六角高頼を討伐するため近江に出陣した九代将軍足利義尚公 鈎の陣所ゆかりの地
2022年09月27日
室町幕府第九代将軍足利義尚が、応仁の乱後は衰退気味の幕府権力を回復させようと、隣国近江で幕府の所領を横取りしていた六角高頼を討伐するため近江に出陣した陣地は、永正寺付近にあったといわれています。
近くの上鈎池周辺には「九代将軍足利義尚公、鈎の陣所ゆかりの地」と彫られた大きな石碑があり、周囲には歌人だった義尚が交わした何首かの和歌を刻んだ石が何基か並んでいます。
父 八代将軍義政公へ
坂本のはまちを過てなみ安くうやしなふ寺に住とこたへよ 義尚
長享元年十月四日 義尚着陣の時
義政公の返歌
やがてはや國治まりて民安くやしなう寺も立ちそかへらん 義政
長享元年 都より
中納言入道宋世 義尚へ
かへりねと志賀の浦浪たたぬ日も君を都にまたぬ日はなし 中納言入道宋世
鈎へ陣かへ 霜月廿日
中納言へ義尚の返歌
思ひとけは浮世なり見しかの蜑の業もしつへき旅の日数を 義尚
霜月廿日陣所
陣中の歌会で義尚
三冬つきはるきにけらし乙女子か袖ふる山にかすみたな引 義尚
長享二年正月十五日
後土御門天皇より足利義尚将軍へ
君すめば人の心の鈎をもさこそはすぐに治めなすらめ 後土御門天皇
鈎の滞陣を慰める歌
後土御門天皇への返歌
人心鈎のさとぞ名のみせむ直なる君が代に伝へなば 義尚
長享元年十二月二日 義尚鈎の陣所にて
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R4.9.11
住所: 滋賀県栗東市上鈎