう言ってお店を閉めました。
これからレインボーポッキーを見るたびに彼女を思い出すのかも知れません。
夢のいいところは、また続きが見れるかも知れないところですね。
沢山、ありがとう。
あなたとの夢のような時間は一生忘れません。
今、こんな曲、聴いてます(*^^*)
https://www.youtube.com/watch?v=Kr0eRzatuGE
長い日記、読んでいただきありがとうございましたm(__)m
完?(*^^*)