百々橋の礎石（京都市上京区）

この石は、応仁の乱の戦場として歴史に名をとどめる「百々橋」の礎石の一つです。
百々橋は、この地を南北に流れていた小川に架かっていた橋（長さ7.4m・幅約4m）で、橋名は、応仁の乱以前の風景を描いたといわれる「中昔京師地図」に当地が「百々ノ辻」と記載されていることに由来しているそうです。
応仁の乱の際、東軍の細川勝元と、西軍の山名宗全の両軍が橋を隔てて数度にわたり合戦を行い、この小さな橋に戦国乱世の歴史の一こまが刻まれることになりました。
古来は板橋でしたが、近世になって石橋に架け替えられました。昭和38（1963）年に小川が埋め立てられた際、橋も解体されましたが、地域の人々の尽力により、橋材は一時室町小学校で保存されました。
その後、橋材の大部分は洛西ニュータウン、竹林公園内に移築復元されましたが、橋脚を支える四基の礎石の内一基は室町小学校の校庭に、一基は百々橋を偲んで貴重な遺構としてこの地に遺されました。

Photo Canon EOS 30D
H19.4.6
住所: 京都市上京区百々町