工楽松右衛門旧宅(高砂市)
日本遺産の構成遺産にもなっている工楽松右衛門旧宅
2020年09月08日
江戸時代に海運業や港湾改修などをおこなった、工楽松右衛門の居宅です。初代工楽松右衛門は寛保3(1743)年に高砂町東宮町に生まれました。若くして今の神戸市に出て船乗りになり、御影屋を名乗って海運業で成功を収めました。その後、帆布(船の帆)に大改良を加えて船の性能を飛躍的に高め、「松右衛門帆」としてその名を残しました。
司馬遼太郎の歴史小説「菜の花の沖」にも登場する松右衛門は、択捉島の港の難工事を成し遂げた功績により、幕府から「工楽」の姓を与えられ帯刀が許されました。彼が工夫、発明した数々の工事専用船でその後も箱館や鞆の津を始め、全国各地の港を改修しました。
2代目松右衛門以降も、地元高砂の港を改修し新田を開発するなど、初代の遺志を継いで事業を行いました。
旧宅の土地・建物は平成28(2016)年1月に工楽家から高砂市に寄贈されました。200年近い経年による傷みは相当なもので、可能な限り当初の建築様式に復元するには1年4か月の時間を要しました。波打つように仕上げられた白い漆喰の軒裏、屋根には煙出しの「越屋根」、趣のある「舟板塀」、今では見られなくなった「ばったり床几(しょうぎ)」や「しとみ戸」など、見どころのある特徴が復元されました。
江戸時代後期の建物で1階は通り庭に井戸や炊事場があるほか9部屋あり、2階は7部屋あります。平成28(2016)年1月に史跡として市指定文化財に指定されています。平成30(2018)年5月に日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落~」に追加認定されました。
平成30(2018)年6月3日、一般公開が開始されました。
開館時間 9:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 毎年12月29日~翌年1月3日
※入館料は無料です
(現地説明板などより)
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R2.8.15
住所: 兵庫県高砂市高砂町今津532
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