小原庄助の小原庄助的こころ　こだわり　について考える

木造在来工法による社殿新築工事現場見学会に参加しますた。
富士市浅間本朝15-1 富知六所浅間神社(フジロクショセンゲンジンジャ）内、向拝（ゴハイ）、拝殿（ハイデン）、幣殿（ヘイデン）、翼殿（ヨクデン）、本殿（ホンデン）からなる木造平屋建銅板平葺屋根、延面積440.14㎡の社殿。





神社からの要望は次の通りでつ。
◎80帖の拝殿内に柱を建てない。
◎大スパンを鉄骨等の異種構造によらず、木造在来工法で造る。
唯一この要望にこたえたのは福井県の藤田社寺株式会社と富士宮市の滝一級構造研究室。
金額が一番安くて受注という例は多々ありまつが、技術力で受注！仕事冥利に尽きまつな。



向拝（330□）、拝殿、幣殿（330φ、390φ）翼殿（210□）本殿（210□、270□、300φ）いずれも柱は吉野桧。
本殿は総吉野桧造り。



向拝、拝殿、幣殿、翼殿、の造作材は米ヒバ。梁は米松。
拝殿の10mの大スパンに架かる三本のメイン梁は幅360mmx 成780mm。
伝統工法で建つ社殿を現代の法令に合わせねばなりませんでつ。
風雪、地震から守るために構造計算上様々な工夫が施されているのでつ。



床下には各所耐震ダンパーが取り付けてある。
自動車でいうショックアブソーバーでつ。



荒壁パネルと呼ばれる構造材。
土と紙を練り合わせた粘りのあるパネル。



垂壁（黄色部分）に、この荒壁パネルを張り付け強度を保つ。
また貫（赤矢印）も強度を保つ構造材。



彫刻欄間下の鴨居も構造材として計算されている。



板金職人も気の遠くなる作業をしてまつの。
竣工予定は今年の10月末とのことでつ。
愉しみでつな。