フォッサマグナパーク・枕状溶岩(糸魚川市)
下根知農村公園に隣接した場所にある崖の岩石・枕状溶岩
2022年07月28日
フォッサマグナパークはジオパークの名を世界で最初に冠した平成2(1990)年に開園した野外博物館です。日本列島を二分する糸魚川-静岡構造線を人工的に露出させた断層露頭やフォッサマグナの海に噴出した日本最大の枕状溶岩があります。平成29(2017)年10月中旬から園内の遊歩道を一時通行止めにし断層の状態をより分かりやすくするため露頭の改修工事を行い、平成30(2018)年8月1日に開園式を行い、8月2日に再オープンしました。
フォッサマグナとは、ラテン語で「大きな溝」という意味です。明治時代に日本に来たドイツの地質学者・ナウマン博士が発見し、命名しました。
日本海から太平洋までのびる1~3億年以上前にできた古い岩石の溝に 2000万年前以降にできた新しい地層がたまったものなので、上空から見下ろしてわかるような地形的な溝ではなく、山々をつくっている地層や岩石を知ってはじめてわかる「地質学的な溝」です。
糸魚川ー静岡構造線は、日本列島の真ん中を分断する断層で、フォッサマグナの西側の境界です。また、この断層を境に東日本と西日本が地質学的に分けられ、さらに北アメリカプレートとユーラシアプレートの境界とも考えられています。
フォッサマグナパークの内、東側の下根知農村公園に隣接した場所にある崖の岩石は、枕を積み重ねたような形をしていることから、枕状溶岩と呼ばれています。枕の形は、安山岩や玄武岩の溶岩によく見られ、水中で溶若が固まった証拠となります。約2000万年前に多くの海底火山の噴火を伴いながら、日本列島がアジア大陸から分離して日本海がてきたと考えられていますが、この枕状溶岩は、その頃、大きく広がった日本海の海底に噴した溶岩です。
海底火山が噴火した時に、溶岩がソーセージのように流れて水に触れた表面だけが固まります。たくさん重なったソーセージ状の溶岩が、大地の盛り上がりと川の流れに削られたことによって「輪切り」され、現在の形のように見えることになりました。
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R4.7.16
住所: 新潟県糸魚川市市東中
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