三峯神社（秩父市・旧大滝村）

三峯神社は、秩父神社・宝登山神社とともに秩父三社の一社です。
日本武尊が甲斐国から上野国を経て、碓氷峠に向われる途中当地に来られ、山川が清く美しい様子をご覧になり、その昔伊弉諾尊・伊弉册尊が我が国をお生みになられたこと偲び、二神を祀ったのが始まりです。
その後、日本武尊の父景行天皇が東国を巡幸された時、上総国で、当山が三山高く美しく連らなることをお聴き遊ばされて「三峯山」と名付けられ、お社には「三峯宮」の称号をたまわりました。
聖武天皇の時、国中に悪病が流行したため、諸国の神社に病気の平癒を祈られ、三峯宮には勅使として葛城連好久公が遺わされ「大明神」の神号を奉られました。
又、文武天皇の時、役小角が伊豆から三峯山に往来して修行したと伝えられています。
天平17（745）年には、国司の奏上により月桂僧都が山主に任じらました。更に淳和天皇の時には、勅命により弘法大師が十一面観音の像を刻み、三峯宮の脇に本堂を建て、天下泰平・国家安穏を祈って神社の本地堂としました。
正平7（1352）年、足利氏を討つために挙兵し敗れた新田義興・義宗らが身を潜めたことより、足利氏により社領が奪われて衰退しました。後柏原天皇の文亀2（1503）年修験者月観道満は当山の荒廃を嘆き、実に27年という長い年月をかけて全国を行脚し、復興資金を募り社殿・堂宇の再建を果たしました。
天文2年（1533）山主龍栄は京に上り聖護院の宮に伺候し、宮家より後奈良天皇に上奏され「大権現」の称号をたまわって、坊門第一の霊山となりました。以来、天台修験の関東総本山となり観音院高雲寺と称しました。更に、観音院第七世の山主が京都花山院宮家の養子となり、以後当山の山主は、十万石の格式をもって遇れました。やがて、享保5年（1720）日光法印という僧によって、今日の繁栄の基礎ができました。

Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
H30.12.29
住所: 埼玉県秩父市三峰298-1