「それは、海苔か～ぃ」

　　　Costcoにて、、、。　電動車椅子に乗った爺さんが、すれ違い際に発した精一杯の声。 ワタシのカートを見たのか、それを載せるのを見たのか❓

「それは、海苔か～ぃ。」

　　　　鼻には酸素用管がある。 肺が弱っているのかな。 実を言うと、一度聞き逃した。　二度目で、何を言っていてそれがワタシに向けられている事が判った。 振り返って、「そうでっせぇ」と応えた。　

爺さんは、「ピーナッツオイルで、クランチーなヤツやよなぁ～ぁ」　と、続けた。

「ピーナッツ オイルかどうか知らんのですが、クランチーで美味しいですよ。　ソコの棚、右手にありまっせぇ。」

「ええ～❓」　何処かな？ みたいな反応をする。

「ホラ、あそこですわぁ。」 と指をさす。

爺さんは、そちらの方へ車椅子を進めた。




　　　その場を、立ち去りながら近くにあったんやで、「取って上げましょか❓」　って、訊けば良かったのにな。　そう思った。　爺さんの様子から、恐らく朝鮮戦争で戦ったとか、韓国米軍基地に居たとかの年齢だな。　もしかしたら嫁はんが、韓国人なの（だった？）かも知れない。　もっと敬意をもって接したら良かったのに。　マダマダ、とっさに配慮の出来ない未熟者なんだな。