ワタシの界隈でよく使われる言葉、「INOP」。
これは、「Inoperable」の省略語。
Online辞書で調べると、「手術不能の」または、「実行できない」と有る。
ここで伝えたい意味とは、微妙に違う気がする。
ワタシ的には、「故障中」とか、「操作不可」って云う感じ。
ともあれ「いんのぷ」と「いのぷ」の中間ぐらいで発音する。
機器がキッチリ作動していない事が多い、航空機。(笑)
「INOP」は、ごく普通に使われている。(驚)
航高の同期生は、旅客機の整備をしている。
彼によると、
「100%壊れていない完璧な状態で飛んでる飛行機なんて、まず無い」んだそうだ。
これは、今の仕事に就く前、1990年に一時帰国した時に聞いた。
「ホンマかいな❕ アカンやん❕」って言った様な、気がする。
時は過ぎ、有り難くも、運よく航空機整備が出来る様になった。
そして、彼の言っていた事が事実だと知った。
( ´∀` )

デジタル計器盤(G1000)装備のこの機体。
メインの計器盤が壊れた場合でも、地上に下りられる様、バックアップとして機能する旧来の計器が三個備わっている。
左から、対空速度計、水平儀、高度計。
水平儀に、「INOP」が貼られている。
オヨヨ。
この写真を撮った時は、この計器の交換を行った。
「INOP」は、一個減った。
後日、同じ機体が整備に入った。
今度は、
「右座席から無線で音声が発信出来ない」と言われた。

左右の操縦桿にはそれぞれ、それ用のスイッチが有る。
電気系統のトラブルで一番最初に疑うのは、スイッチ。
スイッチの状態を点検し、それが良好なら、配線図を元に、断線箇所を探す。
スイッチは、良好だった。
( ゚д゚)ウムむ
断線箇所を探そう。

ひと通り見回したが、断線箇所が見つからなかった。
メーターを繫げて、電気的に断線が有るかどうか、チェックしなければならない。

細い六角レンチを突っ込み、固定ネジを緩めると引っ張り出せる。
機器を引っ張り出すと、それを支えているクレードルが計器盤の残る。
そして、細い接続ピンが沢山あるのが見える。
「〇ん毛みたいに細いやん。」
見た瞬間そう思った。
オヨヨ。
ピン番号50番と51番がスイッチと繋がっているかを確かめる。
目を凝らして、ピンの本数でどれが、50番でどれが51番か探し、メーターを繫げた。
「ピー」っと発信音を発する。
つまり断線は、していない。
( ゚д゚)ウムむ
これで分かった。
オーディオパネルが、「INOP」だわ。
先日減った「INOP」。
結局戻って来たっちゅう話し。
( ´∀` )
🅼
ブログ一覧 |
航空関係 | 日記
Posted at
2020/02/21 10:34:41