敦賀富士と呼ばれる野坂山を借景とする庭園・柴田氏庭園
2026年04月10日
柴田氏庭園は、江戸時代前期の豪農・柴田権右衛門が、小浜藩主をもてなすために築いた築山回遊式林泉庭園です。中国の『詩経』からその名をとって屋敷を「甘棠館」、庭園を「甘棠園」といいます。
「甘棠館」の由来は「甘棠の愛」から来ています。
甘棠は実を付ける樹木でズミ、ヤマナシとされていますが、 柴田氏庭園ではヤマモモと伝わってきました。この木は中国古代の書 「詩経」に出てくる詩「甘棠」で有名です。
これは、「周の召公は国内をくまなく歩いて周の召公は国内をくまなく歩いて、人々の悩みを聞き、争いごとを裁いた。人々は召公の仁徳と善政を思い、その甘棠を惜しんで木を切らなかった」という詩で、ここから為政者に対する人々の敬愛を「甘棠の愛」と呼ぶようになりました。
柴田権右衛門は、小浜藩主をもてなす建物を「甘棠館」として、市野々村の開発に援助いただいている藩主に応え、また市野々村を治める庄屋としても、村民に慈愛の心を示した者と思われます。
敦賀富士とも称せられる野坂山の雄大な姿を借景とするなど地域の風土を生かした独特の意匠、構造をもつことから芸術上、鑑賞上の価値は高く、昭和7(1932)年に庭園と書院が国の名勝に指定されました。またこの庭園は、環濠をめぐらした方形の屋敷地の一画を利用して作られており、庭園と屋敷地を一体的に保護する価値があるとして、平成19(2007)年に屋敷地全体が国の名勝に追加指定されました。
令和4(2022)年度までの整備事業により、甘棠館の中から庭園を楽しむという本来の鑑賞体験できるよう、建物、庭園が修復されました。
このほか建物跡や堀、石垣などを含む屋敷地全体を敦賀市の史跡として、また屋敷地内のヤマモモ、クスノキが市の天然記念物に指定されています。
公開時間 10:00〜17:00
休館日 毎週水曜日(水曜日が祝日の場合その翌日)
年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)
入館料 大人200円 中学生以下100円
住所: 福井県敦賀市市野々町1丁目723番地