銘酒「七賢」の醸造元・山梨銘醸株式会社〔北原家住宅〕
2020年11月11日
山梨銘醸は、日本名水百選にも選ばれた、南アルプス甲斐駒ヶ岳の伏流水などや豊かな自然に恵まれた白州にて、地元の農家による契約栽培米を使用した北杜の地酒、銘酒「七賢」の醸造元です。
築180年の風格ある母屋は、明治13(1880)年明治天皇ご巡幸の際、一晩ご宿泊された「行在所」として見学ができます。
また併設の直売店「酒処大中屋」では、七賢の試飲ができます。
北原家は州の高遠で酒造業を営んでいた北原伊兵衛光義がこの地に分家をして大中屋(現山梨銘醸株式会社)という屋号で酒造りを創めたと伝えらています。天保6(1835)年には高遠城主内藤駿河守より「竹林の七賢人」の欄間が送られ「七賢」の名前の由来となっています。その後、諏訪高島藩や伊那高遠藩の御用商人となり、甲州街道の宿場町である台ヶ原宿の脇本陣を勤めるなど豪商としても知られています。明治13(1880)年には明治天皇が山梨を御巡幸した際行在所として利用されています。
北原家住宅は、台ヶ原宿の街道に面して建つ大規模な町屋建築です。主屋は主部の桁行が十間、梁間十間半で、東側の土間、店舗および居住部分から構成され、一部に二階居室があります。西側につづく突起部は桁行が六間、梁間七間半で、南面に式台付き玄関、北西に座敷部分が並び、総桁行は十六間に及びます。屋根は緩勾配の切妻造りで銅板葺になっていますが、もとは石置き板葺屋根でした。玄関の正面には両脇に塀を付けた表門が建っています。
特に座敷部は三室を南北に並べた配位で、格式の高さを示し、北端の奥座敷(行在所)は座敷飾に床の間、違棚、付書院を備えた十畳間で北側に畳廊下が付くきます奥座敷と中の間堺との欄間装飾は「竹林の七賢人」の彫刻です。
これは立川流宮大工・彫刻師として名高い立川専四郎富種の作品であり、酒名「七賢」の由来とされています。
建築年代は天保年間(1830-43)から嘉永7(1854)年にかけて完成したと考えられます。主屋はじめ文庫蔵等付属建物が当時の状態でよく保存され、また建築関係資料も多く残されており、江戸時代末期の優れた商家遺産です。平成12(2000)年に山梨県指定文化財に指定されています。
営業時間 10:00〜17:00
【行在所の見学】10:00、11:00、13:00、14:00、15:00
【酒蔵の見学】10:30、11:30、13:30、14:30、15:30
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R2.9.20
住所: 山梨県北杜市白州町台ヶ原2283