慈雲寺(甲州市・旧塩山市)
イトザクラが美しい樋口一葉ゆかりの寺院・慈雲寺
2021年05月23日
慈雲寺は山号は天龍山。、臨済宗妙心寺の寺院です。甲斐百八霊場の第十番札所になっています。
暦応年中(1337~1342)に夢窓礎石が開創したと伝えられます。
甲州市指定の絹本着色十六善神像図は、大般若供養の際必ず奉懸されます。この絵画は平安時代仏画の古様を遺しながらも装飾的、耽美的な傾向に陥らず、雄渾、明快な表現を有しており、室町時代の作と考えられます。
また、もう一幅の市指定紙本着色渡唐天神像図は、一般的な渡唐天神図とは異なって、束帯を着けて梅枝を持たず、椅坐の形式をとり、手持ちのかわりに足下に天神の象徴である梅の枝を描いています。
境内には慈雲寺のイトザクラがあります。ウバヒガンの変種で山梨県の天然記念物になっており、満開時に根本から上を見上げるとサクラの天蓋のように見えます。樹齢300年以上のしだれ桜は、糸が垂れたように淡い紅色の花を咲かせることからイトザクラとも言われています。周辺の桃畑の桃の花の開花時期とほぼ同時で、周辺の景観も美しい寺院です。
なお、境内に樋口一葉、真下晩菘の碑があります。。
大藤の里は、明治の女流文学者として近代文学史上に今もなお燦然と輝く樋口一葉女史の父母のふるさとです。
大正11(1922)年、篤志家廣瀬彌七翁らが一葉女史の妹邦子の願いを受けて、明治文壇の名だたる名士の賛助のもと一葉女史両親のゆかりのここ慈雲寺に、私財を投じて一葉女史の文学顕彰碑を建立し今も多くの文学愛好者に親しまれています。
一葉女史の肖像が新五千円紙幣に登場したことを機会に、塩山市では一葉女史の志を市民の宝とするために特別顕彰を行い、その遺徳を讃えました。「樋口一葉・心のふるさと塩山市」市民一人ひとりは、心の奥にこの言葉を温め地域の誇りとして抱いています。
いま、ここに一葉女史の見ることのなかった父母のふるさとへの愛着と思慕の念を秘めた作品「ゆく雲」の一節を碑文に刻み、一葉女史と郷党の人々との心の結びつきをいっそう深めるために記念碑を建立しました。
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R3.4.3
住所: 山梨県甲州市塩山中萩原352
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