1月3日　午前11時43分

　去年のこの日、今日ほど暖かくはなかったが、雪が舞った前日と違って快晴だった。
　そんな日に、母はここ名古山から旅立っていったのだ。
　10人（と職員2人）に見送られて。
　そして、そのうちの1人は7ヵ月後、酷暑の中母と同じように旅立っていった。




　炉の扉を閉められるとき、気持ちが押しつぶされそうになった。
　その時見た黒焦げた耐火煉瓦は、炉に入れられる直前に拝んだ母の尊顔と共に今でも思い出す。

　自分やここを見ている方々も含め、亡くなれば99.9％が荼毘に付されるのは分かっている。
　でも、現実に直面すると重くのしかかる。
　自分にとっては、「12月31日午後0時49分」よりはるかに重い。
　年月を経ても薄れてはいくだろうが、消えることはない。

　いつになるのか分からないが、少なくとももう一度同じ経験をしなければいけないだろう。
　それでも向き合うしかないが、その日が来るまでは（姉に対して）全力を尽くそうと思う。

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