蒲生郷の役所で御仮屋門と御仮屋犬槙が残る・蒲生地頭仮屋
2014年08月16日
江戸時代の蒲生は、現在の町役場のあるあたりに地頭仮屋が置かれて、周辺に麓集落という武家屋敷が並んでいました。地頭仮屋は、薩摩藩の外城制、島津氏の居城である内城に対し、領内を区分し、武士を分散居住させ外城として支配させた制度、後に「郷」と改められた外城制において、城砦の「麓」といわれる集落を治める役所を地頭仮屋といいました。
現在は御仮屋門と、御仮屋犬槙が残ります。
御仮屋門は、蒲生地頭仮屋の正門です。
通称で「御仮屋門」と称されていました。御仮屋は、現在の役場に相当します。
この地にあった当時の御仮屋は、石垣の高塀を巡らし、中央の正門(御仮屋門)を中に入ると広庭に出ました。
左手には鐘撞堂があり、周囲には建物が並列していました。門の直前に正玄関、右手に中門があり、その内側が正院の庭になっていましたが、隣にある御仮屋犬槙の下がその場所です。
御仮屋は、文政9(1826)年3月に再建されましたが、それ以前のものが腐朽したために新たに建てられた旨が、姶良市教育委員会所蔵の地頭仮屋棟札に記されています。御仮屋門は、高さ4.5m、横6.1mで、材木はすべてクスノキが使用されています。反り瓦屋根の両脇には小屋根が、前方には袖が出ており、乳鋲を打った観音開きの大扉や不浄門などに昔日の面影をとどめています。
平成11(1999)年3月に大規模な改修工事を経て現在地に移設されました。
御仮屋犬槙は、御仮屋の表庭に植えられていた木で、御仮屋門とともに往時を偲ぶことが出来ます。
(現地説明板などより)
Photo Canon EOS 5D MarkⅢ
H26.7.19
住所: 鹿児島県姶良市蒲生町上久徳2399番地