六角井（五島市〔旧福江市〕）

天文9（1540）年、当時、東シナ海を舞台に貿易商として活躍していた明国の王直は、通商を求めて福江（当時は深江）に来航しました。財政に苦しんでいた領主である宇久盛定は、これを喜んで通商を許し、江川城下の川向こうの高台の地に居住地を与えました。これが現在の唐人町です。
その際、王直ら中国人が、飲料用水や船舶用水として造ったのが、この六角井（ろっかくいど）であるといわれています。
井戸枠は六角形に加工した石で囲まれており、井戸の内部も水面下まで六角形井壁が板石で造られているため、まるで六角柱を地中に建てたような形状の井戸です。
市内には、このような六角井が戸岐にもあり、また長崎県内にも、中国人が造ったとされる六角井が数か所知られています。いずれも港町に位置しており、中国との交易があった場所です。昭和29（1954）年12月21日長崎県文化財に指定されています。
（現地説明板などより）


Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R7.5.4
住所: 長崎県五島市江川町５