現在は平松神社になっている島津歳久の菩提寺心岳寺跡
2014年08月20日
滝水山心岳寺（ろすいさんしんがくじ）は、島津家第15代島津貴久の三男歳久を弔うために曹洞宗福昌寺の末寺として、慶長4（1599）年兄の第16代島津義久によって歳久が自害した場所に創建された由緒ある古刹でした。境内には、歳久とその殉死者および歴代僧侶、その他の石塔があり、藩政時代の一部を残す貴重な史跡です。
歳久は、天文6（1537）年7月10日、伊作亀丸城に誕生しました。祖父忠良（日新）や父貴久の養育を受けて成長し、長兄義久、次兄義弘、弟家久とともに南九州統一と九州制覇に尽力しました。官位は左衛門督（唐名は「金吾」）です。
この間、吉田・祁答院を領し、和歌や茶の湯に親しむ文化人でもありましたが、豊臣秀吉の薩摩侵攻に際しては最後まで、抵抗したため、天正20（1592）年7月18日に自害するに至りました。
辞世の句は「「晴蓑（せいさ）めが 玉のありかを 人問わば いざ白雲の 上と答へよ」です。
往時は島津忠良菩提寺の加世田日新寺、島津義弘菩提寺の妙円寺と共に心岳寺に詣でることが大流行し、「心岳寺詣り」と称する旧暦7月18日の祭礼には多くの参拝の人々でにぎわいました。
しかし、明治2（1869）年に廃仏毀釈によって廃寺となり、翌年、平松神社が建立されて現在に至っています。
（現地説明板より）
Photo Canon EOS 5D MarkⅢ
H26.7.19
住所: 鹿児島県鹿児島市吉野町10691
