
かなり燃費マニアックなネタを書かせていただきます。
プリウスのオーナーはご存じだと思いますが、プリウスはシステム起動後に一定時間エンジンが稼働する、「イニシャルアイドリング」があります。
イニシャルアイドリングは、水温が40℃前後に達するまで継続します。
時間にして夏場ならば数十秒、冬場であれば数分程度アイドリング(エンジン稼働状態)が継続することになります。
これは30系も50系もほぼ共通しているのではないかと思います。
それではプリウスはシステム起動後(エンジン稼働状態で)すぐに走り出すべきでしょうか?
それともしばらく暖気運転(アイドリング)をしてから走り出すべきでしょうか?
私はプリウスには暖気運転は必要ないと考えておりますが、
燃費のことを考えるとシステム起動後にすぐに走り出すのではなく、数十秒間はアイドリングを続けるべきだと考えます。
理由としては以下の通り。
プリウスではイニシャルアイドリングを開始して数十秒の間は、駆動に必要な動力は原則としてバッテリーからのみ供給され、エンジンは(ほぼ)発電専用として稼働する、シリーズハイブリッド車のような状態となります(バッテリー残量やアクセルの踏み込み量により例外もあります)。
<走行状態のエネルギーモニター(システム起動直後)>

モニター上ではエンジンの動力(
オレンジ色矢印)が、駆動輪(フロントタイヤ)とモーター(発電機)に分割されているように見えますが、
システム起動直後の数十秒間は、エンジンは基本的に発電機として稼働します。
この状態で緩やかにアクセルを踏み込んでも、エンジン回転数は約1,300回転で一定しており、加速に必要な駆動力はバッテリーから供給されている状態であることが分かります。
さて、常識的な加速を続ける限り、駆動に使う電力量>エンジンによる発電量
となりますので、システム起動後すぐに走り出してしまうと、発電量以上の電力を駆動のために消費するため、みるみるうちにバッテリー残量が減ってしまうことになります。
もしこの間にバッテリー残量が2目盛りまでへってしまうと、充電地獄(長時間のアイドリング状態)に陥ってしまう可能性すらあります💦
これは非常に非効率な走り方だと言わざるを得ません。
電力の無駄遣い→駆動用バッテリーの枯渇→発電のため長時間のエンジン稼働(充電地獄)という、燃費悪化のサイクルが始まってしまうからです😱
<充電地獄状態(バッテリー残量2目盛り)>
これを避け、燃費の向上を図るためには、システム起動後すぐに走り始めるのではなく、数十秒(30系なら50秒、50系なら40秒程度)はアイドリングを続ける必要があります。
この数十秒間のアイドリングにより、駆動用バッテリーに充電できるだけでなく、シリーズハイブリッド状態という非効率な領域(電力の無駄)を避けることができるからです。
しかし数十秒を超えてアイドリングを続けてしまうと、今度はエンジンの効率が悪く(ガソリンの無駄)なってしまうため、起動後ベストタイミングで走り出すことが、燃費向上のための重要なポイントとなります。
<アイドリング(発電)状態のエネルギーモニター>
それではどのタイミングでアイドリングを打ち切って走り出すべきなのでしょうか?
上記の通り30系であれば起動後50秒、50系なら40秒といったところですが、アイドリング中に明らかにエンジン音が変わるタイミングがあります。
恐らく動力分割機構が何らかの動きをしているものと推測されますが、まさにこのエンジン音が切り替わるタイミングで走り出すのが、電力もガソリンも無駄にしない、燃費向上のためのベストタイミングだと思います。
なおシステム起動時には、外気温や水温によってはすぐにエンジンがかからない場合がありますが、強制的にエンジンを稼働させる方法があります。
それは起動後にアクセルを軽く踏み込むだけ。
システム起動後のアクセルちょい踏み→エンジン音が変わるまでの数十秒のアイドリング→走行開始は、30系時代から続けているプリウス乗車時の一連の流れです。
燃費マニアックなネタで、プリウス(またはTHSⅡ搭載車両)に乗っていない人にとっては、イメージしづらいかと思いますが、オーナーさんには是非とも試していただきたいと思います。
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燃費 | 日記
Posted at
2020/11/13 21:19:33