イエズス会本部跡・奉行所西役所跡・長崎海軍伝習所跡（長崎市）

イエズス会本部跡
元亀2（1571）年、長崎の港にポルトガル船が初めて入港し、長崎に新しい町が造られた時、フィゲイレド神父はポルトガル人や日本人の信仰の中心として、その町の突端に小さな聖堂を建て、その教会はサン・パウロの教会（岬の教会）と名付けられました。
その後数回の建て直しを経て、慶長6（1601）年には当時の長崎で一番大きな教会が建てられ「被昇天の聖母の教会」と呼ばれるようになりました。ここにはイエズス会本部や司教館やコレジヨが置かれていましたが、慶長19（1614）年、キリシタン禁教令により破壊されました。

奉行所西役所跡
長崎奉行所は、文禄元（1592）年に博多町（現万才町）に設置されましたが、寛永10（1633）年、この地に移転し、東役所と西役所の二つとなりました。しかし、寛文11年（1671）に東役所が立山に移転、以後、敷地全部が西役所とされました。敷地は1,679坪ありました。
嘉永6（1853）年、幕府大目付格筒井肥前守政憲らがロシア使節プチャーチンを引見したのも本役所でした。維新後は長崎会議所となり、明治元（1868）年には長崎裁判所、さらに長崎府となりましたが、同6（1873）年以降、長崎県庁となり現在に至っています。

長崎海軍伝習所跡
安政2（1855）年、長崎奉行所西役所内に海軍伝習所が設けられました。教授陣には、オランダ海軍の士官らを招き、航海技術、造船技術などの軍事教育は無論のこと、その他、西洋の近代的学問を教育しました。
勝海舟らの幕臣をはじめ佐賀、福岡、薩摩などから多数の藩士たちが派遣され、幕末から明治にかけて活躍した多くの人材を送り出しました。
勝海舟は安政2（1855）年に海軍伝習所に派遣され、オランダ人から西洋技術、航海術、砲術などを学び、榎本武揚は、安政3（1856）年、第二次伝習生として蘭学や、航海術、舎密学（化学）などを学びました。
（現地説明板などより）
長崎県庁の敷地内に石碑が、敷地の外側説明看板が建っています。

Photo SONY NEX-7
H26.12.26
住所: 長崎県長崎市江戸町2-13