
この7月に、ニッポンの新たな動脈が開通します。
「舞鶴若狭自動車道・全線開通」
「舞鶴若狭自動車道・通称『舞鶴若狭道』『舞若道』」は、兵庫県の吉川(よかわ)ジャンクションを起点として、京都府舞鶴市から日本海側に出て福井県敦賀市で北陸自動車道につながる高速道路です。
この舞鶴若狭道の開通は、京都府北部・兵庫県北部・福井県嶺南地方の活性化、という意義だけではなく、実は滋賀県北部の米原(名神・北陸道)から京都市・大阪市の都市圏を通過することなく兵庫県(神戸市周辺)経由で中国地方(中国道・山陽道)・四国地方(明石大橋経由・瀬戸大橋経由とも)に抜けられる、というもう1つの大きな意義があります。
京都や大阪の都市圏に中部以東から高速道路で移動する場合、少し前までは(旧)東名・(旧)名神経由、現在は新東名・伊勢湾岸・東名阪道・新名神経由が一般的(東名阪道から名阪国道経由というのもありますが)でしょう。そして神戸市以西に行く場合は、大阪府の吹田ジャンクションから中国道を走って神戸ジャンクションなり吉川ジャンクションに向かうのが普通(阪神高速・第二神明経由というルートもあります)でしょう。しかしこのルートには大きなアキレス腱があり、宝塚~西宮名塩間の慢性渋滞を抜けなくてはいけないという難題があります。また、阪神高速経由も大阪・神戸の大都市圏をモロに通過するという、関東で言うところの首都高速を横断通過するようなもので、これまた渋滞の嵐なのはよく知られているところです。
この「宝塚渋滞」「阪神間渋滞」を迂回する、というルートが「舞若道」ルートなのです。
例えば、
四国方面からだと「明石大橋→三木JCT→山陽道→神戸JCT→吉川JCT→舞若道→敦賀JCT→北陸道→米原JCT→名神→中部地方以東」、中国地方からだと「山陽道→三木→神戸JCT→吉川JCT→舞若道(以下同じ)」「中国道→吉川JCT→舞若道(以下同じ)」というルートが、それぞれ出来上がるのです。
高速道路代も「関西都市圏を通過しない」ので「神戸以西に行く場合には安くなる」ようです。
関東に住んでいる人間からすると、「あまり関係ないのでは?」と思うでしょうが、これがそうでもないのです。捉え方としては「北関東道が全通した状況に匹敵する」と考えてもらえばよろしいか、と思います。北関東道が群馬栃木間が全通するまでは、名古屋から栃木県以北に行く場合に高速道路全線使用の場合には、東名だろうが中央道だろうが、首都高速を必ず使用して東北道に抜けなくてはいけなかったのですが(福島以北だと新潟から磐越道回りというルートあり)、北関東道の全通で
「名古屋以西→小牧JCT→中央道→岡谷JCT→長野道→更埴JCT→上信越道→藤岡・高崎JCT→北関東道→岩舟JCT→東北道」という、
「東京圏を通らないルート」が出来たのは記憶に新しいところです。もっとも、ルートが出来たのが「東日本大震災直後」ということがあってあまり目立たなかったのも事実でしたが。。。
北陸道・磐越道回りだと真冬が降雪等で厳しい状況下におかれますが、北関東道経由だと、それほど心配しなくても良いというのがメリットだったりします。
で、元に戻って「舞若道」のこと。確かに日本海側に出るので雪の心配が無いと言ったら嘘になるでしょう。しかし、元々若狭湾岸はそれほど降雪が多くない地域と言われているので、マズい時期は、もしかしたらそれほど多くないかもしれません。ただ、京都府丹波地方(福知山市)以北は対面通行が基本なので、交通量が増えたらそちらの方が気にかかるようになるかもしれませんね。
実際に「阪神大震災直後しばらくは国道27号線(京都府北部から福井県敦賀に抜ける幹線国道)がトラックで大混雑した」という話もありましたし。
このような理由により、高速代金の方はETC割引の減額で実質的に高くなるとは言っても、それにもまして「新しいルートが出来る」という意義は、決して小さいものではない、と筆者は思います。
Posted at 2014/05/05 19:35:51 | |
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